このあいだ、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの『雨を見たかい』を聴いて、CD買おうと思ったなんていってました。狙いはボックスセット。そうしたら、輸入盤CD2点買うと25%オフやってるじゃありませんか。おお、じゃあ、なんかついでに一枚買おう。なににしようかなあ。ジャズにしようかなあ。など、いろいろ考えて、せっかくアメリカのロックを買ったんだから、もう一枚もアメリカンロックにしよう。ということで、ジェファーソン・エアプレインのSurrealistic Pillowを選びました。ジェファーソン・エアプレイン好きなんですよ。以前よく聴いていたクラシカルロックの専門チャンネル、そこで耳に覚えたのですね。
Webラジオで聴いて覚えた曲、それはWhite Rabbitでした。ええと、ほら、映画『プラトーン』で流れてくる曲なんですが、オーディオコメンタリーによりますと、軍事アドバイザーのデイル・ダイがいってたんですけど、マリファナ派が好んで聴いたのがこの曲だったんだっていうんですね。もうひとつの派閥、アルコール派はカントリーを聴いてたんだそうですが、みんなで煙を吸ってラリってる、そんなシーンで流れる曲はジェファーソン・エアプレイン。あ、White Rabbitだ、いい曲だなあ、なんて思った私は、どうやらマリファナ派らしいってことがわかって、我ながら意外でしたよ。
ジェファーソン・エアプレインで知っていた曲は、White Rabbitと、それからSomebody to Love、このどちらもSurrealistic Pillowに収録されている曲です。前向きにどんどん進んでいくような、なんだか勇ましさ感じさせるようなSomebody to Love、対してWhite Rabbitはどことなく陰鬱で重苦しい雰囲気が支配している、そんな曲。どちらも、やけに力強い女性ボーカルが印象的で、ぐーっと気持ちを盛り上げてくれる前者、じわじわと盛り上げが精神を下支えしてくれるような後者、もうなんかすごいな、いい曲だなあ、と思って、ちょっと変わったバンド名も、それからやっぱり変わってるアルバム名も、しっかり覚えてしまったのでした。
しかし、こうしてアルバムで聴くのははじめてのことで、そうしたら意外とブルース色が強かったりして、あるいは妙にさわやかで健康的なのもあったりして、むしろWhite RabbitやSomebody to Loveは異色作なのかも知れないなんて印象がありまして、けれどそれでも当時の音楽としては、全編がシュールレアリスティックと感じられる曲だったのかも知れません。なんせ、四十年前のアルバムです。当時標準的に聴かれていた音楽ってどんなのかっていわれたら、さすがにピンときません。煙とともに酩酊をもたらすような、そんな印象を与える、陶酔的な音楽、それが当時のジェファーソン・エアプレインなのかも知れません。それとも、多彩な表現、音楽性がひとつのアルバムに詰め込まれている。明るい曲あれば、なんだかすごく陰鬱な曲もある、その感情のアップダウンが、シュールレアリスティックやサイケデリックといった印象に一役買ったのかも知れません。
今聴いても、力のあるアルバムであると思います。たしかにちょっと古めの音楽、でも今にも通じてくるものがあるなと思う。しみじみとしみる曲あり、そして高揚させる、そんな曲あり。私はマリファナなんて吸いたいとも思わないけれど、このアルバムは何度でも聴きたいな、そんな風に思います。
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