『まんがタウン』2022年4月号、一昨日の続きです。
『兎なりのウサギさん』
みたらしの爪を切りますよ。でも、みたらしは断固として拒否。なのに、キャリーを置かれたら興味本位で自分から入っちゃう! って、ウサギ、大丈夫なのか。こんなので、野生環境を生き抜けるのか。
キャリーに入れられたみたらしが不愉快顔してるのが面白いですよね。で、なんでキャリーなのかというと、ウサギ専門店に爪切りを頼むんですね。そうしたら、まあ個性的な店長さんがいらっしゃる! すごい目付き、すごい圧! でもウサギ思いであることはうたがうべくもなく、そしてウサギの扱いにも長じているというんですよ。
あの、爪切りの手際のよさ! あまりの鮮かさにみたらしされるがまま。というか、なにされてるかわからずぼーっとしてる。すごいな!
犬や猫は爪にも血管や神経が通っていますよね。ウサギはどうなんだろう。と思って軽く調べてみたら、ああ、やっぱり通ってるんですね。なのにそれをものともせず、手早く的確に爪を切っていく。やっぱり相当な上手なんでしょうね。
そしてその後のみたらしですよ。なんだかんだで気疲れしてる? でも、ちょっと走ってみたら爪を切ったおかげで走りやすい。それでずっと走りまわってるのね。面白いな。この、ちょっとなにかが気になったら、それで頭がいっぱいになってしまうところ。切り替えのよさなのか、単純なだけなのか、そうした個性が面白おかしく、可愛らしいです。
『食欲しか勝たん!』
アルバムリリースの告知を兼ねて東名阪ツアーに出ている瞬くシグナル。今回は名古屋会場の様子が描かれまして、ということは名古屋名物の食べ物が出てくるんだな。なんだろう、なごやん? と思ったら、もり揚がっていきましょうからの歓声受けて、揚げ物、みそかつに思考が飛んじゃった!
この連想、テクニカルですよね。いやもうほんと、そこから次々みそかつに連なるキーワードが出てくるの。めちゃ染みた、ガチ恋もんだよ、これが濃い味噌だれが染みたかつを連想させて、そこに加えて時間カツカツ、どっぷり、ひたってといった言葉がこころんの思考をみそかつ一色に塗り潰していくってんだから、ほんと、この子、食が原動力。タイトルにいうとおりなんですね。
そして今回、まさかのたんなるとの店内遭遇! みそかつで頭いっぱいだったことバレちゃう!? かと思ったら、たんなる、こころんが勝ちにいきたいとの験担ぎでかつを食べにきてるんだと勘違いしてくれちゃって、ほんと、この毎回なんだかんだうまいこといくのが面白い。それに今回は、たんなるとのプライベートでの絡みたくさん描かれたの、嬉しかったです。
『ルナナナ』
月世界は、なんとまあ、テレビの番組枠が買えてしまいます。ひと月100万で週イチのレギュラー番組を持てる。これ、カメラマンや音声、照明などのスタッフを借り受けられるのは大きいよなあ。撮影もろもろのノウハウを1本25万で調達できるっていうわけですよ。スタジオ代もそうか。いやあ、これで100万とか破格の安さだと思います。
さて、なにをやるかはこれから決めます。って、やりたいことあるから枠買ったんじゃないんだ! この行き当たりばったり感。うん、いつもの彼女たちらしいと思わされます。だいたいが規模の小さな月社会。街ブラしようにも、たいていのところは取材済み。どころか、月イチペースでテレビ取材されたりする。なるほど、このテレビというの、我々の感覚からしたらコミュニティFMみたいな感じですね。
そう思うと、今回のチャレンジ、俄然身近感が出てきましたよ。
今の月のテレビに欠けていて自分たちで実現できそうなもの、それを絞っていく過程とか面白かったですよね。ちょっとしたマーケティング? でもやりたくても不可能なのが多いんだ。それで結局はトークバラエティになるんですけど、これ、よっぽどじゃないと内輪受けで終わっちゃうやつじゃない? と思ったら、アカン、ほんとに最悪の結果になってしまわれた……。
こういうところ、シビアに現実的なところに落としていくの、この作者らしいなあって思いましたよ。
トークバラエティはとりあえず不評。わりと好評だったのが、やむにやまれず放送することになったバイト先の紹介。これ、いろんな月の仕事紹介みたいなのやったらいいのでは? と思ったけど、月社会は狭いから広がりに欠けそう、すぐにネタ切れがきそうではありますよね。
それで結局最後は、飛び入り歓迎の飲み会。こういうのができるの、月のテレビのコミュニティFM感あってこそだと思う。で、これが一番好評だったというの、月にはこういう場が少ないみたいなことでもあるのかな? 知らない人でも一緒に飲んで騷げるような場、それをプロデュースできるとなにか面白いこと、新しいことできそうですね。
- 『まんがタウン』第23巻第4号(2022年4月号)
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