『まんがタイムきららMAX』2022年5月号、昨日の続きです。
『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』
いつもクールなイトちゃんも、むっとして桔香と喧嘩して、なんてことあるんですね。売り言葉に買い言葉的な展開。イトちゃん好きすぎ桔香ちゃんが、このところハマっている折り紙にしもべのみんなを引き込もうとしたところ軽く反発されまして、イトちゃん自身はそこまで嫌がってたわけじゃないんだけど、なんか決定的に決裂することになっちゃった。
イトちゃんも素直じゃないから。桔香は桔香で意地っ張りだから。だからおそらくこういうことは、これまでもちょくちょくあったんだろうなあ。でも今回はイトの交友関係が広がったがゆえの掛け違い。友人関係っていうのも、なかなか難しいものですね。
陽キャでギャルのカネポンの誘いで、みんなで花見にいくことになりました。桔香もイトも喧嘩中なのに、距離とりながらもなんだかんだ律儀に参加するのがおかしくて、でもってカネポンと一緒にいる子たち。この子らも相当だな! 桔香の周囲の子らもたいがいだけど、カネポン周辺もすごい。なだっちすごいな。イトちゃんとはまた違ったベクトルのクールガールだ。キリちゃんもすごくいい子だし、ほんと楽しい友人の輪が広がりますよ。
そしてイトちゃんと桔香の仲直り。素直になれないイトちゃんの、不器用なコミュニケーション。可愛いやん、泣けるわ。そして取り出すおりがみセット。ああ、この子の感情の発露。桔香のこと大事なんやな、好きなんやな、素直じゃないし気持ちの表現ヘタだけど、それでもいろんなところから漏れる思い、それがすごくいたいけで、最後にはほっとできる、そんなエピソード。よかったです。
『のむラリアット!』
双子の選手を替え玉に使ってまで、翼と一対一の状況を作り出したヴェスパー。翼を相手に、正々堂々と挑むのだろうか。まさかここでも卑怯な手を使うのか? いや、この期に及んでそれはないだろう。ヴェスパーの求めているのは完全勝利に違いない。自身の力で翼に打ち勝つ。ケチのつくようなつまらない勝ちなんて望んじゃいないだろう。
ヴェスパーの思惑はまさしくその完全勝利。これはもう、待ってました! でしたね。自分の中に残る甘さ、弱さを克服し、翼にも勝ってみせるとその気迫や尋常ではない。対する翼もここで負けてはいられない。目指す戦いは、ヴェスパーを降したその先にこそあるのだと、全力を振り絞るようにヴェスパーに対峙する。
その一挙一動が熱い! 本気と本気のぶつかりあいを制するのはいったいどちらなのか。マットに倒れたヴェスパーに翼のフィニッシュムーブが炸裂、試合が決着を見ると思ったら、これをチャンスと反撃に出るヴェスパー。技と技の応酬。必勝の決め技をいかに返し、上回れるかで勝負は決まる。決め手となるのは意地なのか、仲間の期待に応えたい一心なのか、憧れの存在に向ける思いがゆえか、そしておそらくはプロレスが好きという気持ちも乗せての一撃からのフィニッシュホールド。
いや、いいものを見た、その思いでいっぱいでした。
でも次回、最終回なのかあ。これは正直、驚きでした。
『今日の授業は恋愛です!』
さがり、かつて名雪との間に起こったこともすべて受け入れ、消化することができましたね。ずっと後ろ向きだった恋愛学にも前向きに取り組もうと動きはじめて、そうしたさがりの助けになってくれる人も現れて、というか最初さがりが思いっきり敬遠してるのがこの子らしくていいですよね。ええ、この子、こういう距離感持ってる子でした。基本的にソロ行動。知らない人を前にする時は警戒から入る感じ。でもその人、白百合会副会長の二ノ瀬ひなは屈託なく距離を詰めてきて、この踏み込み! コミュニケーション強者の風格感じさせます。
今回からはじまるエピソード。また一波乱あること予感させてくれまして、さがりに恋愛学を教えてくれていたひな、この人の悩みがさがりにも関わりがないことではなかった。このところ、ひなのカップル、パートナーの元気がない。そのパートナーというのが名雪。さがりが名雪の不調に関わっている。名雪のいうさぁちゃんがさがりのことであると気づいたひなの豹変。
ああ、真っ向からの宣戦布告じゃないですか。さがりはきっちり断りをいれているのだから、ここでひなと対立するいわれはないんですけども、名雪の中ではさがりへの気持ちは解決していない。となれば、ひなも退けない。この恋愛感情に突き動かされる激情。まだこの漫画においては描かれてこなかった恋愛の苛烈な一面に踏み込もうという、そんな予感をさせられます。
そして気になるのがしらべです。転科を考えている? なにを思い悩んでいるのだろう。その真意こそはまだわからない。この、ひなとさがりの問題に、どのように関係してくるのか、それもまるで見えない。けれど、情報の提示される流れからするにまったく無関係に進行するとは思えない。今回のキーパーソンこそはしらべであろう。そう思えばこそ、この子の行動、今なにを思うのか、それが気になってなりません。
- 『まんがタイムきららMAX』第19巻第5号(2022年5月号)
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