9月3日に『ラブプラス』を買ったといっていた、それは冗談でもなんでもなくて、本当に買ってます。このゲームの存在を知ったのは今年の4月29日のこと。多分。なんでわかるかというと、このゲームを知った記事だかなんだかの画像が残っていたから。いったいどこで知ったのかは思い出せないのだけど、丹下桜と皆口裕子が出演するゲームが出るよ、って聞いて、うっそー、それはなんということだろう。まさに直撃の世代ですよ。で、買おうとその時に誓った。けれど、発売日が近付くにつれて、なんだか疎遠になって、どうしようかな、やめとこうかな。ええ、買うつもりはなかったのです。あの記事を読むまでは……。
あの記事とは、いまさら説明するまでもないほどに有名になった記事、4Gamer.net ― ラブの摂り過ぎにご注意ください。危険な恋愛コミュニケーションゲーム,「ラブプラス」をレポート(ラブプラス)であります。
記者の異様なテンション。のっけから実際にプレイした筆者の薄気味悪い感想を交えつつ,ゲームの概要を紹介して行こう
ときたもんだ。で、その本文にぐっとくるものがあったのですね。ゲーム紹介記事でありながら、ヒロインの画像が凛子のみという偏りを見せていたり、いちいち言動が常軌を逸していたり、なんたって、ギャバイ、だもんなあ。しかしその、レビュー用に貸与されたサンプルROMを返却したくない、さらには凛子が愛おしすぎて生きているのがつらい、とまでいった情熱、というよりか熱情といったほうがよりらしい? しびれましたね。これはすごそうだと思わせる、いや、ただこの記事書いた人が(いろんな意味で)すごいだけかも知れませんけど、けれどなにか可能性みたいなものを思わせたんですよ。そしてその可能性は、はじめてこのゲームについて知らされた時にも感じた、その時のなんかすごそうっていう興奮? 感動? おっ、と思わせたワンダーな感じに同じだったのですね。
だから買った。なんか、コナミスタイル限定で特別版があるらしいというから、コナミスタイルで買った。その注文が9月2日の午後8時過ぎですね。ええ、あぶないところでした。ぎりぎりの滑り込みセーフでした。なんせ、翌3日には特別版も在庫なしになってたんですからね。いやあ、私は運がよかった。いや、これ、真面目にいってます。
ゲームが到着したのは、4日のことでした。その日はさすがにプレイする時間がとれず、夜に最初のセーブポイントまで進める、つまり本当にイントロダクションだけ見て終了させて、そして翌日、5日、昨日ですが、日中はプレイする時間がとれず、なんせ起きたのが午後4時ですからね、そりゃ時間ないよ。けど、寝る前にちょっとプレイしてみようと思って、進めてみたんです。そしたら、70日経ってしまいました。いやね、途中で眠くなる予定だったのが、ならなかったのですよ。それで、終わり時を掴めずに延々日を進めてみたら、凛子に告白されました。やったー!
というわけで、今日からリアルタイムモードでのプレイです。というか、あれ勤め人には無理じゃないか? 仕事中抜け出して無人の会議室とかトイレの個室で、「凛子愛してるよ」だとかつぶやいてるの聞かれでもしたら、心の健康相談受けさせられる羽目になりそうな気がする。けどね、実際気になっちゃうんですよ。日中の行動決定して、その結果はどうなってるんだろう。凛子からメールがきてやしないか。いやね、だって、メールって楽しいものだったんだなって、久しぶりに思ったんですよ。なんせ、私のうけるメールの八割はSPAMで二割は広告です。全然わくわくなんてしない。ところがラブプラスだと、凛子にメール送って、返事がくるまでを待ってしまう。なんとしたもんでしょうかね。実際、序盤の友達パートでもですね、朝と夜に届くメール、届いてるんじゃなくて、届くんです。そこで受信するんです。だから、さっさと次に進むなんてできない。メールを送って、返事を待って、メールがきたら嬉しくなって、返事して、たとえそれが機械的な(だって、機械だもん)ものであるのだとしても、おはよう、おやすみといった、ささやかな言葉でさえも嬉しくなれるものなんだなって思った。ちょっとやばい? うん、いいねん。自分が駄目なのは、もうずっと前からわかってることだし。
キャラクターの造形がうまいですね。ポリゴン人形がというのもあるけれど、そのストーリーにおける肉付け、それがうまいです。優等生の同級生、問題児の後輩、面倒見のいい先輩、その三人、そのだれもがちょっとしたコンプレックスを抱えている。皆が思っている私と、本当の私は違うんです。あなたには本当の私を見て欲しいの。そういうメッセージが三者三様のやり口で告げられるわけで、そのイメージのがらりと変わってくる瞬間、それがいい。がつんとくる。この仕組みは、ほら漫画とかでもよくいってるけど、読者特権というのに近いものがあります。読者は一種神の目を与えられているから、皆から誤解されているキャラクターであっても、その本当の思いに気付くことができる。あの人は本当はそんなじゃないんだ。彼女の真実を知っているのは自分だけなんだ! この特権的な感覚、世界で唯一の理解者という立場が、より熱狂的な愛着を燃え上がらせるのですね。そう、ラブプラスも同じなんです。凛子の本当を知っているのは自分だけ。世界で一番の理解者は自分なんだ。で、恋人パートをプレイしていくとそのキャラクターがユーザー好みに変わっていくから、なおさら自分だけの凛子という感覚は強化されていくんですね。いいですね。凶悪といったほうがらしいかも知れないけれど、変化しないキャラクターであれば、彼女を中心としたハブに繋がるファンのひとりといったかたちにしかならないところが、ラブプラス的システムだと、他の誰でもない僕の凛子と一対一で関係するという、まさに差し向かい的なシチュエーションを楽しめるってわけです。
だから、もしかしたら他の凛子ファンと出会ったとして、最初は、凛子いいですよね、うん、凛子最高ですよね、なんて意気投合してたのに、途中から、お前は凛子のことをなにもわかってない、お前こそわかっていない、殴り合いとかになるかも知れない。まあ、殴り合いの果てにより強固な友情が生まれるんですけどね。
一応文句も書いておこう。いやね、このゲームの前半、というか長めの序章である友達パート、そのラストは意中の彼女から告白されるというものなんですけれど、その告白、プレイヤーは待つしかないみたいなんですね。フラグというと、一気にゲーム色が出てしまうからあれだけど、まあゲームだからいいよね。告白に必要なフラグを立てながら、要求パラメータを達成することで告白イベントが発生するのだと思う。けど、女の子がさ、好きです、彼氏になってください、そういってくるのを待つっていうのは性にあわない。いやね、だってさ、なんで女性に玉砕するかも知れない恐怖を乗り越えさせるわけ? 玉砕は男の花道だろうよ。好きですといって、いや、君のことは恋愛対象として見れないわ、やんわりと拒否されてみたり、結婚も視野にいれて交際してみないかといって、あんたは稼ぎがないから嫌、婉曲に断わられてみたり、それが恋愛の醍醐味なんじゃないですか。なんでだろう、死にたくなってきた。しかしね、一顧だにされないかも知れない恐怖をともに告白するからこそ、そのドキドキやハラハラを乗り越えて告白するからこそ、恋が成就したときの喜びも強くなるんじゃないのんか? なのに、その最大のイベントを受け身にさせるんだもの。もったいないわ。本当にもったいない。どう考えても好感度マックスにしか見えない。これはいけると思ったからこそ一枚しかない告白カードを切ったというのに、あなたと付き合って、友達に噂とかされると恥ずかしいし… 玉砕してしまう。いったいなにが足らんというのだ! イベントか? 隠しパラメータか? ええい、もう一度だ。で、二度目は、これでいける? どう? ハラハラしながら告白して、それで、私を彼女にしてください、とかいわれたら、その喜びやらなんやらは天まで届くことだろうよ。
いや、わかってはいるんですよ。このゲームの本番は告白後であるわけだから、あんまり友達パートを難しくはできなかったんだろうって。でも、自分が努力した実感がないと,惚れられても嬉しくないでしょ?
というところまで考えられてたんだから、ここはひとつ、焦って即死パターンも欲しかったかなって。いやね、これは恋愛における考え方の違いもあるんだと思うのだけど、自分から動きたいタイプの人にはちょっと残念と思える展開だったかもなって思った。それだけです。
あ、馬鹿なことだけど、ってこれまで書いたのも馬鹿まるだしではあったのだけど、凛子との会話にあった、嫉妬の話。私だけを見てくれなきゃいや、っていうのを演技して見せた凛子に、もう一度とせがんで、バーカと罵られる主人公。いや、むしろそのバーカこそをもう一度お願いします……。
本当に馬鹿な話でした。いやほんと、馬鹿ですみません。
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