『まんがタイムきらら』2020年8月号、昨日の続きです。
『ゆえに、アイドル革命!』
ひとつのクライマックス、きましたね。楽団をともなっての祭典ライブ。新衣装もあつらえて、やる気は充分。10万人を前にしてのステージと思っていたのが、実は前座で会場キャパも1000人とあてが外れたなんてトラブルもあったわけですが、それでも自分たちは自分たちらしくやろう。その時その場のお客さんに一生懸命届けると、皆で同じ気持ちを確かめあってステージへと向かうその横顔の凛々しさ、素晴しかったです。続くステージシーンも躍動感じさせるもので、ああ、この子たち、ひとつの山を越えました。やりきった充実感とそしてこの成果が次にどのように繋がっていくのだろう。さらなる展開を、広がりを期待させるものを実感として得て、しかしここでこうなりますか!? ほんと、これはまったくの予想外でした。
本から発された光につつまれ、次に気がついた時はかつて過ごした日本、事務所にいたっていうんですよ。あれれ、帰ってきたんだ。この思いがけない帰郷に、はたしてここからどう物語は動くんだろう。帰ってきたのは、CHU♥IN GAMと城戸プロデューサーの4人。ああ、やっぱりユメはあの世界に残らざるを得ないのか。この予告なしでの突然の別れ。これ、帰れた! という喜びよりも、え? 帰れた? といった当惑に近い感情が出るんですね。私のこの感想は、劇中の彼女らのものに添うのか添わないのか。次回に描かれること、心待ちでありますね。
『下を向いて歩こう』
さざれ、アホでいいなあ。まさかの金属探知機導入。バイトの給料で買うたん!? なかなか女子高生の買う物品じゃないよ? というか、女子高生じゃなくてもこんなの買わない。でも、金属探知機って、思ったよりも安いのね!? それこそもっと何十万とかするもんだと思っていました。
ビーチコーミングで金目のものを探そう! そのために導入したわけですが、金目は金目でも、そのまま放置すると危ない針金とか釣り針とか、注射器! とか、さざれの思惑が見事に外れるわけですよ。でも、まさかの指輪発見! しかも高そう! 大事そう! で、こういうの見つけると動揺しまくって、泣きそうになってる、いや泣いてる? そんなさざれが面白可愛い。
でも、ほんと、今回のさざれは人助け全力でしたね。警察で恥ずかしい思いもしたみたいですけど、でもそれでも金属探知機遊びをやめないの。その不屈のガッツと、思いがけなく露見した常識人なさざれの側面、いろいろ見られたの充実でしたよ。
『みらいちゃんねる』
新境地だ! 明日香から告白されたミライ。その返事をどうするべきか。悩んだ結果、秘密を明かすことにしたんですね。ずっと性別を偽っていた。その決意を姉に話した時のやりとり。姉がね、嘘つかせちゃってごめんねって謝るの。ああ、これなんかよかったな。でも、続きの会話ですよ。女子とバラしてなおつきあうかどうするかって、なるほど、未来はその可能性は思ってなかったのか。そりゃあないよね? 自分だってなかったもの。でも姉のあの強い信念。あれは見事でしたね。
明日香とミライのやりとり、どういう返事が返ってくるか、緊張の明日香ですよ。ごめんねといわれて、覚悟を決めたら想定外の展開が待ってるってわけで、明日香もびっくりだよね、これ。でもってそこからの展開。ああ、姉のアドバイスが生きましたね。こういうの、漫画だから、きららだから、そういう向きもあるかも知れないけれど、これからの時代、こういう向きあい方も当たり前になっていくのかも。そう思わせるものあって、これは素敵な展開であったと思いました。むしろ、女子とわかって、それで明日香の気持ちも割り切れないままご破算です。そういう展開の方が不自然とも思える、そんな気持ちにさえなって、それはこのふたりの関係の積み上げ、それが確かだったからかもなあ。自分でも意外なくらいにシリアスに、真面目に受けとめることとなったのでした。ええ、真摯さを感じたのですね。
次回、最終回なのだそうです。これ、ちょっと驚きました。これからか!? と思ったら、そうかあ、物語の畳まれる、その流れにあったのかあ。残念ですね。新たな関係を築くふたりの様子も見ていたかったです。
My Private D☆V
『ぬるめた』のこかむもです。
今回のD☆Vポイント、わかりやすい! というか、すごく納得いくものでしたよ。
「仲良しの物騒な会話好きすぎる」
それでイラストが、女子ふたり、喧嘩売ってる? だの、ごぼうで刺し殺すだの、それはそれは物騒な文言が飛び交ってるのですが、肝心の女子ふたりはというとにこにこして、和やかな雰囲気させているんですね。あくまでもこれは冗談で、気の置けないふたりだからこそ安心して振り回せる物騒会話、そんなテイスト。ええ、なるほど、これが作者の好みであるわけなのですね。
と、なにが納得かといいますと、『ぬるめた』ですよ。あれがまさしく、仲良しの物騒な会話漫画ではありませんか! というか、物騒さは会話に留まってないわけですが、改造だなんだ、ああしてこうして手を切っちゃったりとか、まあすぐ生えてくるんですけど、もういろいろ物騒で、そうした女子のやりとりが好きすぎるとのこと。なるほどなあ! まさしく作者のD☆Vがこれでもかと盛り込まれたのが『ぬるめた』であったわけですね。
いやほんと、すごい納得感でした。そうかあ、なるほど、そういうことかあ! 作者理解が、作品理解がぐっと一歩前進といった感じです。
- 『まんがタイムきらら』第18巻第8号(2020年8月号)
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