2009年9月27日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2009年11月号

『まんがタイムオリジナル』、発売されてます。2009年11月号。本来の発売日である27日が日曜とかちあったために、今月は一日前倒しで出たのでありました。さて、今月の表紙はフライトアテンダントの制服着込んだ山下。これは、旅? 外国? そういえば、サファリってスワヒリ語で旅という意味なんですってね。『アサヒ! — 動物園に行こう』の太郎とサファリルックのあさひ。よいですね。いい感じに似合っています。けど、ライオンに乗ってサファリというのは豪気です。なかなか普通では体験できない、まさに太郎ならではのサファリであろうかと思いました。

ラディカル・ホスピタル』、ちょっと切ないお話。病院で亡くなった方の慰霊。普段は意識されないけれど、病院を描いた漫画である以上、こうしたこともあるのですよと告げるがようで、医師、看護師だけでなく、病院に働くスタッフが、ひとりひとりその人なりの向き合い方を考えているというのがなかなかに切ないものがあります。そして最後の四コマの、せめて全力を尽くして仕事しないととの言葉。重みがあります。自分ははたして、そういえる生き方をしているか。ちょっと反省したりなぞもして。

『明日もひまわり荘!』、連載開始です。巨大かぼちゃ、ハロウィーンでファラオの眠る棺のお飾り。こうした遊びはなんだかとてもよいなと感じて、しかしふたつ並んだファラオランタンは味があっていいなあ。こういう意匠、大好きです。

L16』は、やっぱりユキちゃんが素晴しい。奈々香に思いを寄せる彼をサポート? けれどそれで親密に!? かと思えばちっともそんなところないっていうところ。でも、こうして恋愛相談にのったのがきっかけになって付き合いはじめるっていうのは、実際にもあることらしいですね。私の身にはありませんでしたが。奈々香は姉との関係に充足し、かくしてユキちゃんと千本君との関係を勘違いして、でももしこのふたりがくっつくことになってもそれはそれでよさそう。うろたえるユキちゃん、猫かわいがりながらくつろぐユキちゃん、どちらも素敵だった。しかし、このふたりが付き合うとなると、ユキちゃんが支配的になるんだろうなあ。理想的な状況じゃん、なんて思ってしまいます。

『マチルダ! — 異文化交流記』、徹底的にあやしいマチルダ。毒舌、そしてシニカル。こういうキャラクターは嫌いじゃない。ちょっと付き合いにくいかも知れない、けれどそんなマチルダに親しみの感じられることがあれば、きっとよいだろう。そう思いながら、この序盤を読んでいます。今のところ、わりと悪くないなって感じ。好きになれるかもと期待しています。

『時間がない!』、変な社長が増えた! しかし、由良さんは社長と仲いいのですね。さて、その社長は由良さんとの関係を探るべく松下に接触して、墓穴を掘りまくる松下は素晴しいな。押しが強いのか弱いのかわからん社長もなんだかキュートだしで、味のあるいいキャラクターになりそうだなあ。今後、中身が明らかになる日もくるのかも知れないけれど、今はこの謎のままがいい感じです。俺 感動して号泣したとか、なんかすごくナンセンスというか、言葉が重いのか軽いのか全然わからんところがよいです。

アナログでも検索ボタン。確かに欲しい! いえいえ、『あかるい夫婦計画』の話です。私の暮らしはもの一杯の暮らしだから、まれに探しものが見付からないことがよくあって、そんな時は検索ボタンが欲しいと切実に思います。デジタルのものは、なくなったりはあんまりしないんですけど、でも気付いていないだけで、検索不能でないことになってるデータとかあるんでしょうね。怖ろしいことです。

開運貴婦人マダム・パープル』の別のイミが隠されてましたは、似たようなこといった覚えがあるぞ……。実際にこのへんの言い訳はポピュラーなものかと思います。だって、わからんものはわからんのだもの。ちょっと懐かしい思い出。もし職を失うことがあったら、最悪占い師復帰と思ってるけど、ブランク長いからもう無理かもなあ。ええ、マダムのようにはいかないものなんですよ。

『おかまん研』。学校に潜伏しての原稿作業。ぎりぎりにならないとはかどらないというのは、実際私にも身に覚えのある話。で、脱落しそうな仲間を思い切ったやり口でサポート。間に合わんよりいいやろというその合理的な解決のしかた、なんだかいいですね。目的を遂げるためには、あの手この手を尽くすという、そういう性格がいい感じに発揮されて、楽しさもなかなかのものでした。この漫画、結構好きです。

そこぬけRPG』。女装ゲボキュー、大絶賛ですね。このネタはこの後も続いていくのか。続くのならきっと面白い。でも、女の子企画が自然に収束し、普通の状況に回収されたように、女装も普段どおりにまぎれていくのでしょうね。しかしこの漫画のゲーム会社は、おちゃらけているようで、CMの話など、シビアな話はそれなりに混ぜ込まれて、こうした硬軟のバランスがとれたところがいいのだろうなと改めて思わされます。ところで、男色タイツって名言だなあ。ちょっと惚れ惚れします。

『ひよりすと』。お姉ちゃん、風邪で倒れる。しかし、役にたたん弟と妹じゃな。そう思っていたら、ちゃんとふたりともに最低限のことはできるのね。で、ふたりともお姉ちゃんが大好きなのか。この弟妹に関しては、妹の方が問題ありのような気がします。弟は、なぜか駄目な人というポジションに追いやられがちだけれど、これってなんかそういうエピソードでも隠されてるのかな。ちょっと気になります。

『(仮)アイドル!』、触れずにはおられなかった。往年のアイドル、白井さくら。これ、どう考えても社長! どう考えても社長! いつか明かされることになるんだろうなあ。その時にがっかりするのかどうなのか。それがちょっと楽しみです。

『十三番館EX系男子』、女性向けギャグ系同人誌の雰囲気ってこんなですよね。って、一概にはいえないとは思うのですけど、でもこうした印象が私にはあって、友人の買った同人誌読ませてもらって、だんだんに慣れてきたけれど、最初はちょっと馴染めなかったなあって思い出します。でも、触れているうちにだんだんと楽しみ方もわかってくる。この漫画にしても、だからいずれは楽しみを見付けていくことでしょう。今回は、チュパカブラが……。こんなのがうろついてる庭っていやだなあ。

『恋は地獄車』、後藤さんの発言、なんだか至極うなづけるんだけど、こうして客観的に見てみれば、こういうこといってる男って面倒くさそうで、もてるわけないよね。ええ、私は口を噤んでおきたいと思います。さて後藤さん、面倒くさいといいながら、その面倒くさそうな女にひかれてしまっているというのが、ラブ・イズ・ミステリーってやつだと思います。しかしミステリーといえば、この不幸体質の女、万里子がなんだかいい女に見えてきてしまって、後藤ビジョンがそうなら、ヒモの彼といっしょにいるところなんかも。それから、10年前の姉は最高だと思う。こういう人はいい相手に巡り会えたらよいのかも知れないけれど、でもいい相手では駄目なんだろうなあ。なんという因果なんだろう。

因果といえば、高橋君、彼がちょっと可愛かった。ちょっと好きになってしまいそうです。こういう嬉しさ、それが積み上がっていけば、高橋君は更生できそうな気がします。いや、どうだろ。無理かもなあ。

『SPさん』。その弾の痕は、どう考えてもアウトでしょう。いや、下にチョッキかなんか着てたのか? いや、チョッキは上に着るだろう。アウトです。ウニが降ってきました、橋作って下さい、こういうSPさんの素直というか物知らずだったり子供っぽかったりするところ、それが面白くて好きです。

『花咲だより』、卓球台が自宅にあるというの、ああ、そうだ、温泉旅館の子たちだっけか。このあたりはうまいなと。それで、ハンデ戦、そのハンデのつけかたも味があって、ええ、私なんかはハンデ一直線ですな。反則まじえて勝ちをとりにいく姉の根性、その執念はこの姉らしくて、とてもよかったです。そして湿布。普段運動不足だと、どうしても翌日大変なことになりますよね。私もこの連休で思い知りました。

『アトリエZOOへようこそ!』、うまく前回前々回を拾って、いい感じの流れにはいっていったと思います。長崎までやってきた担当編集者。てか、長崎だったのか。担当氏はアンケートの結果を伝えにきたのだけれど、それが前回前々回からの続きになっていて、このあまりに当たり前の帰結に、ギャグだけど過去が毎回清算されるわけではないというこの漫画の現実がわかって面白かったです。しかし、今回はヒロインの先生、扉もそうだったけど、途中途中でもやたらめったら可愛かったな。いや、眼鏡だからじゃないよ? 実際、扉は裸眼ですから。で、締め切り一ヶ月早くしてましたっていうの、それ、一週間? 月刊誌なら、ここで一ヶ月ってあるの? わかんないけど、まあ別にこの落ちのいわんとするところは充分伝えられてると思うから、私は気にしません。

『今日から寺バイト』。通信教育講座で必要書類を入れ忘れたがために、余計に一年受講することになってしまった私です。二年目、スクーリング以外やることないっちゅうねん。なのに受講料は全額払わんといかんから、もう最悪やった。というのはさて置いても、見直しは重要です。私、結構不備が多いので……。ところで、講座のテキストですけど、聖典とか勤行集、お寺にないの? 買うにしても夫婦で一冊とかあかんの? あかんのかもなあ。ところで「きんぎょうしゅう」? 「ごんぎょう」と思ってたのだけど、宗派によって違ったりするのかな。ちょっとこの漫画読んでると、大学の時の先輩、住職してた人なんですけど、思い出してなつかしいです。後輩にもお寺の娘、いたっけ。あの子もこういう勉強してたりしたのかなあ。いろいろ懐かしいです。

『ムスコン!』、最終回です。おおう、ちょっと残念。母に対してクールなあっくん。彼のクールであれないという、そうした面が見えたのはちょっと新鮮でよかったです。この母子の、決してべたべたしあってるわけじゃない、けれどなんだかすごく親密なところ、息子からしたらありにくいことかも知れないって思うのだけれど、でもこのふたりに関してはこういうのとてもよかったと思います。

『超訳星の王女さま』。おお、『星の王子さま』っぽい話が出てきた。うわばみが、象ならぬ取り立てふたり組みを呑んだという。で、この話をうまく繋いで、そのときどきの展開に見える、姉妹の周囲の人々の描かれ方。それがよいと思います。

『花の委員長』、花と委員長の関係がよい漫画です。いつもさわがしく、委員長にちょっかいを出している、そんな花に委員長からの逆襲だ。一撃食らわされて、おしおきうけてもめげない花のキャラクターがいいと思います。私の好みは、肘撃を決める委員長なんですが。

『先生のたまご』、この漫画、好きです。高校の修学旅行がドイツ。それは、セレブでなければバブルかい? 海外修学旅行とかものすごいなあ。で、京都。グループ行動ってのは、バス使ったりするの? 最近はタクシーを一日借りて、ガイドまでしてもらうとかいうのも多いらしいですね。時期になると、タクシーの運転手さんにつれられた学生を見たり、あとは市バスの停留所の多さに混乱している学生を見たり、ああシーズンだなって思ったものでした。いや、京都市内のバスは本当に魑魅魍魎なんですよ。同じ名前のバス停があちこちにあったりするんだわ。もう、大変。おおっと、漫画本編に戻ります。

この先生たちの修学旅行。なんか楽しそうで、でもそれはこの先生たちのキャラクターだな。美人ふたりがなんかとんでもない。ひとり真面目かと思ったらたよりない。でも、仲良さそうで、楽しそう。保取先生のセミロング? チェックのタイトスカート、すごくフェミニンで可愛くて、ああいうスタイルいいですね。化野先生のすっきりとしたパンツスーツも、仕事着としての機能性を持って、そこにワンポイントのネックレスが光って、こういうのもいいですね。てな具合に、見て楽しいというのもとてもいいと思います。

以上。今月はえらいゲストが多くって、ゲストにはできればコメントしたいから、ちょっと大変でした。いや義務感ではやってない。ゲストは好きになれる明日の誌面を作る漫画であるのだから、わくわくさせるものがありますし、それに私の漫画を受容する幅を広げてくれるものであるとも思っています。そう考えると、結構理想的な状況なのかもなって思ったりします。ええ、今のゲスト陣。好きになれそうなもの、好きなもの、多いと思っています。

  • 『まんがタイムオリジナル』第28巻第11号(2009年11月号)

引用

  • ひらのあゆ「ラディカル・ホスピタル」,『まんがタイムオリジナル』第28巻第11号(2009年11月号),8頁。
  • 王嶋環「時間がない!」,同前,44頁。
  • 安堂友子「開運貴婦人マダム・パープル」,同前,55頁。

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