Twitterで流れてきたプロモーションがきっかけとなって読み始めた漫画『4000年ぶりに帰還した大魔導士』。ここからのおすすめで『テムパル〜アイテムの力〜』を知って以来、この2作を楽しみに読み続けています。『テムパル〜アイテムの力〜』、タイトルにあるテムパルってなにかというと、ゲームで用いられる用語で、アイテムの力で強くなること。自分は知らない言葉だったんですが韓国語だそうですよ。単純にアイテムの使用効果によるものだけでなく、固有スキルとかを活用して戦いもろもろを有利に進行させること、それをテンパルというようです。すなわち、この漫画の主人公、グリードがそうしたプレイングをしているってわけですね。
この漫画の主人公、ゲーム内でのプレイヤーネームがグリードなんですが、強欲というだけあって金に汚なかったりと、わりかし人格に問題ありなのが面白いところです。偶然っていってしまっていいのだと思う、特殊なユニーク生産職への転職を果たしたことをきっかけに、職業固有のスキルにアイテムの能力を上乗せして自身の置かれた状況を覆していく、そうしたストーリーが痛快で、ずっと先を楽しみにして読んでいます。
序盤、導入部が終わるくらいまで、主人公があんまりにもがめつくて、人格的にも問題がありすぎて、どうしたものかみたいに思うことも多かったのですが、不遇な身の上にあった彼が信頼を得て、また仲間との交流や様々な出会いを経て、だんだん成長していくところは素直に好感が持てまして、それでもどこかしら憎まれ役みたいなところのあるグリードの開き直ったような大暴れ。いわゆる俺ツエー的な展開にもなるわけですが、これは主人公寄りの立場となる読者にとってはむしろ願ったり叶ったりですよね。時に苦戦しながらも強敵を降し、さらなるパワーアップに繋がる強アイテムを獲得していくのはわくわくさせられる。このアイテムが、得られたスキルが、どのように使われるのだろう。それをもってグリードがどのような活躍を見せてくれるのだろう。
ゲームをやっていて、強い装備を入手した時、強いスキルを獲得した時、試してみたいとうずうずする気持ち。これで状況が打開できる! 手強かった敵を圧倒できる! そうした面白さに通じるものがあるわけですね。
現在、自分は無料で読める分を読みきって、毎週火曜日に新しく開放されるエピソードを心待ちにしています。現時点で無料で読める分の最新状況は、テムパルでもって活躍するのが、グリードひとりではなく、グリードの属するギルドメンバーにまで拡大したところ。苦境にあるメンバーが、無名であるため侮られていたプレイヤーが、グリードの開発したアイテムのポテンシャルで能力を底上げされ、強敵を圧倒する。
いやもう、これは面白いですよ。
アイテムの力でパワーアップして敵に勝つ、スキルの特殊効果でもって敵に勝つ。この連続だと飽きるんじゃないか? 同じパターンが続いてしまうんじゃないか? そんな懸念もありそうなところですが、これまで読んできた感触では、同じようなパターンに陥らないよう気配りされているように感じます。でもまあ、最終的には必殺技ともいえる強スキルで相手をぶっ飛ばすことになる、そこはワンパターン的かもはしれませんけれども、いやむしろこれこそは待ってましたの必殺技というべきでありましょう。
気に入ってるポイントがありまして、グリードはプレイヤー相手にはわりと失礼な態度をとるのに、なぜかNPCのおっさん相手には親切だったり共感的だったりするところがあって、これ、この人の人間不信が原因!? ともあれ、どこかコミュニケーションがへたくそというか、なにか間違ってるというか、それでいて、そっち方面には親切なの!? みたいなね、彼がなにを大切にしようとしているか、その軸が面白く感じられます。
でもこれは、おそらくは韓国の年長者を敬うという文化的背景、それがあるんだろうなあ。みたいなことも感じていました。ピッコマで読める日本語版では日本のプレイヤーとなってるグリードですが、オリジナルだと韓国プレイヤーだったりするのかも知れませんね。
- Team Argo作画,Monohumbug(REDICE STUDIO)脚色,Saenal REDICE STUDIO原作『テムパル〜アイテムの力〜』
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