2009年10月19日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2009年12月号

『まんがタイムきららMAX』12月号が発売されました。ああ、もう年末、年の瀬ですね。っというには、まだ少々はやいような気もしますが、さて『MAX』今号の表紙は、実に秋らしいイラストで、おいも食べてるかなと代理であります。で、裏表紙は、ここ数ヶ月お馴染みのみかでありまして、この前も後ろもはるか好み。しかし、代理は私も好きだったりするから困ります。いや、代理だけがことさらに好きなわけでもないけど。それに、本当に困ってるわけでもないんですけどさ。

さて、巻頭『かなめも』は、しょっぱなから微妙に危険なネタからスタートです。こういうのに関しては、別に伏せる必要ないですよね、個人のBlogだし。これ、押し紙ってやつですね。新聞業界の暗部というか、ノルマとして送り付けられる余分の部数がこれで、二割とかいくことあるって? もちろんただでくれるわけじゃなくて、お金取るのね、販売店から。

昔、うちに新聞が二紙届いてたことがあって、新しく契約したのかと思ったらそうではなく、ひと月だけお試しで無料で配達されてたそうです。こういうのは店の負担にはならんのかなあ、なんて漠然と思っていたんだけど、今から考えれば、そいつは押し紙の処理でもあったのかもなって。それこそ、持ってても廃棄するしかないものなんだから、無料で配っても痛くも痒くもない。それが新規契約になればラッキーっていうようなものだったのかも知れないなあ、なんて思っています。

とまあ、冒頭のあれはそういう話です。ひなたはそういう話のまずさを知ってるわけですな。最近も、新聞社が押し紙問題を扱ったフリージャーナリストを訴えて、負けてました。著作権侵害で負け、名誉毀損でも負けたんでしたっけ? まだ裁判は続くみたいですが、こういうきな臭い話があるって、知った時にはなんだろうなあって思ったもんでしたよ。

さて、さて、本編、本編。本編は、金がないのは首がないのと同じ、みたいな話でありまして、原付が欲しい、金がない、エアコンが欲しい、金がない、チラシ折込機もビニール袋に入れて閉じる機械も金がないで導入されない。しかし、280万とかすごいですね。人件費と比べてどっちが安いか、その判断ってところなんでしょうけど、機械ならではの不備がもとでクレームになるっていう話、その怖ろしさ。そんなことでクレームになるんですね。手間が嫌か、理不尽なクレームが嫌か。クレームが嫌かなあ。いや、どうだろう。いや、ちょっと判別しにくいな。やっぱりクレームが嫌か……。

以前からも、業界のもろもろが描かれたりしたことはありますが、そういう話は面白いなって思います。当事者じゃないからかも知れません。当事者なら、笑いごとではすまなかったりするのかも知れませんね。

『くすりのマジョラム』。なんてこった。意味深な扉。なんてこった。こんな魅力的なお姉さんに助けられたら、そりゃ好きになってしまってもしかたないだろう。あの、ふにゃとかなんだ、もう。で、錠くんも半レギュラー化するのかな? こうして人物が増えるほどに面白くなるかなって感じで、今、いい感じに登ってきているところだと思います。

ぼくの生徒はヴァンパイア』。カミラとブラム先生の関係、いったいどうなるんだろう、と思ったけど、一方的に先生が意識しただけで、そんなに進行したりはしないみたいです。それよりも、クローディア、先生の幼馴染みが出て、しかも先生のことが好きみたいで、もしかしたらブラム先生とクローディアが関係を持って、それを知ったカミラは吸血鬼として覚醒。ひとつの街を滅ぼし、しもべと化した先生を伴って森の深くに消えていくのでありました。

そのXデーがお祭りの日!

って、ま、これはないよね。

フィギュ☆モ』は、秋葉原巡り。はいいんだけど、私、秋葉原は一度しかいったことないから、よくわかんないよ! なんとなくはわかるけど、ルートとか、正直わからんです。これ、詳しい人なら、このルートだけで個性が読めたりするのかなあ。だとしたら、うらやましいです。休憩で、メイド喫茶かと思ったら、自販機横のベンチというのはちょっと新しかったです。昔の電気街とか、喫茶店みたいな気のきいたものなかったから、それこそ自販機休憩みたいなのは普通だったなあって思い出します。

『ヒメとトノ』。クールそうに見せているお嬢さん、意外と積極的、というかちょっと変態ちっくに……。ツンデレなのかクーデレなのか、そういうのは正直よくわからんし、そういう分類に押し込む必要もないと思うけれど、好きを表立って表現するのにためらいながらも、その気持ちを抑えきれず、ときどきに暴発気味になるっていうのは、なかなかに面白いです。むしろ素直さが目立つ御姫、彼との対比であるんでしょうね。

『はる×どり』。勉強のできるできないっていう話ですが、ヒロインはるのやればできる子っていう話。私も昔はそういわれたものでしたが、これって結局、できるというのにやらないんだから、トータルすればできないってことになるんではなくって? 自分を振り返ってそう思います。けど、はるは私と違って、油断しそうになりつつも、がんばろうという気持ちを持続させている。この心境、気持ちの動きの描かれかたは、ちょっと好みでした。

『ハッピーステッチ』、ゲストです。被服の話。私、母が洋裁やってたから、こういう裁ち物とか、ミシンとか、自然に身の回りにあったんですね。それで小学生の時分、家庭科の授業、完璧に課題を仕上げたら、親がやったと判断されたんでしょうなあ、2がつきまして、ええい、もう学校なんて信じない! 人間、ちょっとしたことで曲ります。私の場合はすでに曲ってたから、大曲りです。さてさて、指を針でついてしまった時は、裁ち鋏の柄で叩けばいいと母から習いました。そんなだから、この漫画、いいですね。私はちゃんとやってないから服とか作れないけど、作れたらいいよね。なんか、読んでいてわくわくします。

ところで、チャコペンの名前、そうだったんですね。はじめて知りました。学校の家庭科では鉛筆様のものを使いましたけど、うちで馴染んでたのは三角形のでした。で、今、調べてみたんだけど、チャコってテイラーズ・チョークのチョークがなまったものなんだって。ごめんよー、粗探しみたいなことする気じゃなかった。素直に、へーそうだったんだー、って思って、懐かしくて調べちゃったんですね。思い出すものがある。調べてみたくなる。そうした刺激が嬉しかったのです。

『ラッキーストライク!』。いいじゃないか。冒頭でいきなりリスタイについての解説があって、思いっきり真面目に熟読。あれは、手首の固定が目的なんですね。しかし、1ゲーム目では調子のよかったレン、彼女の不調になる理由もちゃんと描かれていて、こうした結構真面目なところがいい。それで、ボール2個投げとか、そういう無茶も描いてというところ、真面目ばっかりでもない、いいと思いました。で、数百万なのか。世の中、金がないのは首がないのと同じだな……。

レンはハンデ100ピンで負けましたが、私なら150ピンで負ける自信があります。にぎやかなボウリング漫画。続くと嬉しいなと思っています。よく知らない世界を知るというのは、わくわくするもの。楽しいです。

『もっかい!』。ゲストです。ちょっとラフな印象を与える絵。けど見ると手の表現とかちゃんとしてるのね。独特なタッチ、印象。内容はひょうひょうとして、あほなことを真面目にやる、そんなところ。もうちょっと見て、馴染むと、よくなったりする? 実はちょっと気にいってるみたい。あの、黒を単純に塗り潰さなかったりするところ、気になってるみたいです。

『ぽすから』。ちょっと話は変わります。昨日、関西コミティアいってきたんです。初コミティアー! そしたら、結構な熱気で、で、めちゃくちゃ面白いのね。かたっぱしから買ってしまいそうになる、そんな自分を押し止めるのが大変といった感じ。あの、雰囲気、大好き。で、出展してる友人から、あちらにはコミティアの委託がありますよって教えてもらって、そうしたら、この作者さんの本が、本が!

いやね、絵を見た瞬間に、あ、あの人だ! ってわかるっていうのは、やっぱり強いなって思うんです。『ぽすから』と、買った本『ドラゴンステーキ!』は、現代日本ものとファンタジーもの、全然違うジャンル、雰囲気もそうなんだけど、でも絵を見たら、中村哲也だとわかる。で、『ドラゴンステーキ!』は5巻6巻しかなかったんだけど、ああ、調べたらやっぱり既刊は品切れかあ。将来、まとめて一冊になったりすることを期待するしかないなあ、って思ってたら、え、なに、この人ってライアーソフトに関係してる人なんですか。うわ、本当だ。どうしよう。『腐り姫』! 知ってたけど気付いてなかった。私もまだまだです。とりあえず、ダウンロード購入してみようか、どうしようか。

『ぽすから』。本編、本編。みんなで着せ替えしましたといったような話なんですが、服装というのは、ぱっと普段の印象を変えてしまう。がっかりする時もあるかも知れないけど、こと今回のような服装、私は大好きです。で、眼鏡? 眼鏡? ええ、愛がアップしますね。

『夏色スニーカー』、出だしの雰囲気、すごく好みです。なんか典雅? 風雅? しっとりとしたもの感じさせて、けど実は私習字なんてしてたくせに、古典とか全然駄目なんです。充分に味わいきれない自分がもどかしい。そして、典雅の雰囲気は過去へとおいやられて、なんかダジャレ合戦みたいになってます。ところで、ぺぺぺという呼び方、何度読んでもなんか面白い。そうした、細部ばっかり見てしまうのはどうかと思うけど、でもこの漫画は、細部に感じる雰囲気、そいつがいいと思います。

『R18!』。ちょっと待て。なんか聞き捨てならん台詞があった。嫌いな人がいるというのはわかる。けど、全体に人気ないって、なんだ、それは。それこそ登場人物に対する眼鏡の割り合いは、古典なら『終末の過ごし方』、最近なら『だめがね』くらいでちょうどいいと思ってるほどなのに。最近の四コマ漫画では、眼鏡ヒロインを見ることがやたら増えてるものですから、ブームなんだと思い込もうとしてたのに、そっち界隈ではそうじゃないんですね。残念です。

最後の話、理想の妹を探していた友人を思い出しました。私はまだ、理想の姉を探す旅に出る予定はありません。いや、それは現実の姉で満足しているとかいう意味ではなくて。

『レンタルきゅーと』は、扉がえらいことに。なんという自虐。でも面白いなあ、こういう趣向。笑うつもりはないけれど、1巻買ったら、きっと見比べてみます。で、本編は、もしもしばりの小ネタ15連発。全体にシニカル。もしもが出るたびに、面白さはあがっていく。不謹慎であるほどに面白くって、ほんと、いい味出してるなって思います。ところで、最後にヒロインが死んでるんですが。死ぬのはポチだけかと思ったのに、思いっきりのヒロイン死亡。素晴しいなと思いました。

『でびるステイ!』。ゲストです。独特の絵柄。わりと面白くて、あの犬抱いて再登場するところとか、素直に楽しかったです。悪魔のお嬢さんと、DVDの悪霊なの? 三人での生活もの? なんか、普通の生活ものにはならなさそうな雰囲気があります。それがよい方向、ちょっと毛色の違うと思える方向にむかえばよさそうかも。独自な感じが強くなれば、よいかも。なんて思います。

超級龍虎娘』。結婚式の話なんですが、龍楼の可愛いこと。扉が可憐、ご祝儀の振り返りがキュート、式当日の正装がプリティ、ってそれはちょっとやりすぎだ。可愛すぎて、自分の範疇からはずれたぞ。で、かわりに日高さんがインです。ところで、龍楼の不断着は、やっぱり不断着で正装にはならんのですね。

変化を予感させるモノローグがあって、けれど今はまだ現状がいいという、その今の楽しさ。それは私も同じく思います。それはわいわいとした楽しさだけでなく、なにか落ち着けるような、そうしたものも合わせ持っているように感じていて、この雰囲気、すごく気にいっているんです。変わらないといけない日、変化の時は、いつかくるのかも知れません。それはわかっているのだけれど、だからこそ、今のしあわせを長く感じていたい。そう思うのは、人の情として自然なように思います。

『魔法少女☆皇れおん(仮)』、最終回です。ササ、成就! なんだかいい話で終わるのかなと思ったら、そうでもなかった。むしろ、これまでどおり。いや、これまでよりもひどい感じに暴走して、といった終わり方。この漫画の、れおんを可愛くしたいという基本をあらためて確認したといった感じです。でも、私は旧れおんの方が好きなのでした。

独特の雰囲気のある漫画だったと思っています。そして、私は、嫌いじゃなかった。ばかばかしくて、楽しかった。その気にいっていた要素を最後にまでひっぱってくれたのは、むやみにしめっぽくなるよりも、ずっとよかったかもって思っています。お疲れさまでした。

表色89X系』は、紅葉のシンデレラの絵本からひろがって、誰がシンデレラに向いてるか。ひとりひとりの場合を次々と重ねていくの、テンポがよくて楽しかったです。原話のシンデレラとか、あれって魔法使いとか出てこなかったような。弟が殺されて、木になってたような。グリム版とかペロー版とかで、いろいろ異同があるそうですね。私が読んだのは、グリム版かな。

『89X系』では、ヒロイン葵が好きな私ですが、最近は雨音が実にいい役割りを演じていて、一筋縄ではいかない娘。そして健啖。魅力的かもなって思っています。落ちでは紅葉にお鉢が戻ってきて、そしてロードショー。あったら見にいきたいな。でも、このラストの紅葉は、サブタイトルとあいまって、魅力数割増しってところだと思います。素気なく見せて、実はそうばかりでもないっていうのは、いいと思います。どちらにも足がかかってるからか? いや、どうなんでしょう。わからないけど、紅葉は魅力的なお嬢さんだというのは確かだと思います。

  • 『まんがタイムきららMAX』第6巻第12号(2009年12月号)

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