日本語でのタイトルは『狂熱のライブ』であるようなのですが、あんまりピンとこないので、英語のタイトルで紹介してみました。『狂熱のライブ』、レッド・ツェッペリンのライブ映像で構成された映画なのだそうで、そのおかげでミュージックビデオとは思えない価格が実現しました。ええと、2004年11月時点で2,100円。というか、他のミュージックビデオもこれくらいの価格にはならないものでしょうか。もうちょっと安ければ買えたのにと思う、実は欲しいのに買えてないDVDというのはたくさんあります。せめて昔ビデオやLDで出ていたものの再リリース版なら、これくらいの価格にしても罰は当らないと思うのです。
さて、映画並に廉価なレッド・ツェッペリンDVDですが、じゃあ内容はどうなのかというと、充分値段以上のものはあるんですね。ちょっとしたビデオクリップといった雰囲気で、まれに、ええい、そんな映像はいい、ジミー・ペイジを映せ、ペイジの演奏ぶりを、とかそんな気分になることもあるにはあるのですが、けれどそうした映像の雰囲気も含めて『狂熱のライブ』という一本の映画であるわけですから、文句をいってはいけません。
ジミー・ペイジは当時第一級のギターヒーローだったわけですが、その理由がわかる映像ですよ。レス・ポールをヴァイオリンの弓で弾いたり、またテルミンを使ってみたり、そうしたトリッキーな面もさることながら、普通のギタープレイがかっこいいんですね。足は軽快にステップを踏んで、ギターをかき鳴らす細身のシルエットがすごく色っぽいんですね。いやあ、私の先生がツェッペリンの時代にギターをやっていまして、この人の持論であるギタリストは尻から足にかけてのラインが美しくなければならないという、その理由がわかりましたよ。つまりあの先生は、ジミー・ペイジをギタリストの理想像として見ていたんですね。
レッド・ツェッペリンはハードロックの始祖といえるようなバンドだと思うのですが、けれど今の時代から見れば、やっぱりちょっとクラシカルな感じもするんですね。メロディーがあって、リフも聴きやすく伝わってきて、ハードロックに親しみのないという人でも、素直に聴くことができるのではないかと思います。そうやって、素直に聴いてみればわかるんですよ。レッド・ツェッペリンは、あるいはロックというのは、非常に多様性を持ったスタイルで、攻撃的なとがった面もあれば、美しいリリカルな要素も充分持っている。こういう多要素が盛り込まれて咲いた花がロックで、さらに独自の美意識を発展させようとしたのがツェッペリンのハードロックだったんじゃないかと、私などは思うようになりました。
多分、だから、この映画も独自の美意識に彩られているのでしょう。やっぱり映画というよりも音楽が強く、けれど音楽一辺倒でないという多要素が盛り込まれた、独自の美なのであろうと思います。
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