コミック・バトン企画インターミッションでは、『あずまんが大王』のヒットで広く知られるようになった漫画家あずまきよひこの過去作品集『あずまんが2』を取り上げてみようと思います。あずまきよひこは、かつてはパイオニアLDCからリリースされるアニメのパロディ漫画を、パイオニアLDC作品のライナーノートに描いていまして、それらをまとめて出版したものが『あずまんが』、そして『あずまんが2』なんですね。なので、人によっては忌避すべきタイトルかもしれません。『天地無用!』や『バトルアスリーテス大運動会』を知らん、あるいはそういうおたく向けのは楽しめん、いわんやパロディなぞ! という方は避けて通ったほうがお互いに仕合せでいられるのではないかと思います。
さて、ここで『あずまんが2』を取り上げたのは、『天地無用!』や『デュアル! ぱられルンルン物語』を懐古したいからというわけではなくてですね、実はですね『あずまんが2』には、現在好評連載中の『よつばと!』のプロトタイプ『Try! Try! Try! (ととと)』が収録されているのです。
収録されているのは、描き下ろしの漫画が一冊、そしてCD-ROM内に漫画と初期設定等資料がいくつか。これをはじめて読んだときには、こういう日常路線をやりたいのかと思っていただけなのですが、『よつばと!』というかたちで結実してみると目茶苦茶面白い。もうはまりまくりですから、 — って、今日は『よつばと!』で書く日じゃなかった。
『Try! Try! Try!』には、やっぱりあさぎ、風夏、恵那の三姉妹が出てきて(なんと『ととと』では風香じゃないのだ)、そしてとーちゃんも四葉も出てきて、ここではよつばは漢字で呼ばれていて、なんだか不思議な感じですよ。しかし一番不思議な感じにさせるのは、三姉妹の性格の違い。恵那あたりはさしたる違いはなく、あさぎにしても雰囲気こそ違えど本質的なところは同じです。ですが、風夏の違いはすごい。まず髪形が違いますな。それで性格が違う。なんつうか、『あずまんが大王』でいうところの神楽みたい。ちょっと粗野で、女の子ぽさを出したがらないといった、そういうキャラクターだったのですよ。
そして、もっと驚くべきことがありまして、風夏はどうもとーちゃんのことが好きみたいなんですね! 漫画の方にそんな描写がありまして、だから風香ももしやと思ってたんですが、どうも違ったみたい。いや、これからどうなるかはまだわかりません。というわけで、このへんの動きにも私は注目したいと思っているのでありました。
結局『よつばと!』がらみで書いたのも同然になってしまいました。あ、私『Wallaby』も好きです。って、とってつけたみたいになってしまいましたが、実際『Wallaby』もいい漫画で、ちょっとハートフル風味(ってなんか恥ずかしい用語だな、ハートフルって)のこれが好きだというのは本当なんですよ。
- あずまきよひこ『あずまんが2』東京:パイオニアLDC,2001年。
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