2009年10月7日水曜日

『まんがタイム』2009年11月号

『まんがタイム』11月号が発売されました。今号の表紙は、ワイン? いや、違うか。秋だから、食欲の秋ということで、ごちそうからレストランといったような発想になっているのかな。しかし、シンプルな植田まさし、手の込んだ宮原るり、どちらもちゃんと手にしているものがワインとわかる。特徴踏まえて描いてあるから、なのでしょうね。同様に、かがみふみをもモンブランとちゃんとわかる。で、メインディッシュ運んでくるのが、東屋めめ。そうか、ひととおり揃ってるんだ。笑顔のフルコースもあながち嘘ではないみたいですよ。

ラディカル・ホスピタル』は、アグレッシブでアヴァンギャルドな赤坂先生の話からはじまって、しかしこういう姿勢は私に欠けているものだなあ、なんて思ったり。私はスタンダード、基本から逸脱しない、できないというたちなんです。だからなにをやってもつまらない。凡庸に留まるのかもな、っていいながら、本当は最先端みたいなものには興味津々だったりもするんです。医者という職業は、新しいことを学び続ける、そんな姿勢が重要だっていいますけれど、最先端を志向する気持ちと、反面、基本を守るという気持ち。そのバランスをとるのは、大切なことだなって思わされました。

といったわけで、今回はどうもそういう意識が私のテーマになるみたいです。

はこいり良品』においても、慣習、伝統を守るか打ち破るかといったことが描かれて、しかしこの商店街もアグレッシブですよね。いろいろとやってみる、チャンスがあれば打って出る、そうした雰囲気は活気として伝わって、楽しそうだなあと思うのですね。商店街はどこも大変だって聞きますが、そうしたなか、この商店街みたいにいろいろとやってみる、そうした活気を持ったところは生き残れたりするのかなあ。いや、ぜひとも生き残ってほしいものだって思います。

すいーとるーむ?』。塩田さんところの受付お嬢さん、なんか魅力的、というか、この漫画ではじめてとなるまともな人なんじゃないかと思われて、だっていろいろと個性的すぎるんだもの、みんな。個性的な人があふれかえると、普通の人がなんかすごいように見えてしまう不思議ってやつでしょうか。ところで部長、普通にチェンソーとかいってますけど、普通に使えるんだろうなあ。この人の奥の深さ、それもまた魅力的で、けどやっぱり普通じゃない人だなあ。こうした人に囲まれてるせいか、楽しそうでいい職場だと思います。

ニッポンのワカ奥さま』。あのワカさんにきらいといわせてしまった一郎さん。しかし、ああしたものを気にする人だったんだ。わりとさばさばとして、割り切って、平気そうだと思ったのに、そうじゃなかったんですね。意外な魅力に触れた思いです。

『わさんぼん』。これこれ、今回のテーマうんぬんを思わせたもの、それは『わさんぼん』だったりしましてね、修行中という叔父さん。おっとりとした美青年っぽい人。いくつか知らんが、ずっと修行中。そして、旦那も勉強中。実際、職人というものはそうなんだろうなって思います。昔からのものを守る、伝えられてきたものを守る、そうした反面、その時代時代の流行り廃りもきちんと受け入れていく。新陳代謝しながら、今に生き続ける。暖簾、看板を守るってことはこういうことなんだろうなと思わせる回でありました。しかし、美青年っぽい叔父さんは、今は昔なのか。おお、時の流れとは残酷です。

天子様が来る!』。私もハンパになるけどあーい、の口です。なんせ、私のレパートリーは別れの歌がほとんどで、生き別れ、死に別れ、なんでもこいよ。というわけで、私に歌わせると、ずーん…、となること請け合い。でも、ちょっと評判よかったりしたのよ? で、「見てみたい」。ああ、これは実際そうだったんだろうなあ。そして、専門家ではあるけれど、それ一本では生きていけない人。そうした人は今もなおこうなんだろうなあ。身につまされます。

『めもり*ON AIR!』、今回の出だしを見て、そうか、私がこの漫画に感じた違和感はこれだったんだ。っていうのは、私はここに書かれているような女子アナウンサー像を共有していません。だから、どこかにピンとこないものがあったのかも知れませんね。私にはこうしたアイドルのようなアナウンサー像はないから、それこそニュースであれなんであれ、伝えるべきことをきちんと伝える、機能としてのアナウンサー像しかなかったから、ちょっとこの雰囲気を掴みにくいのだろうと思いました。でも、いずれ慣れていくのだと思います。

『プチタマ』、すごくシュールで、けれどなんだか趣きの深い回でした。インコちゃん、妖精、というか妖怪扱いされて、しかしこの常人ばなれした行動のもろもろ、そう思われるのもいたしかたないのかも知れません。今回はインコちゃんメインで、ゆるやかに話を作って、それがとても面白かったです。そしてとりわけ、落ちがよかったと思います。とりあえず都市伝説になるなって、そんなところがすごくよかったのですね。

『ふたりぽっぽ』、とてもいいですね。面白いですね。最高だと思います。これまでは、白ぽっぽくる優位であり続けていたのに、今回は黒ぽっぽこばとに優位が生じて、こばとの魅力もさることながら、くるの魅力がよく発揮されて、楽しい、愛らしい、とてもいい。くるはなんか愛を押し売りする子みたいに感じてたけど、そうじゃなくて、寂しがりやが過ぎるんだな。めそ…、って。もう、可愛いなあ。この人は、こばとに対する距離のとり方を覚えたら、きっといい友だちになれそうです。でも今は、全力でかまわれにいっちゃうんだろうなって思って、まあそれでもこばとは見捨てたりしそうにないから、結局はいい関係でありながら、最適な関係にはなり得ないのでしょう。思いは複雑で、繋りはシンプル。ちょっと不思議で、なんだか憎めない。そんなふたりの関係がとても好きです。

Smileすいーつ』は、塔子さんの友人が前にぐっと出てきて、さっぱりとした、そんな雰囲気。ショートの黒髪も素敵、であるのだけど、なんだか深刻な話を出してきて、こういう理想と現実のぶつかりを感じさせるような含み、ちょっとよいですね。でもって、最後にえらいことになってますが、しょっぱなからいいキャラクターだなあ。ちょっと気に入ってしまったので、半レギュラーっぽく定着したりすると嬉しいと思っています。

『ダンボール・レディ』。ええい、これ、えらい面白いな。きっと連載にはならない、それはわかっているけど、もしこれが連載になったら結構いいなんて思ったりしています。ばればれの変身、正義の味方だけどやたら地味、1.25倍で人並みになるっていうんなら、普段からつけときゃいいのに! って、つっこみながら読んで、いやしかし、めちゃくちゃ面白かったです。NHKあたりで、10分の帯アニメとかになってもおかしくなさそうな雰囲気。うん、これはとてもいいと思う。とてもいいです。

『小悪魔ティーチャー』。落ち込みながら戻ってくる葉子を見てつくづく思うのですが、私は黒ベタが好きです。黒髪、黒ドレス、最高だ。エレガントな女性が好きです。もちろん地味な眼鏡も好きです。そんな私には、この漫画はベストマッチかも知れません。

『らいよんパパ』。唯洋一郎の新作です。らいよんって聞くと、MBSのキャラクターを思い出してしまう。漫画の雰囲気は、賭け事しない『まんしゅう』って感じです。ちょいとナンセンス。父親はライオンだけど、他の人は普通に人間という、そんなところもナンセンスな漫画です。

『男子のための人生のルール』。これまでも思ってきたのだけど、女子のなかではマドンナタイプの彼女じゃなくて、眼鏡のあの子のほうがキャラクターもしっかり確立されて、可愛いです。前からも思っていたんだけど、今回ももうえらい可愛いですね。もうとんでもなく可愛いです。

PEACH!!』。カニを前にして、うんちくで攻められる。けど、こうしたうんちくっていうのは、そのものに対する興味をぐっと増さしめて、つまりは期待もぐっと大きくなるから、食べたときに、美味しい! となるのかも知れませんね。ということはつまり、期待に負けないだけのカニじゃないといかんわけか。結構大変ですが、そんなカニを私も食べたいものです。カニは好きなんですけど、あの殻を割ってむいてってのが面倒で、そうしたもろもろをものともさせないほどにおいしいカニが食べたいなあ。でも、今は梨のほうがずっと食べたいです。梨、大好きです。

  • 『まんがタイム』第29巻第11号(2009年11月号)

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