『まんがタイムきららフォワード』11月号が発売です。表紙は『夢喰いメリー』。大人気との吹き出しがついて、けどこれは人気あるかもなあって思います。キャラクターはめりはりがあって、絵もすっきりとして見やすいし。さらに加えて、女の子は可愛いし、結構熱血主人公だし、勧善懲悪っぽく敵味方が区別されてるし。けど、よくよく考えたら、表紙に主人公が出てないことない? と思ったんだけど、そうか、主人公はメリーか。なら大丈夫だな。
『S線上のテナ』、風雲急を告げる展開です。いやね、こうなるだろう動きは前回にもその前にもちゃんと触れられていたから、突然ってわけではないのですけど、その事件発覚の状況が状況で、おおう、このタイミングか!? 思わずページを一度に2枚めくったんじゃないかって、確認してしまったくらいに唐突で、いやあ、鮮やかでした。今回は、これからの騒動を前にして静かに進行した回で、そこでのテナの表情の揺れ、変化、そうした様がとてもよかったです。ちょっとしたことで曇る。胸の奥のつかえ。それが表情にあらわれて、よいですね、とてもよかった。なんと可愛いやつだろう。そう思うくらいによかったです。
恭介とテナの関係がこの後どうなるかは、もちろん今後に描かれるわけですけれど、それが幸いなものになったらいいなと思う。それくらいに、テナとその心情の描かれかたがよくて、すっかり魅了されてしまいました。
『なきむしステップ』、再開です。お休みに入る前は、なんだか余裕を失ってしまった杉原くんが酷かった、そんな話だったように思うのだけど、再開してからのふたりは仲良さそうでよい感じです。そして、弱気なななちゃんが奮起する。なんか付き合いにくそうな親父さんを説き伏せ、説き伏せ? まあいいや、絵画教室に通うことになるという、けどその教室の雰囲気はどうなんだろう? あんまりにおかしな教室だったら、別のところに通うのがいいよ! 合わない場所で合わない人に習うって、人生における大きな無駄だと思うよ!
『となりの柏木さん』、新連載です。オタクの少年がイラスト系のSNSで出会った人に魅かれて、そしてそれが実は! っていう感じの展開みたい。むしろこれは、こうこない方がおかしいだろうというくらいに望まれる展開をなぞって、はたして次回以降の展開はどうなるんだろう。楽しみにしたいと思います。
『少女素数』は伯父さんのうち? 兄さん、富士夫とあんずは伯父の家に、お母さんとすみれは祖父の家に、それぞれ別れて帰省しているみたいです。描かれるのはお祭り、縁日。はしゃぐあんず。対してすみれはアンニュイな空気ただよわせて、変わりゆく年頃の、変化とそれに戸惑いとどまりたいと思う、そうした気持ちがまざりあいながら、それでもとめられないものがあるのだとしたら、それこそがこの漫画に描かれようとしているものなのだろうなと思ったりしました。
『途思春』、ゲストです。念願の東京ひとり暮らし。まさにこれから青春を謳歌するぞと意気込むヒロイン、霞のもとに仙人(見習い)がやってきた。猫から仙人になって、人を知っていこうとする娘娘とともに、青春ってなんだろう、手探りで探していこうというような話は、なんだか読むうちに心のやわらぐような感触があって、これはいいな、好きだなと思ったのでした。これは読み切りみたいですが、続けられる要素は残してあると思う。だから、人気が出て、続いたりしたら嬉しいななどと思っています。
『純真ミラクル100%』は、なんだかやっぱり不穏な空気たちこめて、あの本社から送り込まれたエージェント、じゃないか、けど彼女の感情や感傷を嫉妬が上書きしてしまうようなところ、怖いな、いやな感じだなって思わせて、とてもいいと思います。とりあえずの感想は、こういう友達は極力持たないに限るなと。もしこの人の恋が成就することがあったとしても、きっと蜜月は短いぜ? 恋してるうちはいいけれど、それが付き合う、ましてや結婚などとなったら、不和、不信、猜疑心もろもろ次第に膨らんで、会うことさえ苦痛と感じさせるようになる。そんな女性だと思います。
『空色スクエア。』、深雪が追い込まれたかのようなラスト。うわあ、ちょっといやだ。と思うのは、私が深雪好きだからなんだろうなと思います。とりあえずこれまで読んできて、深雪と文香だったら深雪だろうと。なのにふたりの間であいまいな振舞い続ける主人公に、よし、ゆりあ、よくいった! お前全面的に支持する。といった展開でありました。けど、ちょっとしゃべりすぎな感じがしないでもありません。
『暴君!日下部ゆう』、ええと、ゲストなのかな? 読み切り? 唐突なジャンケン。負けたら下僕にされてしまいました。って、最近のジャンケンは負けたらご褒美もらえるの? 冗談はさておき、可愛い女の子になぜか下僕として使われるようになってしまって、なんとかこの状況を打破したい。しかしその条件、一発入れたら開放というのが難しい。と思っていたら、第三者の介入で状況は変わって、しかしそれで新たな局面に! ベタといえばベタと思う、そんな漫画だけど、私は結構好きかも知れません。ツンデレってのがはやってましたが、その亜種みたいにとらえてもいいのでしょうかね。この、意識しちゃってる状態の日下部さんは可愛いな、素直にそう思います。
- 『まんがタイムきららフォワード』第3巻第11号(2009年11月号)
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