『まんがタイムきららMAX』2020年9月号、発売されました。表紙は『私を球場に連れてって!』。野球といえばスポーツ新聞、ということでスポーツ紙思わせるレイアウト!? 派手な色使いででっかい見出し風に今月の掲載作、いやさラインナップがドーン! いやあ、こうして見せられると結構な押しの強さですよね。びっくりする。たまツレって略すのかい!? コミックス発売の文字もまあ頼もしい。中央にいる応援スタイルのタマも実に可愛らしい! 表紙に埋没しない感、これはさすがですね。
今月は新規ゲストが2本です。
『妖こそ怪異戸籍課へ』
これ、面白いです。妖怪の当たり前に存在する日本での話。無戸籍の彼らを戸籍登録し、社会に受け入れられる道をつける仕事をしている山本睦子の活動を描いていくんですけど、個性的な妖怪たちとのコミュニケーションが魅力的ではないですか。妖怪の特性? 人の常識とはかけはなれた彼らとのやり取りは思いもしない驚きに満ちて、それがまあ面白い。最初に描かれたペナンガランのナイワさん。ペナンガランってのは飛頭蛮みたいなのかな? って思ったら、内蔵ぶらさげてるんだ! 道理でモザイク処理。
この漫画、人畜無害そうな睦子が愛刀骨食手に妖怪に向きあってる一コマ見るに、結構な武闘派だったりするのでしょうか。わりかし物騒な妖怪相手でも、身を張って説得したりするハードな側面もうかがわせて、かつ妖怪の排除に躊躇することのない警察は妖怪対策課の刑事、藤原夏生との対立なども見せ、ただ楽しく、ほのぼのと交流するばかりじゃないというのを感じさせてくるんですね。
この第1回目で、背景から主要人物からきれいに整理して見せてきたこの構成、見事だったと思います。無駄なく、詰め込み感もなく、スマートにまとめて実にいい。落ちもすごく面白かった。これ、次回の期待感がすごいですよ。
『ゆるわけっ!』
のっけから御神木が倒れてるの、なんか切ないな。だってさ、台風やら豪雨やらで、御神木やらバタバタやられてるじゃんよ。そうかあ、漫画の世界も苛烈な気象に苦しんでるんだなあ。と、そういう話ではありません。田舎から憧れの都会に出てきた女の子。家賃の安さにひかれて事故物件に入居することとなったんですが、事故も幽霊もまるで意に介さない。そんなドライな三奈木さゆの幽霊同居ものでありますよ。
部屋に貼られた御札をはがすじゃないですか。それで出てきた幽霊が、もう本当の怖い系!? と思ったら、可愛い系で安心しました。というか、一度部屋から飛び出たさゆが戻ってきた時、ポルターガイストで物をとばしてる幽霊、あんまりに可愛くて普通だったから、あれ? 新しいご近所さん? とか思っちゃったくらい。
幽霊のオリ。底抜けの明るさで、わりと話せるいいやつじゃないですか。カラッとしてるし、うん、こんな幽霊なら同居もオーケーだよな! そう思わせる親しみやすさがある。でも金縛りかけてくるのか。そこは若干迷惑だな。と、最後に出てきた覆面と魔法少女みたいの、これが次回の話題のメインになりそうですね。エクソシストかなんかなのかな。
- 『まんがタイムきららMAX』第17巻第9号(2020年9月号)
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