2011年7月15日金曜日

まりかちゃん乙

 うざ可愛いっていうのがはやりですな。『日常』のゆっことか、『Aチャンネル』ならユタカとか、やること、なすこと、いろいろうざいんだけど、それが可愛いの! みたいなキャラクターですね。さて『まりかちゃん乙』。ヒロインはまりかちゃん。この人もいわゆるうざ可愛いキャラクター、といいたいんですが、読んでてなんだか違うな。そんな疑念がむくむくと湧いてきましてね、じゃあなにが違うのか。そう、この人はうざ可愛いんじゃない。可愛い女の子がうざいんだ! なるほど、我ながら納得いったのでした。

しかし、この漫画、まとめて読んだら半端じゃなく面白いな。ヒロインは九鬼まりか。いろいろ奇行が目立つお嬢さんなんだけど、でも、なんだかちょっと共感できてしまうところがありまして、あのね、自分が人からどう見られてるかとか、めちゃくちゃ気にしちゃってるじゃないですか、まりかちゃん。それで目立ちたくないとかいいながら、目立つ行動ばかりとってるっていうの、ああ、自分もそうだったかもって、非常に読んでいてつらい。いたたまれないっていうかさ、あの、わざと嫌なこといったりして、相手の気をひこうとしたりしてね、でちょっとでも機嫌そこねちゃったら、すごく気にして謝りたおしたりね。愛されたい人なんだろうなあ。そして常に、愛されない自分を意識してる、嫌われることを怖れている人なんだろうな。あの奇行、特にゆなに無理をいったり、せいらに酷いことしてみたり、ちょっかいを出すとかいいますね、あれらはきっと愛を確認する行動なんだろうなあ。なんて思えて、ちょっといろいろ痛々しかったりもするんです。

まりかちゃんのちょっかいないしはうざい行動。これがだんだんに広がっていって、最初はゆなやせいらといった、作中の人物に向けられていたものが、ついには読者まで対象にするようになって、これは面白かった。人によっては嫌いかもなあ、なんて思うんですけど、作中の人物でありながら、この漫画なんていいだして、いや1巻で一番過剰にやらかしたのはゆなですけど、こういう、本来まもられてしかるべき枠を踏み越えてくるのは最高にうざいよね。けど、一度踏み越えながらまたその枠内に戻っていったりと、その立ち位置の定まらなさとか、変に新鮮で、面白かったんですよ。ええ、許せましたね。ちょっと振り回されてる感じに、いいじゃんかと思ってしまったんですね。

まりかちゃんは可愛くて、けれどうざい。ゆなも可愛くて、けれど辛辣で、せいらは可愛くて、実は本性ががっかり。こんな、がっかり美少女たちの四コマ。ちょっと癖になる面白さです。土下座とか、ほんとにもう! あ、そうそう。あとがきには騙された!

  • ユキヲ『まりかちゃん乙』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

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