2020年7月31日金曜日

『まんがホーム』2020年9月号

 『まんがホーム』2020年9月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。素麺を食べるらいかであります。あのガラスのうつわ、さくらんぼが添えられていたりするのね、ああ、たしかに素麺というとこうだった。なにか懐かしさ感じさせる、そんな雰囲気。思えばらいかの袖のないワンピース、こうした服装もレトロさをかもしだしているのかも知れません。『孔明のヨメ。』、孔明、月英夫妻はといいますと、たらいで冷やした瓜であります。素朴な夏の果物。これとは対照的に豪華絢爛フルーツを楽しんでるのが『キャバ嬢とヒモ猫』ボンちゃんであります。ほんと、この対象、見事です。

天国のススメ!

胸の痛みを訴える男性。ん? 病院かな? と思ったら、相談相手は太一ですよ。なぜ!? なんで!? と思ったら、この男性、お盆で帰ってきた故人だってのか! これ、キャプションで説明されないとわかんないぞ。だって、太一のところ、生きてる人も相談にくるものなあ。

胸の痛みといっても病気やなんかではなさそう。だって幽霊だものなあ。思い残しがあるのでは? 祖母のアドバイスを受けていろいろ聞き取りするんだけど、スイカの話でギュっ。雪ダルマでもギュっ。チューリップに桃にリンゴにサンタクロースと続けばもうさっぱりわからない。でも、太一の友人の橘の名前を聞いてきゅん。ここから解決に向かうのがめちゃくちゃおかしかったです。

橘の家で情報出しあって、それで判明したのがアイドル立花こももの存在。なるほど、アイドルが好きだったんですね。でも家族にも誰にも隠していた。あまりに隠していたため、自分自身の記憶にも鍵をかけてしまった。この人の生前の記憶、思いがけなく気持ちの揺れた瞬間、ただひそかに応援することが楽しかった気持ち、それがほのぼのと嬉しさ伝えて、そして隠していたつもりが全然隠せてなかったアイドル好き! ああ、娘さんがちゃんと知って、応援する気持ちを引き継いでいてくれたんだ!

きゃーっと叫んでうずくまる娘。ああ、父と一緒に参加する卒業コンサート。娘さんはそうと知らぬままだけど、思わぬ親孝行。いいお嬢さんですなあ。

『スナックあけみでしかられて』

朝顔って、そうそうひとつのお家に集まるものなのか!? 朝顔市で買ってきたら義母も通販で買っていた。さらにそこに娘の学校で育てているのも加わって、華やかでいいですね! と思ったら、なかなかそうはいかん事情もあるのか。マウント合戦はつらいなあ。それでお母さんの鉢があけみさんのところにまわってきた。しかし、あけみさんは早起きして水やりをまっとうすることができるのか!?

最初はしょぼしょぼしてたあけみ。でも花に癒されてる感じがよく出てて、すごくいいんですね。いつもどことなくゆるさ感じさせる人だけど、いつも以上にゆるくなってると思う。そんなあけみを可愛いと思う乃里もまたいいんですよね。

朝顔をどうするか。朝咲く花だからお客さんには見せられない。ここで、日中は暗いところに置いておいて昼夜逆転させてやればいいのでは? なんて思う自分は情緒に欠けるのだろうなあ。あけみさんは写真に撮って、店内に貼り出して、そうしたら皆が自慢の花を続々写真に撮ってもってくれてと、こういう気持ちの広がりが嬉しいエピソードでした。

『孔明のヨメ。』

多くの民を引き連れての行軍となってしまった劉備一行。このままではまずいと、江陵を押さえるべく動く孔明。陸路を進む劉備本隊と、船で向かう関羽分隊に分かれることになるのですが、月英が補佐として関羽隊につくことになる。劉備のみならず関羽、張飛、趙雲皆が驚いて、これ、夫婦が別々にというの、よほどのことなのでしょうなあ。しかし、月英に対する孔明の信頼は厚い。船の知識は自分よりも上とまでいわれては異論もないというやつなのでしょうなあ。孔明の妻への信頼はさらに厚く、深く、自分の思考を読み最善の策を選んでくれるに違いない。ああ、月英は孔明にとって妻であり、そして同志であるのだなあ。そのふたりの特別な縁。互いに思いあう気持ち。素晴しかったです。

そして孔明、ピンチですよ。曹仁が負けを喫した。なぜ負けたのか、果たして本当に負けたのか、振り返ってなお状況つまびらかにならず、ただただ困惑するばかりの曹仁。その報告を受け状況を検証していく過程で浮かびあがってきたのは、これまでの劉備になかったもの。新たな軍師の存在を感じとる曹操に、さらに具体的に諸葛孔明と名があがってしまった。ああ、ついに知られてしまいました。徐庶の語る孔明の人となり、優秀と聞いてかっと火の灯る曹操の胸中。ああ、本気になりましたね。この反応は、それだけ徐庶の優秀さを買っているからでもある。それだけに孔明に対する追求は苛烈なものになりそうでハラハラです。

『恋はリベンジのあとで』

意味深な導入に、なんだろう、泉はなにかに物思いするのだろうか。などなど思ってみたらですよ、ああ、太っちゃいましたか。自分史上最重量。なるほど、夜中にラーメン食べちゃうんだね。そりゃあ太るわ。ショック受けてる泉に追い討ちかける梅ちゃんに、優しくなぐさめてくれたかと思ったら、暑いから寄るなと物理的に拒絶する竹ちゃん。このふたり、よいねえ。この作者らしいチャーミングな女性キャラ。こういう人がいるとなんか安心できるんですね。

しかし泉、どんだけ太ったの? 直売所から会社に車で戻る途中、歩いて帰るといった泉。たまたま出会った石田に拾われて車で戻ったんですが、そうしたら梅ちゃん竹ちゃんがゴールテープ持って待っててくれるのね! いいなあ、すごくいい。石田、割ってしまった吾亦紅の鉢を持ってきていて、さらにお詫びの水ようかん。躊躇せず食ってる泉がいいなあ。

しかし、泉よ、石田に心揺れるのかい? ほんとにそれでいいのかい? だって、石田、恋人がいるのよ? ともあれ、いろいろ気を配ってくれる人がいろいろいるということ、そのありがたさを思う泉。しかってくれる梅ちゃんがいい相棒感出してますよね。泉、ちょっと無神経なところあるからな。梅ちゃんみたいな友人がありがたいよね。

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