『まんがタイムオリジナル』2022年5月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。今回のテーマは帽子なのかな? 「面白さに脱帽!!」とのキャプション。山下ナースはナースキャップ、他に牧村、桃山、咲坂師長も、それぞれ思い思いの帽子をかぶって登場です。『小森さんは断れない!』しゅりはベースボールキャップですね。『可愛い上司を困らせたい』恵はエレベーターガール? 『らいか・デイズ』らいかは安心安定、体育の赤白帽が似合っています。
『おしかけツインテール』
花梨のうちにある不安が悪夢を見せる。とはいうものの、見た感じ、そんなに悪い感じの夢ではないですよね。俊郎が課金をひかえめにするとか母が禁酒をするとか、ありえないとまではいわないけど、まあそうそうなさそうなことをふたり揃っていっている。合格のお祝いでというんですが、それがこんな不条理な発言につながるなんて、花梨はそんなにもふたりに課金とお酒をやめてほしいと思っているの?
いや、これ違いますよね。ほんと、びっくりしましたよ。今回のラスト、完全に課金を、お酒を断つというふたりを前にした花梨。このあまりにありえないことを脳が拒否している。それほどにありえないことが繰り返し花梨の夢に現れてくる理由、それは、自分の受験の失敗、恵まれた環境にある自分がもし受験を失敗したらという恐怖があるからなのか。
この自身を追い詰めていくもうひとりの花梨、その凄み、さすがのものがありました。花梨、気楽にいこうというのも気がひけますが、確実性がないということをこんなにも怖れるとは。こうしたところに垣間見える花梨の性格。本当に真面目な子ですね。それゆえに、自身で自身を縛ってしまう。今回は裏目に出ちゃったケース。なんとか立ち直って、不安もなにもかも超えていってほしいですね。
『ネコがOLに見えて困ります』
美術部の葛飾くん、いい感じに馴染んできてますね。ミコトの家での勉強会。ミコトの友達とは面識のなかった彼だけれど、以前ミコトが描いてもらったOLさんの絵、それがみんなに大好評。それで皆が飼ってるペットの絵を描いてほしいと口にしたら、その特徴を聞いただけで見事に絵にしてくれて、でもその絵、動物じゃなくて人の姿なんだ!
でもこの人の姿が、ミコトの見ている姿によく似ていて、それで驚いてるミコトがすごい顔してるの! 葛飾のイメージを的確に掴む能力にびっくり!? そしてさらに、自分の見ている姿にかなり寄ってくることにもびっくり。
ここからの、社長ちゃんとOLさんを人の姿で描いてもらおうとするくだりがめちゃくちゃ面白かった。社長ちゃんはすごくいい線いってたけど、OLさんがちょっとゴージャス寄りで、それをミコトがイメージ伝えて修正してもらっていくの。そこでね、好みのオネーサンを描いてもらおうとしている疑惑が飛び出したり、でもってさらにリコから、ミコトにはOLさんがそう見えてるんだろうと指摘されたり、いやこれ結構重大な指摘では!?
いや、おそらくはそういうイメージで見ているんでしょう? ってことなんだと思うけど、とりあえずリコの思惑やいかに! ええ、これ、先が気になる展開見せています。
『となりのフィギュア原型師』
半藤が卑屈だ! 前回の雛人形について代表がいろいろこじつけ気味に語ってみせたこと。それが半藤に刺さってしまった。専門教育を受けた者へのコンプレックス!? あー、でもわからんでもない。ちゃんと学んでいる、体系的に構築された知に憧れる気持ち。それがあれば、自分ももっと先に進めるのではないか。今自分がいまひとつうまくいかないのは、そうした知に欠けているからなのではないか。
いや、まあ、それをいうときりがないからなあ。とはいっても、半藤の気持ちはわかるんだよ。ということで、半藤の体系的に学びたい欲を満足させるべく、おこめ予備校が発足されました。モデルを呼んでデッサンしようぜ、というので、モデル台作ったりイーゼル用意してきたりと、突発にしてはえらいこと本格的だなおい。そして斉藤が声をかけたモデルが飯塚イスカ。この人、バイトでデッサンモデルとかやってるの!? あれ、相当キツいっていうよ? それをこうも慣れた風にこなしてしまうの、すごいな飯塚さん。でもって、結構デキるやつと思ってた半藤がこんなにも苦戦!?
いやもう、アカデミズムってのは大変なんだなあ。造形とか、これまでも結構しっかりやってきたように見える半藤も、リアル人体を表現するとなったらそううまくはいかないのかあ。いやもうこれ、半藤にとってはいい勉強になったのでは? 半藤だけでなく、皆それぞれに得るものあったかも知れませんね。頭部の塑像に取り組んでる斉藤も結構四苦八苦してますし、こういう勉強会、定期的にやると工房メンバーの能力の底上げに繋がりそうだって思いましたよ。
でもそのたびに代表が飯塚にさらわれることになるの? いや、まあ、そうそう悪いこともおこらんでしょう。なのでちょくちょく勉強会、やってくれると面白そうです。
『氷室君は板野さんの事が覚えられない』
大学で氷室に声をかけた女の子。中学生の頃の知り合いだっていうんですが、絶対的な記憶力を誇る氷室がこの子のことを思い出せない。名前は佐伯あゆみ。まるで覚えがないというのですが、板野以外にも記憶から抜け落ちる人物が現れて、こりゃもう大騒ぎですよ。
で、ここから何度も板野のことを思い出す儀式が繰り返されるの、本当におかしくって、いやもう毎回大変ですよね。
でも板野と佐伯はちょっと違う。毎度毎度記憶から抜け落ちる板野とは違い、翌日になっても佐伯のことは覚えていた。
ここからの謎解き編。面白かった! なるほど、佐伯、姓が変わっていたのか。中学の頃は西田だった。西田歩。といわれて思い出す氷室。いや、待って、男だったろって、姓だけでなく性別まで変わってるの? と思ったら、ボーイッシュだった西田歩のこと、卒業までずっと男だと思い込んでいたっていうの!
この展開、めちゃくちゃ面白かった。で、あゆみさん、いい感じのお嬢さん。板野のこともちょっとなにか知っているっぽい雰囲気ですが、ということはこれからもちょくちょく出てくるのかな? これは期待されます。なんか素朴な愛らしさある子ですよね。
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『まんがタイムオリジナル』第41巻第5号(2022年5月号)
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