2005年8月3日水曜日

ラディカル・ホスピタル

    実は最初は『サクラ町さいず』で書こうと思っていたのですが、急遽『ラディカル・ホスピタル』に変更。というのもですね、本日発売の第9巻にヤング・ヨネザワ先生が出てらして、その繊細でナイーブな美青年ぶりにくらくらした、というか、めろめろというか、米沢先生ラブなのであります。とそういう理由から、今日は『ラディカル』で書こうと。いやあ、いい加減というかなんというかですが、いいんです。いい加減は今日にはじまった話じゃありませんから。

『ラディカル・ホスピタル』は、その名前からもわかると思いますが、病院を舞台にした漫画で、そもそも私は病院ものが大好きですから、もちろんこの漫画も大好き。ずうっと前から、ひいきにしております。

さて、病院好きを標榜する私でありますが、どんなのでも好きというわけではなくて、比較的まじめで、それであんまり医療ドラマしていないものが好みです。ほら、病院ものってなにしろ死やらなんやらがどうしても関わってくる題材ですから、熱血派というか、ものすごく感情のテンションが高いのも多いジャンルだと思うのですよ。ドラマが作りやすいからかもうずいぶん乱獲されてきた分野でもあって、天才医師ももうお腹いっぱいだし、だからといって告発ものみたいなまじめさもなんだか読み疲れするし、 — その点、『ラディカル・ホスピタル』のさじ加減は絶妙であると思います。

この漫画に出てくる人たちっていうのは、別に天才でもなんでもない、職業として医療を選んだ普通の人ばかりで、そんな普通の人たちばっかりの漫画が面白いかといわれると面白いんですね。そりゃ、基本的にギャグ・コメディであるんだから面白さを志向するのは当然ではあるのですが、けどこの漫画の面白さの本質はそういうところにではなく、コメディの裏に流れるまじめさ、真摯さが透けてくるという、そこだと思うのです。

病棟での日常、淡々と医療行為に従事する病院スタッフたちは、自分の成すべきことをはたそうとするプロである、と、この漫画から感じられるのはそういう空気なのです。普段は冗談ばっかりいって、笑って、笑わせて、笑われて、けれど退いてはならない一線を見つめているということがちゃんと見えてくるのはすごいことです。まじめ熱血を全面に押し出す漫画よりも、笑いの裏にそれら要素を隠したラディカルのスタッフたちのほうが、よりいっそうプロフェッショナルを感じさせてくれる。そこが読んでいて、本当に嬉しくなるところなのです。

ただし、これは理想の病院ですね。私は病院のマニアだったからいろいろな話も聞いたりしていましたが、やっぱりそこはラディカルの外科病棟とは違う、現実の地平であります。こうした現実の苦さは作中にも触れられていて、けれどそうした苦さがあるから、私たちは漫画の中に理想郷を見いだしたいと願う — のかもなあ。

医療に従事する人もしない人も、この漫画を読めば気が晴れることもあるのではないかと思います。ただ、癒しなんてのを期待しちゃあいけませんよ。『ラディカル・ホスピタル』にはシリアスもシニカルも含まれていますから、無責任で無根拠な癒し系などとは一線画してます。そうさなあ、いうならばクリニクラウンみたいなもんかね。ちょっと笑って、また頑張ろうかという気にさせてくれる、そこがいいのですね。

蛇足:

私は最初赤坂ファンで、直に関口派に移行したのですが、なんだか最近はマッキーがお気に入りです。まじめで、ちょっとコンプレックスがあって、隠れおたく

でも、現実に身近にいたら、相性悪そうな感じがするのが、なんですな。

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