2006年3月3日金曜日

あおいちゃんとヤマトくん

   師走冬子の漫画では散々書いたような気がしていたのですが、まさかそれが『スーパーメイドちるみさん』でしか書いていなかったとは思いもよりませんでした。しかも『ちるみさん』で書いたといいながら、実質は『おサケの星座』について書いたようなもので、だからこれが私の初師走冬子関連文書ということになるのでしょうか。なんだか本当に意外な感じがします。

私にとって師走冬子とは『女クラのおきて』の作家でありまして、『まんがタイムラブリー』で『女クラ』がはじまったときには、まさかこれほどにまで人気の作家に成長されるとは思いませんでした。いや、好きなんですよ、『女クラ』。でもこんなにメジャーどころになって、ばんばかあっちからもこっちからも単行本が出るようになるだなんて思いもしなかったものですから、まるで自分のことのように喜んでいます。

師走冬子の代表作となると、やっぱり『ちるみさん』なんでしょうかね。けれど、どじっこメイドが大暴れ(?)という『ちるみさん』は一般人には少々ハードルが高く、『女クラ』にしても奇人変人オンパレード際物設定漫画だから、やっぱり一般層には受けない気がします。ですが『あおいちゃんとヤマトくん』は違います。本屋にてアルバイトする大学生の女の子、男の子が主人公で、ちょっとほのぼのとしたラブコメ風味? けどやっぱり師走冬子だから際物設定は健在で、けど他の漫画に比べれば充分許容範囲に収まるでしょう。

ラブコメ風味といいますのは、ラブコメというまでにラブコメ展開するわけでなく、けれどそれはそれで二人が互いを意識しあってるような節もあってという、そういうほのかな恋愛感情みたいのがふんわりと漂うのが私にはちょっと心地いいんです。ほら恋愛ものって、怒濤の展開みたいになっちゃったりするでしょう。あれね、私もまだ若くて元気だったらいいんだろうと思うんですけど、もう、そういうの疲れちゃったんです。なんというのかなあ、十年連れ添った夫婦みたいな感じでいいじゃないですか。好きだ、けれどすれ違い、そこへライバル登場! ってそんなの若いうちだけの話ですってばよ、と思う。こんな私に『あおいちゃんとヤマトくん』は妙に優しく響きます。本当に貴重な漫画と思うのです。

蛇足

香澄さんですな。いや、でも、ヤマトの妹で強烈なブラコンのかえでちゃんが気になるだなんて口が裂けてもいえない。口が裂けてもいえません。

香澄さんです。香澄さんが最高です。

0 件のコメント: