2009年3月10日火曜日

さだまさし ベスト曲集

 私はさだまさしが好きで、それは彼の歌っているところも好き、しゃべるその話も好き、そして歌の世界が好き。さだの歌の世界には叙情があふれんばかりに満ちて、言葉がみずみずしく生きている、メロディの美しいことといったらない。本当にさだまさしは天才であるな、そんなことさえ思うほどであるのですね。そして、さだの歌は聴いてよし、歌ってよしであるんです。さだはフォークの人で、だからか、自分の歌がひろく歌われることを想定していて、それは彼のレコードに付属する歌詞カード、楽譜がついていることからもわかります。もちろんコードネーム付き。当時のファンは、レコードを買って、こうした楽譜を前にして、自分でもギターを弾いて歌ったんでしょう。そして私は、今、そうしてさだの歌を歌っていて、たとえばそれは『フレディもしくは三教街 — ロシア租界にて』、そして『つゆのあとさき』。もう、いい歌なんです。で、これをよりよく歌うためにと思って、そしてこれら以外の歌も歌いたいと思って、さだまさしの歌集を探していたのです。

私のいつも漫画をまとめ買いしにいく本屋の向かいには楽器店があって、楽譜も少しは売られています。先日、土曜日のこと、めずらしく余裕があったから、楽器店のぞいて、楽譜など眺めていたら、そこにさだまさしの曲集がありました。分厚い本です。B5判で680ページある。値段もそこそこします。3700円、税抜きで。内容を簡単に確認、とりあえず『フレディ』と『つゆのあとさき』があることがわかったので、今日のこれが機会であると、思いきって買ったのでした。

とりあえず練習するのは『フレディ』で、そして『つゆのあとさき』であるのですが、この楽譜は、オフィシャルというのがあるのでしょうか? さだが書いたものを底本にするのではなく、さだの歌っているのを採譜したものみたいです。私の手持ちの楽譜、つまりレコードの歌詞カードですが、それとリズムの違っているところが沢山あります。つまり、さだがリズムを揺らしながら歌っている、その揺れをそのまま楽譜に起こしているんですね。また、コードもちょっと違うのがついているところがあって、でもそういうのはよくあることで、自分で採った楽譜、コードにしても、あとで確認したら違っていた、そんなことはざらです。まあ、私よりもちゃんと出版されてるものの方が信頼性は高いだろう、そう思って、頼りすぎるでもなく、歌う際のガイドラインとして活用できればいいかなと思います。

『フレディ』と『つゆのあとさき』、それをまずは練習してといってましたが、その次は『主人公』かな、なんて思っています。しかし、さだの歌はキーが高いです。普通に高いソとかが出る、ラなんかも出てくる。私の声域は上がだいたいファのシャープですから、そのままでは歌えないんですね。無理すりゃ歌えなくもないんだけど、無理すると喉を傷めます。

だから移調の必要があるんですが、私は『フレディ』はin GをCに読み替えて、けれどそれでは低いから、3カポで歌っています。ええと、つまりはin Ebですね。原調から見れば2音さげてるわけですか。それで『つゆのあとさき』はin DをCに読み替えて、こちらはカポなし、単純に1音さげています。『主人公』もin Dで、最高音はGなので、多分Cに読み替えでしょうね。この曲はベース音が半音下降していくところが実に美しいので、Em/E EmM7/D# Em7/D Em6/C#ですが、1音さげならDm/D DmM7/C# Dm7/C Dm6/Bになる、まあ大丈夫そうですね。コードはDmのままで、ベース音だけかえればいいわけですし、だから多分in Cで歌います。

楽譜を書き換えるのが一番いいんでしょうけど、移調読み替えの練習と思って、あえて書き換えはせずに歌いたいと思います。1音下げ、4度、5度の移調は、書き換えなしでできるようにした方がなにかと便利そうです。上げたい場合はカポ使えばいいんですから、そっちは考えない方向で。でも、さだまさしの歌でコードは原調のまま、カポで移調ってのはまずしなさそうに思います。なにしろ下げないことには歌えないわけですから。レパートリーを増やしながら、移調の訓練も一緒することになりそうです。

しかし、全165曲。すべて歌いきるのはいつのことになるか……。実に贅沢な話であります。

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