なんだかクラシックゲームが密かな人気のようなので、クラシック中のクラシックといえるゲーム、Wizardryを取り上げるのでした。なにしろ、私が小学生だったころ、初めてドラゴンクエストに触れた時点ですでに古典になっていたほどのゲームでして、なのに今なお愛好者がいるというのですから、その偉大さは私が重ねて説明することもないのかも知れません。
けどいいたい。WizardryはコンピュータRPGの始祖にして完成形であります。私が最も長く、深く遊んだゲームはまぎれもなくWizardryで、RPGというジャンルを思うとき常に思い出すのがWizardryで、あたかもその世界が存在するかのように夢想したのもWizardry — どのようなときでも頭の片隅に大切にしまわれている、かけがえのない思い出みたいなゲームなのです。
人によって一番いいという版が違っているのもWizardryの面白いところで、大抵その人が最初に触れたものを最上というケースが多いようです。というのは、つまり私にとってはファミコン版こそが最上であるといいたいわけです。
ファミコン版。ROMカセットで供給されるため、ディスクアクセスといった時間的ロスは発生せず、バッテリーバックアップによって随時セーブされるタイミングも絶妙。もちろんセーブに時間がかかるということもありませんでした。末弥純によるシックで存在感あるモンスター原画も素晴らしく、そして羽田健太郎のBGMの実によく練り上げられていること。素晴らしかった。ファミコン版Wizこそ最上という人は、おおむね私のいうところに賛同してくださるものと思います。
今Wizを遊ぶというのなら、プレステ版が一番入手しやすく、手ごろなんじゃないかと思います。『リルガミンサーガ』が第一作から第三作までを、『ニューエイジ・オブ・リルガミン』が第四作と第五作を収録していまして、『リルガミンサーガ』からプレイするのがいいでしょう。
プレステ版のいいところは、オリジナルに比較的忠実に移植されているところです。ファミコン版ではデータの移行の問題からキャラクターのレベルがリセットされた第二作ですが、プレステ版はオリジナル版と同様、第一作で育てたレベルや所持アイテムをそのままに送り込むことができます。また謎解きについても、タロットの知識を要求するなどの理由でファミコン版では削られていたのがちゃんと収録されています。なので、Wizardryをプレイするという観点からみれば、ファミコン版よりプレステ版のほうがいいかも知れませんね。
ただ、ファミコン版ユーザとしてはプレステ版には文句があって、ファミコン版同様末弥純のモンスターグラフィックを採用するなら、なんで呪文名やアイテム名もファミコン版同等のものを選べるようにしてくれなかったんだと思うんですよね。
とはいえ、文章を英語オリジナルに変更したり、画像もPC-98のを選んだりできるのは(ファミコン版でも言語選択できたんだからこれくらい当然という気もしますが)ありがたいかぎりで、またこんな風にちゃんと作ってくれるからこそ、アイテム名に文句をいいたくなったりもするんですね(よっぽど同様の文句が多かったのか、『ニューエイジ・オブ・リルガミン』ではファミコン版と同じアイテム名を選べるようになっています)。
ともあれ、今Wizardryを楽しむならプレステ版がベターというのは間違いありませんので、興味のある方はぜひプレイしていただきたいものです。
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