2009年7月29日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2009年9月号

芳文社はやる気なのかも知れない。そんなことを思った昨日の朝。出勤前に『まんがタイムきららキャラット』を買うべく、駅前のコンビニにいくと、おおう、『キャラット』の入荷数、堂々の十冊です。どーんと積まれた『キャラット』を見て、しかしこれ全部売れるのか? そんな疑問も出たものの、でも多分売れるんだろうなあ。なんせ、今号には『けいおん!』の番外編が載ってるものな。それに『GA』も。実際、このあいだのアニメ『GA』、面白かった。最初は度肝抜かれたハイデンシティ、私がそれに慣れたのか、あるいは手加減してくれるようになったのか、まあ後者でしょうね、見やすい、それに楽しかった。ええ、ぐーっという感じで人気があがってくれればいいなと思います。

GA — 芸術科アートデザインクラス』は、ちょっと教室を離れて、キョージュのプライベートに接近するという話。あの、なにに対しても達観しているように見えてしまうあの人が、実はそうでもない。彼女には彼女の不安や迷いがあるのだ、そんなことを伺わせて、そして如月の彼女を読み解こうとする、そんなところ。個性の違うふたりが、おだやかに近付いて、心の一部を溶かしあうような、そんなところがよかったです。

うらバン!』、びっくりした、もうコンクールなんだ! いや、たしかに、今を逃がせば、もう時期はずれになってしまうネタでしょう。吹奏楽部にとって、一年で一番重要なイベント。それが吹奏楽コンクールですが、しかしそれを一回で一気に描ききって、大きな会場での演奏、そして拍手、なんかね、じんとくるね。彼女らの胸に去来したものはなにか、それを思うと、もう胸がうずくようですよ。しかしこのコンクールで、彼女らに欠けているものがなにであるかが、いよいよはっきりしたわけだけれど……、って、誰もが気付いてることやん、っていっちゃなんだけれど、でも足りないものはあっても、音楽に取り組んでる彼女らは眩しい、そう思います。

ところでさ、「突撃!隣のロングトーン」ですが、ああいう現場は存在します! ぎゃーっ! 私には耐えられない。

CIRCLEさーくる』は、順調に後輩たちに代替りしていってるなっていうのが感じられて、しかしこの世代交代は成功だと思います。基本保守的で変化を好まない私が、違和感をほとんど感じず、自然に読んでいる。後輩たちに混ざって、一緒に遊んでいる、そんな話がなかなかによかったです。

とらぶるクリック!!』、最終回を目前にして、廃部の危機、それに打てる手はないか、奔走する部員たちという流れは、実に王道だけど、けどそれだけにぐっときました。台詞もなく絵で語られる、そうしたシーンに、彼女らひとりひとりの思いが見えるようで、ええ、とてもよい話だったと思います。

ひだまりスケッチ』は吉野屋先生の秘密が! とはいうけれど、わりと普通でありました。なんか劇中ではエキセントリック振りまいて、なんだか酷いいわれようだったりもするのだけれど、でも実は真面目でいい先生だと思う。そんな話でした。

『Aチャンネル』、のっけからネガティブ全開のトオル。なんて可愛いんだろう。と思ったら、一部のマニアといわれてしまいました。実際、四人の立ち絵、トオルだけ手足がものすごく細くって、いやあ、こういう細さは素敵ですよ。って、偏った意見はおいといて、次のページについてもおいといて、かき氷のところは面白かった。そんなにショックだったのか。でも、なんか気持ちわからんでもないです。

『けいおん!』、前髪あげた紬は誰かに似ている。誰だろう。ちょっと思い出せない。もやもや。しかし、今回も面白かった。ゲーセンから駄菓子屋への流れ、コマごとにあらわれる表情が豊かで大変によかった。そして、ファーストフード店での対話も、あの趣味に対する誤解とか、SP怖れるところとか、なんか距離は以前からも近かったんだけれども、質が変わりつつあるとでもいったらいいのか、その少しずつ関係の深まっていくというところ、よいなと思ったのでした。ところで、紬のいう、りっちゃんが男の子だったらという話、前から思ってたんだけど、律ファンは女性の方が多いんじゃないかなあって。実際、こうしたさばさばとして、そして面倒見がよかったりする人って、魅力的だと思うんだ。そして、今度は澪が嫉妬する番。仲良き事は美しき哉。この、性格の違うふたりの仲のよいところ、君は君 我は我也 されど仲良きって感じで、やっぱりいいなと思うのでした。

『せいなるめぐみ』、やっぱり、この展開は面白い。寡黙でおしとやかな美少女が、内心においては実に毒舌! いいですね、これはとてもいい。冒頭では、この内心が漏れ出していたけれど、実際、本編でこの内面があらわになることってあるんでしょうか。なるにせよ、ならないにせよ、いい感じのキャラクターであると思います。ところで、みっちゃんは聖のことが好きなのか? 趣味が悪いとかいったら駄目ですか?

『デジらぶ』、ゲストであります。この後、凶悪妖怪たちが出てきて、何ヶ月も肝試しが続くんじゃないかと思ったのは内緒です。部活でゲームを作る、その素材を作るために夜の校舎に入った、それだけかなと思ったら、最後に二段でたたみかける展開。あれはよかった。よくある話と見せ掛けて、それだけではすませないという工夫、すごくよかったと思います。

『ねこみみぴんぐす』は、じいさんがいい味だしていて、なんかすごい悪辣そうな雰囲気だけど、いや、でもやっぱり親切なじいさんじゃないかっていう、面白かった。そして、ばあさんも。メインキャラクターだけでなく、この回のみだろうゲストキャラクターにもいい味を持たせて、こういうの、すごく好きな感じです。

『かんぱけ』、方言の話。この、イントネーションの問題は、本当に難しい。なんぼやっても身につかない、って、なんぼとかいってますよ。もちろん、こういう話すことのプロを目指す人は、標準のアクセント、イントネーションを身につけるわけですが、本当に大変なことだと思う。その大変さに直面した静の焦ったり弱ったりの表情は魅力的で、そう思っていたら、彼女の小さい頃あった色々。ああ。ああ。私は間接にしか関わらなかったことだけれど、多かれ少なかれ、あのできごとは影を落としている。私でさえそうなら、直接に関わった人であればどれほどだろう。もしその経験を笑って話せるようになったのだったら、それはよかったのだと思う。作者は、関西の人なのでしょうか。なんか、思いもしなかったことが描かれて、より一層、この漫画のキャラクターが近しく感じられるようになったと感じます。

空の下屋根の中』、お父さんは単身赴任だったのか。ただ、描かれてないだけかと思っていました。しかし、あのクロスワードで一日を終えるお母さんと、異様に口下手なお父さん。ああ、かなえは確かにこのふたりの娘なのだなっていう気持ちを強くする話でした。しかし、そんな最後に投げ掛けられる問、あれはシビアで、それに答えられる人はいない、そのように思います。すべての人が抱えている問なのだと思います。

『アクアリウム』は、思ったよりも水槽がしっかりと出てくる、そんな話にびっくり。わお、水槽話でちゃんと展開できるだけの素地があるんだったら、そいつをがっつりやって欲しい。そんなことを思ったりして、しかし、よしあき。なんだか妙ななれなれしさとデリカシーのなさを発揮して、ゆうちゃんよ、とりあえず一発殴っとくといいよ。

うらがアルっ!』、最終回。ちょっと寂しいけれど、でもものごとに終わりがあるのはしかたがない。成長しようと背伸びする女の子の話だったけれど、彼女は確かに成長したんだと思う、けれど変わらないところもあって、そうしたとろに安心しつつ、これからの、語られないりあのんの活躍を思うのでした。

アットホーム・ロマンス』は、竜太朗と姉の関係にひとつの区切りがつけられて、それはひとつの別れであるのだけれど、けれどただの別れではなかったと、そのように感じて、これまでは近くにあって、常にその存在を確認しないではおられなかった。しかしこれからは、いや、今はもう、遠くに離れようとも揺らぐことはないのだという、そういう心の強さ、大きな愛を持つにいたったのだなと、そのように感じて、ああ、本当にこれは人の成長を描いた漫画であったのだなと思ったのでした。行ってらっしゃいに、行ってきますと答える。それは、帰ることのできる場所を用意しているよ、そういう思いがいわせた言葉なんだろうか。あなたの場所は、私の中にいつまでもあるのだから、安心して頑張ってきてください。そうしたメッセージが見開き一杯に広がって、あれは、あれは — 、なんだか言葉にならないです。よかった、そういえばいいのかも知れないけれど、それではこの広がった感情が小さく箱詰めされてしまうように感じるから、私はなにもいえない。けれど、それでは伝わらない。あの場面で私の感じたことは、きっとこんなだったのだと思う。独り立ちする人たちの、孤独を怖れない強さ、変化を怖れない強さ、その強さの根本にあるもの、それらを思い、ふたりの凛々しさに震えたのだと思う。うん、確かに震えたのだと思う。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第5巻第9号(2009年9月号)

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