日本における最大規模イベントコミックマーケットは今日から開催です。盆ということも手伝って、日本中あるいは世界中からマニアおたくの面々が東京国際展示場(東京ビッグサイト)集まります。だから今年もきっと盛況でしょう。
私はというと、休みがないのと金がないのと、体力がないのと気力がないのがたたって、当然のごとく見送ります。けど友人知人のうち幾人かは参加しているようなので、追々状況を聞くこともあろうかと思います。それも近々に。
さて、今日は『辣韮の皮』で書きましょう。「らっきょうのかわ」と読みますが、私ははじめてこれを見たとき、「にらのかわ」と読んで恥をさらしました。
『辣韮の皮』は、その副題というかあおりかに「萌えろ! 杜の宮高校漫画研究部 」という文言があることからもわかるように、高校漫研においておたくな青春を送る主人公とその仲間たちの漫画なのですが、なにしろ作者もたいがいなおたくでありますから、その密度というか描写のリアリティというかはすさまじいものです。きわどいネタの切れ味もなかなかにして、その鋭さは両者痛み分けといったところ。本当におたくの好むネタを、というか、おたくというものをよく知っているなあと感心します。まあ、面白がっている時点で私も同様のものであること、間違いなしなのでありますが。
『辣韮の皮』に表れるコミケの風景というのがよくよく活気熱気を伝えてくれて、その準備過程、裏に渦巻く思惑や執念、そして当日のお祭りムードは、なんだか楽しそうだなあと私に思わせるに充分で、けどそんなこと思っているのは対岸にいるからなのかも知れません。
けれど、例えば学生時分私にとっての夏は吹奏楽コンクールに明け暮れたように、冬から春には定期演奏会に向けて紛糾、紆余曲折の道をたどったように、彼らにはそれが漫画やアニメであるのですね。遠く離れれば楽しかったかも知れないそうした活動も、当時はしんどかったりぶつかったりして、だから主人公の滝沢政宗の気持ちはわかったりわからなかったり。どっちやねんという感じですが、わかるというとなんかアレな感じもするから、わからないといっておきます。
だけど、これだけは確かかなと思います。なんだかいろいろに大変そうな滝沢くんも、いつかはこうしたいろいろが懐かしくも楽しかった日々になるのだろうなと。いつかこうした状況を離れて振り返ったその時、かけがえのない日々であったと思うことがあるのだろうなと — 。
ただ、これは滝沢きゅんが脱オタクをはたしていたならばという前提が必須要件であろうかと思うのですが……。
類は友を呼ぶといいます。私には極めて面白い漫画だったので、私のお友達にもきっと面白い漫画であろうかと思います。すこぶる面白い漫画であろうかと思います。
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