2022年3月1日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年4月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年4月号、先日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

今回のオタク共感シリーズ、めちゃくちゃ面白かったです。都道府県別の名所を紹介する本、東京はぶ厚くてきっと全国どこにでも潤沢に出回るのに、地元のはというと薄いしきっとそんなに売り場に並ばない……。そんなこと八重がいってたんですが、これ、地元の扱いの悪さにがっかりしてるのかと思ったら逆なのか! 自分の推しの強さに感動系の話だったのか!

この八重の感情を読み間違える亜紀が面白かった。亜紀は、自分の推しの扱いが少なくてショック派なんですね。そしてこの亜紀の話を受けて出てきたみな。この子の場合は、推しの紹介がたったの一文、それでも嬉しいと、またちょっとずつ違ってくるんですね。

この感覚の違い、ベースとなる推しのポジションの差ですよね。八重はいわば主役を推すタイプ。主役でなくとも主要登場人物に推しを作るタイプ。亜紀はというと仮にそれがメインでも限りなくサブキャラ寄りのキャラクターを推して、みなともなれば、いやそれサブどころか限りなくモブでは!?

でもみなの気持ちわかるんだよー。最近でこそ自分もメイン格、あるいは主役を推すことも増えてきたけどさ、亜紀みたくサブ寄り、それこそグッズとかほぼ出ない、出てもなんかのついでみたいなんとか、それこそファンブックとかだと3人まとめて紹介みたいな感じになっちゃうの推しちゃうタイプでした。そんなわけで、みなみたく、ほんとにただの数回、セリフひとことあればヨシ、あるいは名前さえもないみたいなね、そういうの推しちゃう気持ちもわかるんだ。

だからこそ、その扱われ方に対する感想が違ってくるっていうのもわかる気がして、ええ、ええ、みなちゃん、健気だよなあ。

でも、この漫画での私の最推しは八重なんですから、自分は八重同様、主役を推すタイプってことになりますよね。なので、あるいはみなに共感するのも難しくなってしまってるのかも? なんて思ったりもしたんですよ。寂しいことです。

『通勤通学クエスト』

タケちゃん、面白いな。保育園の先生との別れに大泣きした子供の頃の話。またあそびにいく、といったその言葉、まさに有言実行しちゃうのね! 今、この子、中学生なわけだけれど、継続的に先生のお宅に遊びにいって、お話してるんですね。

で、先生がまた面白くて、タケちゃんから教えてもらったゲーム、その音楽がいいっていって、ピアノで弾けるよう譜面起こしたんだ! タケちゃんの前で弾いてみせて、すごくないよって、ピアノやってたら誰でもできるって、そうなの!? いやほんと、この交流、先生も友達感覚っていってますけど、こういう風に懐に飛び込んでいけるの、タケちゃんの才能だと思う。

で、この先生、どれだけ慕われていらっしゃるのか! タケちゃんのみならず、ふたり三人と教え子がやってくるのね! いやもうこの交流の情景、面白いわ、楽しそうだわ、素晴しかったです。

『葉山さんのまんがの泉』

漫画のネタを探している葉山。思いつめてもいいアイデアなんて出てこないよ、といって遊びに誘ってくれた泉の家を訪ねてみるというんです。泉の部屋は『魔法少女ゆめ』のグッズでいっぱい! なりきりグッズももちろんあるんだけど、遊んでもいいかとちゃんと断わる葉山に、いいけどキズつけないでよ、念押しする泉。このやりとりになにかわかってる感ある! とちょっと感動して、そして泉の披露する必殺技完コピー!

これね、背後にお菓子と飲み物持ってきてくれたお母さんがいるのがね、もうおかしくておかしくて、最高でした。ああ、泉さん、大ダメージだ。

漫画家としてデビュー、大成しようと頑張っている葉山。この子との出会いが泉に決心させたんですね。皆に反対されていた夢、声優へのチャレンジ。このふたりの相互に影響して、夢への後押しをする関係、これとてもよかったと思います。無二の関係、そんな感じがするのですね。

『オネェの恋のはじめかた』

テストの返却、赤点があったら補習テストが待っている。ハラハラドキドキの瞬間ですよね、と思ったら、見事に撃沈している人がいる。なんとまあ、八神桜子、全教科でやらかしてしまいましたか! 驚きです。いろいろ残念なところあるお嬢さんですけど、ここまでとは思っていなかった!

でも、このおかげで、といっていいのかどうかはわからないけど、時宗の関与する余地が生まれたわけです! あの、どんなことでも桜子を肯定しかねない時宗がですよ、まさかの顔面蒼白。どれだけの衝撃だったのですか? そしてここからの持ち回りで桜子に勉強教えていくくだり。ああー、桜子、その回答、危険球だ! あまりのことに、水面、教えるの放棄してしまった!

そこからも、森山の嗜虐癖、翔人の寄り添うことを知らないできて当たり前理論。誰ひとり、教えることに向いていない! 絶望的な状況描かれて、こうなれば時宗ひとりが頼みの綱か、と思ったら、わあ、眼鏡時宗、レアじゃない!? めちゃくちゃイケてない!? からの、桜子の一言で時宗あわやリタイヤのピンチ。ほんと、なんだろうこの大騒動。主に時宗に被害甚大です。

でも、桜子の頑張ろうという気持ち、それを聞いたら脇目も振らぬ鬼コーチにもなれるのですね。ちょっと気弱な眼鏡時宗から、目を爛々と輝かす姉御肌スイッチON時宗への変貌。見事桜子を追試地獄から救うという大活躍。なんだけど、今回もといっていいのかな、時宗の頑張りが親切、いい人ポジションへと自分を追いやってしまう悲しみですよ。ほんと、この人、なかなかすんなりと報われるルートに入れないでいますよね。もどかしくも面白い。人の愛らしさ感じさせてくれますよ。

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