2009年3月29日日曜日

家族ゲーム

  年末はスケジュールがばたばたで、いつもどおりに進行しないものと相場が決まっておりますな。って、なんで年末? 年度末の間違いじゃなくって? いえいえ、年末でいいんです。昨年末に発売されていた漫画、思いっきり買い逃がしてました。なんかね、掲示板でいわれてたことがちっとも理解できなくてですね、あれ、あれれ? なんて思っていたところ、ああ、うう、『家族ゲーム』の新刊でてたのかあ、気付いてなかったよう。電撃コミックスのページで調べると、昨年末の発売です。で、私は手帳を見ましたね。なんと、この手帳を見るとこの一年間、私がどんな本を買ってきたかが瞭然というね。で、年末から年始にかけて、家族、家族と探してみるも、ない、ない、やっぱり買ってない! 買わないと! けれど、あわてて買うこともあるまいと、月末KRコミックス購入にあわせて買えばいいや、そう思っていたら、ない、5巻がない。地上三十階書店を皮切りに、ホワイティ経由、泉の広場までいって、それでも見付からない。しかたがないので、地元のコミックスに強い書店にまで足を伸ばして、それでも見付からず、だからAmazonにお願いすることとなってしまいました。

かくして、『家族ゲーム』第5巻は無事手元に届いて、そうしたらもうのっけから話が掴めないの。というのも、4巻から5巻にかけてはちょっとしたターニングポイントになっていて、小学生組は中学生に、中学生組は高校生に、それぞれ進学していたものだから、当然とりまく環境も変わります。ともない、新キャラクターも続々と出てきて、それが第4巻の最後のできごと。そうした新しい人たちをしっかり把握、定着させていないというのに第5巻を読んでもわかんないって。表紙、カバーを剥がしたところに人物相関図があるのですが、4巻では19人、それが5巻ともなると30人! ぎゃー! もうこれは私の把握限界を超えたね、超えました。

おおまかにいいますと、主人公家族の末の娘が属する中学生グループがある、長女の属する高校生グループがある、お父さんの勤める大学に所属する大学生グループがある。もちろんお母さん個人に繋がる人間関係もあって、そしてそれらグループの成員が別グループの成員と繋がりを持っていることもしばしば。長女真言の友人由寿の兄は大学生グループに属しています。大学生グループにはまた別に真言に繋がりを持つ人がいます。さらに大学生グループのひとりは中学生グループ、次女葵の友人の義姉であることがわかりました。新たに中学生グループに加わった紫杏の母は高校生グループの教員です。高校生グループ、部活の先輩のひとりはバイト経由で大学生グループに繋がりを持っています。高校生グループ由寿のバイト先の店長はお母さんの主婦仲間です。さっき出てきた紫杏の母はお母さんの大学のころの先輩です。もちろん、これがすべてではありません。正直、読む前に復習しないと、人間関係がわかんなくって、そんなわけで、第5巻読んでから、第4巻を読みなおしましたよ。本当なら1巻から読み返すのがいいんだろうなあ。しかし、この濃密な人間関係が面白いんですね。そこかしこに発生する恋愛のストーリー、それが思惑こみであちこちで糸を引いたり引かれたりしていて、もう頭ぐっちゃぐちゃ。でも、それが面白いんだからしかたない。ええ、しかたないんです。

この漫画は、電撃PS誌の付録連載だから、基本的にはゲームものなんです。ですが、ちょっとゲーム色は薄めになってきて、個別のゲームネタみたいなのはあまり出てこない。これは、正直私にはありがたいですね。電撃PS誌は私も以前購読していましたが、いつしか買うこともなくなって、ともないゲームに関する知識もなくなって、はっきりいって最近のゲーム事情はちっともわかりません。実際、今、ゲーム色薄めといわれている『家族ゲーム』、そこに出てくるゲームがらみのネタ、わからないものありますから。おおまかなのはわかります。けれど、具体的になにかのゲームをさしているようなのはもうちんぷんかんぷんで、だから私には、今のゲーム好きのみんなが、ゲームやまた別のなにかを媒介として関係を作りながら、恋したり、されたり、失恋したり、はなから相手にされなかったり、そんな状況をにやにやしながら見ているのが楽しかった。読者の特権ですな、神に似た視点で眺めて楽しんでいるのです。

さて、掲示板で話されてたという、繋がり。あれは、気付かなかった。きっと読んでいたとしても気づかなかったでしょう。あれに気付いた人ってのは、本当にすごいなって思います。私は、人の名前把握するのとかどえらい苦手だから、また細部に分け入って読むってのができない人間だから、実はこういう仕掛けとかわかんないんですよ。それに気付かせてくれて、いやはや本当にありがたいことであるなと思います。

ついでにどうでもいいことも書いときましょう。私は、チーム無象です! いや、妹好きじゃない。さらにいえば、ロリコンでもないぞ。いや、ごめんなさい、別にロリコンでもいいです……。作者は、4巻の人物紹介によりますと、貧乳で黒髪ロングでひっつめ髪とか個人的なツボでいらっしゃるとのことですが、貧乳が好きだなんて、とんだ変態ですか? 私はそうです。しかも悪いことに、かなりこじれた変態です。

そんなこじれた変態が好きなのは、阿南茉莉です。間山和もかなり好きです。実はお母さんゆきえさんも好きです。男キャラでは尚武です。だから、尚武は応援しています。乳井あたりには呪いをかけておきましょう。

  • 鈴城芹『家族ゲーム』(電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション) 東京:メディアワークス,2006年。
  • 鈴城芹『家族ゲーム』第2巻 (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション) 東京:メディアワークス,2007年。
  • 鈴城芹『家族ゲーム』第3巻 (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション) 東京:メディアワークス,2008年。
  • 鈴城芹『家族ゲーム』第4巻 (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション) 東京:メディアワークス,2008年。
  • 鈴城芹『家族ゲーム』第5巻 (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション) 東京:メディアワークス,2008年。
  • 以下続刊

引用

  • 鈴城芹『家族ゲーム』第4巻 (東京:メディアワークス,2008年),66頁。

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