2022年3月10日木曜日

『まんがタイムきらら』2022年4月号

 『まんがタイムきらら』2022年4月号、昨日の続きです。

『推しごとびより』

最終回を迎えました。ロゼとの合同ライブ。緊張しながらも、しっかり歌いきってみせたカラフルリウムの皆。観客席には、そんな彼女たちを推してくれるファンたちの姿があって、そしてこのライブが、彼女たちのパフォーマンスが、客席へ、中継で、遠くへと広がりオーディエンスの心を掴んでいく。

最終回にして、さらなる躍進を感じさせるカラフルリウム。ステージ上でのトークでも、自分の推しについてがっつり語っていく心町。こうした姿勢、ファンの人たちの気持ちも掴んでいたんじゃないかな。ステージ上のパフォーマーが、自分たちと同じくロゼを推している。そうした親近感はカラフルリウムの武器であるのかも知れない。取り入るための演技とかじゃなく、本心から自分の好きにまっしぐらな彼女たち。そうした姿勢は、きっとそのままに伝わっていくものがあるのかも知れないって思わされたのですね。

しかし、今回、ライブ後の展開がおかしくて、ロゼが打ち上げ提案するも、心町となるはももかのライブ、空はネットの生放送、彩姫はゲームに柚葉はレポ漫画。もうね、自分のやりたいことが決まってて揺らぎもしない! そして茜とましろもももかのライブにいくことになって……、という、このカラフルリウムのパフォーマンスだけでなく、推しごとにおいても広がり見せていくというの、本当に彼女たちらしいといえる最終回だったと思いました。

『スロウスタート』

たまてがえらいことになっとる! 花名と創が仲よさそうに話している様子を見た綴とたまてがですよ、しゅんとしたり嫉妬に歯噛みしたりと、もう大変! でもふたりの会話、それがもうどうしたものでしょう、足がつる話題なのか。ちょっとのことで手足がつる、それどころか背中までつる。実際、目の前でふたり揃ってつってみせて、しかしこれがふたりの共通項とは。落ち着きを取り戻したたまてから、運動不足にもほどがあるなんていわれてしまっています。

今回は、冠の会長就任挨拶の回想あり、そして間近に迫る体育祭、生徒会も部活対抗リレーに出てみようかなんて話になって、ああ、次の展開に向けての布石ですね。自分が足を引っぱってしまうんじゃないか。とにかく不安にかられる花名ですよ。気にしないでもいいのに、といいたいけれど、散々学校体育で叩かれてきた人間にとっては無理な話。ええ、わかりますよ。そうか、これが自分と花名の共通項か! 悲しい、悲しいな、花名さん……。

ともあれ、創も頑張るからと、運動不足仲間の創が一緒ならきっと大丈夫だと、後ろ向きなこと思ってる花名ですよ。で、すぐさま創に裏切られる!? ああ、花名よ、強く生きよ。気持ちはわかるが、頑張るんですよ。

『それでは、ステキなセッションを。』

ボーカルの伴奏をした時に、歌いづらかったといわれてしまった芽依。以来思い悩む日々を送っていた彼女を見兼ねて、一色たちが力を貸してくれた。芽依にマイクを渡して、伴奏をするから歌ってみろと。緊張に足がすくむ芽依の背をてんちゃんが、そして伴奏をする皆の気持ちが押してくれる。そこからの芽依の伸びやかに歌う姿。気持ちを前へと、さらに前へと進ませていく、そんな姿に瑞々しさ感じて、ああ、いいですね。人の伸びゆく様、それは心踊らせてくれます。

ラヴ演千本ノック、2時間やりきったその後の会話。一色に指摘されたこと、それが芽依にしっかり刺さって、でも今回の経験でなにがいけなかったか、どうするべきだったかが見えた。ああ、人の成長が見えるのはわくわくとさせてくれる、喜びがあります。

そして芽依が見たドレス。伴奏をしてくれた星田に徳庵、ふたりがドレスをまとっているように見えたというの。奏ドレス。ミュージシャンのまとうオーラ、それがドレスのように見えるのだというのですね。

てんちゃんからのパワー注入で、一色のまとうドレスがかすかに見える。徳庵、星田のそれははっきり明確に見える。けれど芽依のドレスはまだ見えなくて。というところから一転、芽依がなりたいミュージシャン像を自覚した瞬間のあの映像!

音楽という絵に表しづらいもの、音楽性、パフォーマンス力というものをこうして可視化してみせる奏ドレスの効果。それが見事に発揮されていたと思います。人の、大切なことに気づいて、明確な目標を抱いたことがきっかけとなって、一段高いステージに押し上げられる。その瞬間がこんなにも印象的に描かれた。はっとさせられる一色とてんちゃん、彼女らの驚きを読者もともに感じることができた。この気持ちは、ちょっと言葉にできない、それくらい心動かされるものでありました。

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