『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号、昨日の続きです。
『ひなたっこ』
この漫画、やっぱりといいましょうか、面白いです。日向高校保育コースにて学ぶ子たちを描いた漫画。今回は、なぜ保育の仕事を目指そうと思ったか。その問いからはじまって、ちょっとカオスな入学式の日のことを回想することになったのですが、その回想が本当に面白い。
自己紹介ならぬ、くじでペアになった相手と話して得られた情報をもとにして、ペアの相手を紹介するという試み。他己紹介というのですが、これがね、すごく楽しいの。というか、この子たち、初対面から自由だったんだな! ってのがわかる。5分のインタビュー時間を利用して作った輪飾りにお花で教室を飾りはじめる那奈。やたらおにぎりを押し出してくるつきの。いやもう実に個性的。のびのびしてるなあ。にじむ個性もチャーミング。人好きのする、そうした子たちのわいわいとにぎやかに夢に向かって頑張っている姿がとても素敵な漫画です。
今回は授業の様子まではいたらなかったのですが、続く保育演習では絵本の読みきかせをやるという。皆でね図書室いって絵本を選ぼうというところで終わるんですが、この続きもきっと楽しいことになるんだろうなあって想像させてくれる余地がある。ええ、いい膨らみがあるのです。
『トゥーBEE オア ノット トゥーBEE』
農業部で世話している蜜蜂。どうもこのところ元気がないので心配しているんですね。スズメバチに襲われていたのが原因かも知れない。こういう時には、蜂に栄養を与えるべく給餌器使って砂糖水を与えます。へー、こういうのもあるんだと勉強になる。こういう知らない分野に触れられるの、すごく嬉しく感じます。
そして今回は蕗の話題もありまして、すごく大きな蕗の葉っぱ。仮面を作ってみたりしてね、そして降り出した雨を避けるべく、蕗の葉を使って傘を作ります。あの大きな蕗の葉を手にしている絵、なんか夢があるなあ。雨も思い出に残るイベントになる。そんな感触。蕗の葉を持った子たちが列なして歩いてる様子、それだけでもなにか楽しくなってきます。
ここからがまた面白い。ただ蕗の葉を傘にしましただけじゃなく、それを使って料理をしよう。塩もみして茹でて酢蜜に漬け込んで、そして皆で食べるところまでしっかり描いてくれる。農業部の面目躍如たる描写。酢蜜に蜂蜜使っているのも、この漫画のタイトルにもあるBee、蜜蜂の存在感感じさせてくれてまたよかったです。
そして最後に蜂をいたわる花子。虫が苦手だったこの子にしても、こうして蜜蜂を身近な存在、仲間と捉えている、そんな様子にほっと温かい思いのしたのでした。
『しずねちゃんは今日も眠れない』
人の姿になれなくなってしまった抱き枕のねね。夢の中では、しずね姫を助けるべく走ってみたり、謎のふわふわと戦ってみたりと、どうにも落ち着かない様子。しかもそのふわふわが嫌なこというんですよ。しずねはもうねねのことなんて忘れてしまってるよって、しずねの独り立ちが叶い、ねねの役目も終わってしまったんだよって。
そうした声にくじけそうになりながらも、しずねの力になろうと奮闘し続けるねね。この子の、自分の存在に迷いを抱きながらも、気力振り絞るようにしてしずねのために頑張り続ける様子を見れば、ああ、どれほどにしずねがねねにとって大切な友達であるのかがわかろうもの。だからこそ切なくもあるのですが、じたばたし続けるねね、涙のとまらないのの。ふたりの弱気になりながらも負けじと抗うその姿に涙でありました。
そしてここでしずねがねね、ののたちのために動きますか! あかりにも声をかけて、ふたりを救う儀式をする! って、いったいどんな!? いやもうまるでわからんのですけど、この思いがけないことやらかしてくれるしずねの頼もしさ! ああどうか、ねね、ののを救ってさしあげて! なにをどうするのかさっぱりわからないけど、しずねの助けがふたりに届くこと、願う気持ちでいっぱいです。
- 『まんがタイムきららキャラット』第18巻第5号(2022年5月号)
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