2020年7月8日水曜日

『まんがタイム』2020年8月号

 『まんがタイム』2020年8月号、昨日の続きです。

『六畳一間の憑き物石』

自分の出自が判明したものの、祠に帰るべきか瞬のもとに残るべきかと悩むこいし。いや、悩む時点ですでに答は出ているのではなくて? 祠に戻るべくして、その祠のありかを探していたはずなのに、せっかく見つかった祠に戻るのをためらっているわけですからね。そしてそのことをこいし自身もよくわかっていて……、というのに洗濯物が生乾きの臭いとかね、日常のもろもろがシリアスを持続させてくれないっていうからおかしいんですね。

しかし、今回、大進展を見ましたね。こいしも物思いなら瞬もまた同様。出先ですっころんで泥だらけで帰ってきた瞬の、その考え事ですよ。こいしのこと。戻ってほしくない、ここにいてほしいと、こいしを前にはっきりと言葉にしてみせて、ああ、その理由こそは瞬にもまだわからないとのことですが、こいしを大切に思ってること、それは伝わったのではないでしょうか。

これまで、ふたりの関係においては、こいしひとりが思い悩んでいるみたいな節もあったわけですが、これでついに両者対等って感じになりましたね。ええ、こいし、よかったですね。

『ハニトラなんか怖くない!』

もう完全に新しいフェイズに入ってる! いまだ昔の山田さんのこと思い出せない綾小路だけど、その関係はずいぶんこなれて、こなれてるか? いや、でもね、水木部長からの拒絶に落ち込む綾小路をはげます山田さんですよ。背中をポンポンってね、その感触にちょっと昔を思い出す綾小路ですよ。ああ、肩の力抜けましたね。なんか、すごく自然体、気張らない感じになりましたね。

このふたりの関係、それがもうたまらなくチャーミング。でもって水木部長攻略の秘策をさずける山田さんですよ。この人、どんだけ有能なの!? ともあれ、これで見事に問題解決! って、水木部長、基本この人は一人相撲だな! いやほんと、おかしかったです。

しかし、山田さんと綾小路の関係、ずいぶん近しく、フランクになりました。いや、綾小路からはまだちょっと遠慮があるみたいですけどね、でも心を許したのには間違いないですよね。いやあ、長かった! 山田さん、ついにですな! やっとですな!

『良倉先生の承認欲求』

ほんとに面白い。先生、なにか悩み事。でも、星畑はまるで深刻に受け取ってなくてですね、いや、まあ、それが正解っていうんですから、さすがですよ星畑。

上枝に相談するくだりとか最高でしたよ。本当にSNS関連だった! っていうやつ。ぶんちょー紳士に加え新キャラを投入しようと考えてるっていうんですね。どうしてもいいねを獲得したい良倉と、自信があるためか周囲からの評価に揺らぐことのない上枝、ふたりのこの対照的なることよ! でも、上枝と話したことが良倉の狭くなっていた視野を再び開くことになったの、それがよかったなあって思えて、でも完全には解脱できてないのも良倉らしくって実によかったです。

良倉の悩み、新キャラをどうするかですが、ひよこ紳士に決定。好評でなによりなんですが、上枝の推したぶんちょーレディを避けたの、上枝の面白がったアレのせいだよね!? やっぱりちょっと憤慨していたっぽい良倉が最高です。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

ほんと、この漫画、素晴しいですね。皆葉の家に遊びにきた笹本。透視のできる笹本のこと、妹ふたりはしっかり受け入れて、いやしかしこの妹ふたり、ちょっと生意気で、ちょっと押しが強くって、いいですよね。

最初仲良くやっていた妹ふたり、もみじとかえでのちょっとした仲違い。飛び出してしまったかえでを、もみじとともに追う笹本の頑張り、それがなんだか嬉しくて、しかもかっこつけてなんでもないふりしてるのがね、皆葉にはバレバレ! うん、こういう関係もほんとよいと思ったんですよ。

最後の、笹本と皆葉の語り合うくだりもね、ふたりの関係、互いに理解しあってる感が出ているの、それがすごく魅力的でした。最初は若干うさんくさそうに見えた笹本だけど、ほんとはそんなやつじゃないんだよっていうのを皆葉がしっかり引き出していてくれる。ふたり、本当にいい友人になりましたね。それがなんだか嬉しく思えるのです。

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