こんなときに、お酒が飲めればいいんですけど、あいにく私はお酒がだめなものですから、とりあえずビール、と思ったらうちにはビールどころか梅酒さえありませんでした。だからしらふ。こんなときくらいはお酒を飲めればいいのに……、なんて思います。
この間、体力気力がないのでコミケにはよういかれないという話をしましたが、けれど本当はコミケにいこうと思っていました。私の好きな作家倉田ジュリさんの漫画『おサケの星座』が、一冊にまとめられて出展されるという話を聞きまして、そうか、じゃあもう体力が気力がといっちゃあいられない。知人友人つてを頼って、コミケ情報を集めはじめたのでありました。もう、それはそれは、コミケに参加する気満々であったのです。
とかいって、結局いかなかったんじゃないか! そうなんです、いきませんでした。あんたにとって『おサケの星座』はその程度のもんだったのか、というおしかりが聞こえてきそうですが、いやいや、もちろんそんなわけありませんよ。『おサケの星座』は通信販売もされるということで、私は通販を利用しようと決めたのです。そうして、私の手もとには『おサケの星座』があるのです。
『おサケの星座』は、私にとって最も四コマ漫画が熱かった時期の、中心的タイトルでありました。芳文社の『まんがタイムポップ』に掲載されていまして、それはそれは面白かったんですよ。飲み助の女の子二人組が、酒飲んでくだ巻いている漫画なんですが、それが面白いんです。
どれくらい面白いか。だいたい漫画ってのは一回見ただけでは面白さがわからないものです。二回三回と読み進むうちにだんだん面白みがわかってくる(もちろんちっともわからん場合も往々にあります)というのが相場なんですが、『おサケの星座』に関しては、連載二回目ですでにはまっていましたからね。あの「虚言の星」シリーズには大受けで、かといってほかのパロディ風じゃないのはどうかというと、面白いんです。
四コマというフォーマットをしっかりとつかんで、落とし所も抜群、ギャグの切れもよかった。そしてなにより、雰囲気が良かったのです。明るくて朗らかで楽しそうで、出てくるみんな、主役二人もとりやもさとみちゃんも竹島も、すごくいいやつ。非常識でどこかなんか間違っちゃってるんだけど、けどさっぱりとしてすごくいいやつ。気持ちのいい仲間という言い方がぴったりで、もし私が彼らと出会う機会があったならば、きっといい友達になれただろうと思うのです — 。
この倉田ジュリという人は、いい漫画家だなあと、隔月刊のポップを楽しみにしていた理由には、間違いなく『おサケの星座』の倉田ジュリがあったのでした。
その『おサケの星座』をこうしてまとめて読めて、面白くて、笑って、嬉しくなって、ちょっとしんみりもして、そうして私はお酒が無性に欲しくなります。きっと今日もどこかで飲んでるともちゃん、りょうちゃんを遠くに思って、痛飲したい夜であります。
- 倉田ジュリ『おサケの星座』ダブルオペ,2005年。
『おサケの星座』の通販に関しては、『トレジャーアイランド』をご覧ください。
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