今日は『まんがタイムきららMAX』の発売日。しかし、今月は例月にも増して質が悪くてまいりました。いつものコンビニ、入荷は6冊ってところでしたかね。普通なら結束痕は表が1冊、裏が1冊ってとこなのに、なぜか今月は裏2冊。なんでだ!? これに角潰れ、表紙折れと続いて、ようやくましなのを2冊手にしたら、ひとつは表紙に擦り傷がいっぱい走ってた……。結局消去法で1冊選んで、なんでこんな神経質なことしているんだろうと、朝から自分に疑問を抱いたのでありました。ああ、これはきっと血液型のせいだな。きっとそう。そういうことにしておきたいと思います。あ、中身に関しては、例月どおり、よかったですよ。特に今月は、長く続いてきた(私にとっては)看板級の漫画、『看板娘はさしおさえ』の最終回が収録される、いわばちょっと節目ともいえるような号でありました。
しかし、書くのは『ぼくの生徒はヴァンパイア』についてだったりする。いや、ちょっと思うところがたくさんありまして。
カミラの使い魔、メイベルがなんだかブラム先生に恋しちゃってるみたいだ。そのへんをつついて、ひっかきまわしちゃおうっていう話であるのですが、このメイベルって人、使い魔というだけあって人じゃないんですね。読んでる時には、たしかコウモリがもともとの姿だったんじゃないかと思ってたんですが、帰ってきてから調べると夢魔だそうですね。確かに以前夢の中に入ったりしてました、してました。
で、メイベルさんは大層な美人で、可愛くて、もう、ブラム先生ったら果報者! ってな具合なんですが、しかし、いくら見た目に美しい人の姿をしていたとしても、その真実は人ならぬ身であるわけで、よくいえば異種族、わるくいえば異形、そうしたものを愛するってことは可能なのかなあ、通勤の車内、そんなことを考えながら読んでいました。それが美しい姿を保っている限り、愛は継続可能だろうけど、その本質があらわにされたとき、自分にとって望ましくないような姿をしていたらどうなんだろう。私は朝の時点では、メイベルをコウモリだったと思っていたから、コウモリの姿を思い浮かべて、そんなものを人は愛せるだろうか。ミナのように黒猫だったら随分ハードルは低くなるけれど、しかしコウモリはなあ。牡丹灯籠のお露であるとか、ウイングマンのアオイであるとか思い出したりしましたね。
一応結論は、不可逆的に人の姿をとっているのなら問題は比較的たやすいが、可逆的だと難しいかもしれない。とりあえず、結論は保留せざるをえなくなるだろう、そんなところに落ち着いて、しかし私は馬鹿なことばかり考えています。でも、これはあながち非現実の話でもなくて、愛しいあの子が実は望ましくない性質を備えていました、みたいな話はざらにあるわけで、でも私の身の上にそうした話が具体的にあるとは考えにくいから、やっぱり考えるだけ無駄であることには違いなさそうです。
恋愛というものを考えるとき、幻想に対して思う行為が恋、憎しみながらも思うことをとめられないのが愛なんだろうか、なんてこと思うのですが、こいつのここが許せない、もう腹立つやら憎々しいやら、はらわた煮えくりかえりそうになりながらも、それでも離れがたく、求める気持ちはやまない。そうした感情のアンビバレンス、愛憎相半ばするものがあってはじめて恋愛はかたちになると思っていて、そう考えると『兄妹はじめました!』の茜のそれは、かなり愛に近付いてるように思います。少なくとも、葵の酷いところ、にこにことして酷薄な娘! そうしたところもきっちりと把握した上で好きだという。マゾか、そうでなきゃ愛だな。でも、ふたりの間には、恋や愛といった華々しくも激しい感情の浮き沈みよりも、情という穏やかな繋がりがより強く意識されるように思えて、しかしそれは家族の情であったり、愛しい人に対するものであったり、ちょっとずつ質を違えたものが交錯し、そしてそのギャップが埋められずに空回りし続ける。そこが面白いんだろうけど、ちょっと不憫よなあ。正直、ひとごととは思われない。そんなところがあります。
『ぽすから』から『まん研』まで、眼鏡四連続。というか、『MAX』は眼鏡ヒロインが多いような……? 『超級龍虎娘』の龍楼さんは真面目でロマンティストでいい娘さんだなあ。私はこういう人は好きですが、こじれると大変なのはこういうタイプだと思います。怒ると口きいてくれなくなる。話し合いで解決しにくいタイプ? 親しくなるほどに、意固地な面が見えて困らされることも増える。けど、それはお互いさまなんだろうけど、話くらいは聞いて欲しい。
『まん研』、非常にためになる話でした。取捨選択。私はこれが苦手です。とにかく、思ってることを全部いいたくて仕方がないみたいです。でもそれでは聞かされる方がたまったもんじゃないので、あとはもう短めに。
『ストロマロジック』は結構面白くなってきて、いい感じなんですけど、どうしても『ストロママジック』と読みまちがえてしまいます。『PHz』、Xで爆弾を止められるというのは知りませんでした。『フィギュ☆モ』、これはなんだかすごくいい感じだぞ! で、次のページに36攻めの7受けってことだよ
なんて台詞があって、これは狙ってる? いいよ、いいよ。もっと狙って!
『はなまるべんと!』は思わぬ展開に、いったいこれはなんなんだと当惑しつつ、次回に期待。
そして、『看板娘はさしおさえ』。きっちり片を付けた、そんなラストを見せて、そして希望も繋いでみせるのね。すごくうまかったと思います。このあたり、詳細については、最終巻が出たときにでも書くんじゃないかと思います。書かないかも知れないけど。でも、細かな配慮のいきとどいたラストに、これまでを振り返ってみても、いい話だったな、そんな印象ばかりが思い出されます。本当に好きな漫画でしたよ。おつかれさまでした。
- 『まんがタイムきららMAX』第6巻第5号(2009年5月号)
引用
- 門井亜矢「天然女子高物語」,『まんがタイムきららMAX』第6巻第5号(2009年5月号),63頁。
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