2005年8月23日火曜日

奇々怪界

   スクウェア・エニックスがタイトーを買収したんだそうですね。といっても、敵対的買収とかじゃなくて、タイトーをスクウェア・エニックスの子会社にすることで、ゲーム業界内での競争力を高めようという意図の下での株式公開買い付けなんだそうです。

ところでだ、タイトーといえばどんなゲームを出してたっけかとちょっと思い出そうとしてみたのですが、かの名作『スペースインベーダー』くらいしか出てこず、思わず焦りました。あと、なにがあったっけ……。そうだ『エレベーター・アクション』があった。それに『ちゃっくんぽっぷ』。けれど、なにか重要なタイトルを忘れているような気がする。なんだっけ、なんだっけ……。

それは、『電車でGO!』です。って、ごめん、嘘。思い出そうとして思い出せなかったタイトルは、私が唯一所有しているタイトー作品『奇々怪界』です。80年代に青春を送った人ならきっと耳に覚えがあるでしょう。さらわれた七福神を助けるべく、我らが小夜ちゃんが御祓い棒と御札を手に妖怪退治に奔走するという素敵ゲームです。

80年代当時、小夜ちゃんは紛れもなくゲーマーのアイドル的存在で、いやあるいはマスコットとでもいいましょうか、御祓い棒を振り振り歩く小夜ちゃんの愛らしさを愛でんがために『奇々怪界』をプレイした人もあったと伝え聞きます。

これが今なら、さながら萌えキャラとして語られていたことでありましょう。

ですが萌えが強烈に発展し、またゲームにおいてもデカキャラが普通に動き回る今となれば、オリジナルの小夜ちゃんのかわいさをどこに見いだせばよいか迷う人も少なくないかも知れません。確かにイラストでもドット絵でもどの辺がかわいいかわからない。けれど思い出してみてください。かつてゲーマーは『Wizardry』の文字と線画の世界に、冒険者のリアルな息衝きを感じ取ったものでした。ならば、ドット絵ちまキャラのアニメーションにかわいさを見いだすことのどこに困難があるでしょうか。

そう、小夜ちゃんは緋袴もりりしく、まごうことなく時代の美少女であったのでした。

まあ、馬鹿なことはおいておいて、当時『奇々怪界』の完全版はアーケードでしか遊べない、本当に高度なゲームでありまして、その後ファミコン版がリリースされたのですが、そのできはファンをがっかりさせるに足るものでありました。実際私は『奇々怪界』ファミコン版を買おうかと迷いながら、当時の評に怖れをなして購入を見送りました。ですが、それでも『奇々怪界』を遊んでみたいものだという思いだけは、どこかに残っていたのですね。

と、そんなわけで、私はPCでプレイできる『奇々怪界』を入手して、インストールしてちょこちょこ遊んで、そうしてわかるのは決して簡単なゲームではないのですね。最近のコンシューマ向けゲームは難易度が低めに設定されていることも多いですが、その昔はそういった手心なんてのはまったくなかったんだなと思いました。

でも、『ドルアーガの塔』みたいな理不尽な難しさはなかったなあ。非常に素直なアクションゲームであると思うのですよ。

ちなみに、携帯でも遊べるのだそうですよ。

参考

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