私は長く音楽に関わってたというのに、いわゆるミュージックビデオというものの存在意義を理解しなかったのです。ミュージックビデオというのはPVとかミュージッククリップとかそういうのではなくて、ライブの録画をパッケージにしたものといえばいいと思います。別にレコードがあれば充分だし、映像なんてあっても見ないよ、使い回しも悪くなるじゃんなんて思っていたのですね。
けど、3弦ベンチャーズ見てみたさにこのDVDを買ったことで、今までの思い込みががらりと変わってしまったのでした。ミュージックビデオがこんなに面白いものだなんて、まったく自分の不明を恥じますよ。
さてさて3弦ベンチャーズというのはなんかと申しますと、BAHOのふたり — 竹中尚人 Char と石田長生がそれぞれ3弦だけ弦の張られたギターを使って、ベンチャーズメドレーをやるというものであります。偶数をChar、奇数を石田長生が担当、合わせるとギター一本分になりますね。正直すごい出し物だと思って、見ないと駄目だと思ったのでした。
けれど、こういうちょっと色物っぽい部分も面白いのですが、それ以外も非常に素晴らしかった。懐かしの名曲を集めたGSメドレーは、懐かしさよりもかっこよさが前面に出ているし、オリジナルの曲も渋かったり楽しかったり胸に染みたりのりのりの大盛り上がりだったり、ああこりゃすごいと感じ入ったのでした。
持ち味の違ったギタリストふたりのステージは、やっぱりギタープレイに興味津々になってしまうのですが、けれど歌もすごくいいんですよね。「誰のためでもない舟」とか「酸素」とか、「アミーゴ」もいい。どれがいい、どれが好きと指し示すこともできますが、そんなことを抜きに、ステージ全体がいい。沸くんですよね。なんかうきうきするんです。こんなの、ほんとにはじめてでしたよ。
DVDでこれだけ面白いんだったら、ライブだとどんなになるんだろうと思いますね。機会があれば見に行きたいと思っていますが、残念、いまだその機会には巡り合えていません。だから、仕方ないから過去のDVDをチェックするみたいになって、結局ミュージックビデオにはまってしまったんですね。
そんなこんなで、『BAD HOT SHOW』は私にとっての一大転機となったのでした。
ところで、二人がこのステージで使っていた楽器、Ovation Elite 1868Tを欲しいなと思ったことがあるというのは内緒です。おんなじ楽器を使ったからといって、あんな風に弾けるなんてありえないのにね。
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