『まんがタウン』2020年8月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。夏! 海! 水着! 夏の熱気と気持ちの盛り上がり感じさせる躍動感あるイラスト、実に素敵でありますよ。ビーチボールを頭上に掲げて伸びやかないろはの肢体は実に眩しく、その奥にいるはじめくんはというと、浮き輪片手に前のめりに駆けている。その気持ちの前へ前へと向かうような感じがね、まさに表紙の惹句、ワクワクだー!! を体現するかのようで、いい躍動感! でしたよ。はじめの視線の向かう先、それを想像させるのがね、なんかいいんですよね。
『新婚のいろはさん』
新型コロナによるステイホームも手伝って、全世界的に大ヒットしたゲームがモチーフですね。しかし作家にそのゲームで漫画を描かせるために、ゲーム機本体送りつけるみたいなこともあるんですか。これ、フィクションだから! ってわけじゃないですよね。こりゃあちょっとした投資ってやつですか。
ゲームというのにはじめがあんまり乗り気でないのが意外でしたよ。それこそ、こんだけ話題のゲーム、はじめが興味持たない、それ以前によくわかってないというのも意外で、相当に興味、嗜好の範囲外だったんだな。対していろはが興味持ってて、なるほど早倉母から教えられましたか。
最初は乗り気でなかったはじめが、いろはのプレイを横から見ているうちにだんだんと興味持っていくくだり面白かった。知ることで興味も出る。そうなれば、ちゃんとプレイしてみようということになって、ここでいろはとちょっとすれ違い? 家庭内別居とかいわれてますけどね、おかげで手紙のやりとりできるのがまた嬉しいじゃありませんか。
なんだかんだで楽しんでしまう。ふたりのそんな姿勢がよく出てた今回。ええ、このゲームはそういう楽しみ方がいいだろうなっていうの、よくよく思わせてくれるようなエピソードでした。
『私たち同じ人を好きになりました』
いやもう、まさかこんな段階で出会っちゃうの!? いや、そうだよな、同じ会社、同じ建屋で仕事してるんだものな。一緒の演劇見にいくの、仕事を終えて約束の時間に最寄り駅に向かうとなったら、そりゃ鉢合わせしちゃうよな! と思わせてのあのニアミス回避。これは見事にやられました。だって、同じページの四コマの右と左で時系列あわせての展開して見せるでしょう? 3コマ目でエレベーターが止まって、4コマ目でふたり一緒に「あ」でしょう? いやあ、バレたわ、これバレたわ、と思ったら、なんだよ! 出会ってないのかあ!
ほんと、見事にスリル味わわせてくれました。
待ちに待った芝居の当日、その高揚感や落ち着かない感覚、さらにはいつも以上にテンションもやる気も高まるその感触はよくわかる。ええ、こういう気持ちになったことのない人って、そうそういないと思うんですね。それだけに共感もするし、ふたりのこと近しくも感じられたりね、ほんと、楽しみに待ったその日のついにきた気分、こちらも一緒になってわくわくとした気持ち味わっていましたよ。
- 『まんがタウン』第21巻第8号(2020年8月号)
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