2009年7月10日金曜日

『まんがタイムきらら』2009年8月号

『まんがタイムきらら』8月号の続きであります。先月、一度力尽きてから、こうやって中断するのもありかなって思うようになってしまった。それははたしていいことなのかどうなのか。それは正直、どうだっていいことだと思っています。さて、昨日は『境界線上のリンボ』まで書きました。ということは、再開は『ネズ巫女ちゅー』から、ということになりますね。

『ネズ巫女ちゅー』は、あの狛ネズミのふたりに名前ありましたっけ? 眼鏡かけてない方の狛ネズミのですね、わーっと強気につっかかっていって、抵抗、反撃されそうになるととたんに弱気になるっていう様子がいいなあと。かまってほしい子供ってこんな感じじゃありませんか。無茶するくせに、結構あかんたれ。その落差が可愛いんだろうなと思うんです。

『PONG PONG PONG!』は、前回リコと祐太が師匠に会いにいった、その頃、真由と高坂先輩はなにをしていたのか? ってな感じに話が進んでいくのですが、真由、いい娘だなあ。ちゃんと反省して、謝ろうって決意して、けど祐太、いろいろと残念なやつですよ。けれど、その残念なところ、もうどうしようもねえなあこいつっていうところ。それがこの男のよさなんだと思います。懲りない男と、素直な娘と、食えない女。そこに頼りない神さま見習いが加わって、このでこぼこな関係が面白いと感じます。

うぃずりず』の、ひとつの典型的な構図がここにあって、爺さんと孫ってやつですが、このふたりの関係っていうのは、見ていてなんだかいいなあといつも思ってました。今回も、爺さんの誕生日を祝おうとするリズと、そして感極まりながら思うところある爺さん。あんまり悲しかったり、つらかったりするような展開にならないといいな、そんなこと思わせるふたりです。

『あしぇるで、りんっ!』。あしぇるは魔王少女らしい。人の心を操ったりするらしい。人の願いを叶えるといいながら、世界を滅ぼすなどともいっている、しかもそのどちらについてもよくわかっていないようだ。話の通じてるか通じてないのか、それがよくわからないっていうところが面白さの軸になるのかな。あしぇるの可愛さ、無邪気というかイノセントというか、そういうところに物騒な発言がついてまわる、そこが売りなんだろうというように感じてます。

『SweetHome』、完璧と思わせてそうではないという、実際、弟大好きで、けれどそうした内心を隠してクールに振る舞っている姉さんが素敵です。伊織の言葉を過大解釈して、スクール水着だって、なんかそれっぽい理由つけて肯定するっていう、なんだかすごい力技みせてくれる。そういうところなど、実にいいキャラクターだと思うんですね。冷静にみせているが、ちっともそんなことなっていうところ。その無理してる感じがよいんだと思います。

ダブルナイト』の冒頭の、『ぼくパイ』って略称。これ、先月、『ぼくバイ』じゃないのんかっていってましたが、『ぼくパイ』で正しいですね。『ぼくの生徒はヴァンパイア』、ぼくの生徒はヴァンパイア、だから、ぼくパイ。これ考えた人はすごいと思う。『ダブルナイト』は、ユキを意識しすぎて参ってしまった稲穂、かつてないほどにメロメロのフラフラになって、なんだかこういう表現がよいです。一段落ついたら、初期の凛々しい稲穂に戻るのか? 今後の紆余曲折も楽しみです。

『びすとろふぃーゆ!』、いい感じ。悪くないよ。引っ込み思案ヒロインと明るく元気すぎヒロインが、互いに足りない部分をうめあって、それでひとつの結果を出すってな展開。ベタといってくださるな。私、こういうの好きなんです。いい感じでした。なにがいいといっても、偶然から生まれた奇跡の配合! みたいに盛り上げながら、前からあるんだけど…、静かに訂正が入っている、そういうのがなんか、いいバランスと思えます。気に入りました。ちょっと好きな感じです。

『メロ3』、素敵すぎ。だいたいが私、かっちりした白ブラウスとか好きでして、地味な黒エプロンとか好きでして、もう、最高じゃんか、とか思ってたら、なんと可愛い制服を用意するみたいな話になって、ああ、それはやめて、地味がいいんです、だからそういうのやめて、と思ってページめくったら、うわー、もう、こりゃ、なんといったらいいの? 私が間違っておりました。あー、もー、可愛いなあ。胸なんて大きくなくていい、足なんて長くなくていい、そのままの君でいてっ! って感じですよ。

ところで、かっちりした服装が好きな私は、やっぱりポン太も気になって、こいつちょっといい男よね。妄想癖あったりするけれど、泣き言みたいなこという癖に、やけに真面目だし、やるべきことはきちんとやろうとするし、で、あんな爽やかな笑顔見せるし。ちきしょー、悔しいなあ。でも、ポン太はむくわれないようになっているから、なんか哀れで、けれど今回は木ノ子だけが得だったんですね。むくわれなかったのは残りの女子ふたりもそう、ってちょっとなんか珍しいな。いや、メインにならなかったヒロインはいつもこんな感じですね。だから、結構シビアなバランスなのかも知れません。

そしてMy Private D☆V。これはいいイラストレーション。描いた人は、『ふら・ふろ』のカネコマサル。うがったところのない、素直な可愛さが感じられる。本当、いい絵だと思います。

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第8号(2009年8月号)

引用

  • 天城七輝「びすとろふぃーゆ!」,『まんがタイムきらら』第7巻第8号(2009年8月号),173頁。

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