『まんがタイムきららキャラット』、2009年11月号が発売中です。表紙は『GA — 芸術科アートデザインクラス』、いつもとは違った色調、違った雰囲気。暖色系、色温度が低いといったらいいでしょうか、秋らしいやわらかな光の加減が全体を統一していて、それでいて影などには青みがかかっているという、ちょっと不思議な色彩です。これ、写真が意識されてるのかなあ。写っているのは如月と野田ミキなのですが、このふたりもいつもとはちょっと違った雰囲気でして、服装が違います。髪型も違います。このいつもとはちょっと違うということが新鮮さを持って印象を深めているように思います。
『GA — 芸術科アートデザインクラス』本編においても、いつもとちょっと違うというのが継続されていまして、テーマはクロッキー。ただし仮装ありという不思議な条件つき。なんで仮装する必要があるのか、ちゃんと理由はあるのですが、当座それはあかされず、それよりも、みながどんな扮装をしたのかのほうに興味津々といったところです。姫あり魔女あり騎士あり、ぬううッ、忍者あり。もちろん野球のユニフォームとか普通の衣装もあるのですが、メインキャラこそきわものを好んで、最初は一番まともだった如月のセーラー服、これが上位クラスにチェンジしちゃったものだから、野田ミキのチアがいちばん普通になってしまいました。もう、この混沌、実にいいです。
こうしたカオティックな状況に持ち込んでおきながらも、美術の授業は大過なく進行していって、しかしこんなにも楽しい授業なら、参加してみたいものだと思ってしまうのも人の情であります。あのロボット着ぐるみとか、すごく味わい深い。それに、吉川さんのシスター? 聖母? とてもいい。ピエタの聖母みたいですよね。ああいうの好きなんです。
なんか衣装についてばっかり書いてしまってますね。なので、そのついででいっちゃいますが、野田ちゃんはフィギュアにしちゃう人とかでるんじゃないかなあ、なんて思ったのだけど、それはどちらかというと予想ではなく期待ですね。シンプルなポーズけれど魅力的。あれはとてもいいと思います。
『もこもこBOX』、ゲストの2回目。今回はみんなでお好み焼きを作るのですが、やっぱりシンプル、やっぱり可愛く楽しい。あの、ひっくり返すの、信用してないっていうところの描き方。擬音で進行する、そのナンセンスなテイスト、けれどその向こうにあるだろう疑惑、そのアンバランスがすごく面白かったんです。基本的には可愛い漫画。けど、たまに可愛いだけではないところがちらりと見える。それがよいのかなって思っています。
『ひだまりスケッチ』、私はUFOキャッチャーがものすごく苦手です。はじめてやった時のこと、忘れもしませんね。ボタンをずっと押していないといけないって知らなかったから、カチッて押して、カチッと終わりました。もー! だから、こういう人形を取ってと頼まれて取ってあげられる人ってかっこいいと思います。ええ、乃莉ちゃん、かっこいいなあ。頼れるって感じです。
『うらバン!』。最近わかったことですが、うちの近所にFiat 500のオーナーが住んでます。たまに見るんですよ。で、見かけるその度につつじ先生のこと思い出して、そして今回の『うらバン!』はFiat 500が主役といっていい、そんな話であります。車のメンテナンス。けれど、どちらかといえば壊してるって感じになってしまっていて、つくづく旧車って大変な趣味だなと思いましたよ。水が駄目。だから雨の日には乗らない、って、えーっ、そんなー。錆が出る、傷んでしまう、それをなんとかうまくやりくりして長く乗ろうというのが旧車ファンってやつなのでしょう。それはつまり、私にゃ無理ってこと。黒目先生はすごいと感心します。ところで黒目先生ってお嬢なのか? なのかもなあ。
ところで、昔の黒目先生、あれは素晴しいな。もちろん今も素晴しいのだけれども、昔の先生には今とは違う魅力があって、それでサクソフォンプレイヤー。最高です。けど、サックスがちょっと不思議な感じになってて、いや、別にいいです。それがサックスってわかれば充分です。
『ぽっとらっく』、ゲストの第1回目。これは、女の子の下宿ものみたいですね。雑貨屋? も営んでる漫画家のお家に、ばたばたと下宿することが決まった女の子三人。彼女らのにぎやかな生活を描こうという漫画であろうかと思われて、なかなかによい感触です。今回は第1回ということもあって、キャラクター紹介といったところ。これでどういう展開があるのか、それが楽しみです。
『ラッキー・ブレイク』。これは新連載です。芸術大学でデザインを学んでいる女の子がヒロイン。けど、いきなり退学。切ない。これ、冗談じゃなく切ない。不況とか災害とかがあると、退学せざるをえなくなる人が増えるのって本当なんですよね。学ぶ意思があっても、それが叶わないっていう。それは、本当に切ないことだと思います。でも、バイト先での出会いが縁になって、就職することとなって、こうしたところはちょっと救われるような気がします。で、どういう仕事なんだろう。ということも含めて、これからの展開に期待が高まります。
『Aチャンネル』、いきなり縛られているトオル。るんちゃんは相変わらず酷いな……。で、とばっちりをうけるのはユー子なのか。この漫画は、なんだか危うい、そんな感じを持っているのだけど、決定的に危険な話にはならず。微妙にいけない感じを演出しながらも、安定して着地を見せる。そうしたところがよい感じみたいですよ。ところで、るんちゃんのあの怖ろしげな人形ですが、あの正体がどうもわかったっぽいです。そうか、そうだったんか。それはちょっとわからん……。
『ラジオでGO!』はお見合いの話。誰が? 相沢Dが。しかし、お見合い話に右往左往して見せる風見Pですが、この人、これで回りから気付かれてないのんか? 少なくとも相沢はそろそろ気付いてもいいころだと思うけど、というか、とっくに気付いててもいいくらいだと思うのだけれども、そうならないのは、気付かないふりされてるのか!? そうだったらなんだか不憫ですが、でもできれば風見さんの恋はむくわれて欲しいな、なんて思っています。
『アイノテ』、ゲストです。ネガティブな女の子がヒロイン。田舎の学校に転校してきて、そこで出会ったやたら積極的な女の子に感化されて、だんだんにアクティブになったりするのかな? 絵が綺麗。特にカラーが綺麗。それで話はのんびりです。
『デジらぶ』、再登場ゲスト。前回の掲載は、2009年9月号ですね。夜の学校に忍び込んだら、凶悪妖怪が — 、じゃなくて、恋愛シミュレーションゲームを作ろうとしている女の子たちの話でありました。ポテトチップスを箸で食べる女の子が出てくるのですが、キーボードを汚さないためなんだそうです。ええ、私もこうしたの食べるときは大抵箸ですね。多分、マニアやオタクの類いには、スナック菓子を箸で食べる人、多いんじゃないかと思うんです。で、この人の使っている端末が、あ、ポメラかな、と思ったらどうもそうらしい。こういう小物を見せられると反応してしまうのは、なんだか私の習性みたいですよ。
『空の下屋根の中』は、バイト頑張ってるなあと思ったら、今度は就職だ。で、要領悪いこの子は、またなんか極端な選択をしそうで、なんか心配になってしまいますね。しかし、今の勤め先が過ごしやすいからといって、ずるずると働き続けるのも危険かも知れません。就職ってことを考えるとですけどね。だから、こうやって踏ん切りをつける必要っていうのもあるのかも知れませんね。順序というのもあろうかと思いますけど。
『帝立第13軍学校歩兵科異常アリ!?』、これが最終回。ちょっと突然と感じますが、だって、細々っていったらいいのかな、少しずつ話が進んでいくものだと思っていたものですから。だって、いろいろ仕組まれた策謀みたいのが見えたりしてたじゃないですか。しかし、それがこうして終わって、なんだか煮え切らないって感じもしますけれど、わけのわからないところでうやむやで終わってしまうようなことを考えれば、こうしてひとつの決着めいたものが着いたということで、よいといってもいいのかな、とも思えてきます。ちょっと残念。いろいろ事情はあったのだろうと思いますが、当初からのこの漫画の雰囲気、好きだったものですから、みながもっと活躍してくれたら嬉しかった、なんて思ってしまうんですね。
『のんびりマスタリー』。ゲストです。今回はケーキの話。ベタな展開といえばそのとおりなんだけれど、まもる君に甘えているのかよっかかっているのか、そんなのどかの雰囲気がそのあたりのもろもろを帳消しにしちゃってるような気がします。ケーキが崩れてしまってもおいしく食べられる。ちょっと崩れちゃってるくらいの方が、気楽に付き合えるようにも思えます。そんな感じ。気をはらずに読んで楽しい、そんな漫画が『のんびりマスタリー』かと思います。
- 『まんがタイムきららキャラット』第5巻第11号(2009年11月号)
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