『まんがタイムきららフォワード』2016年12月号、昨日の続きです。
『ゆるキャン△』。キャンプ場へと向かう道路が通行止め。迂回すればすごく遅くなってしまう! リンのピンチを眼鏡が救うんですね。そうか、この通行止め看板、置きっぱなしにされてるだけなのか。って、なにそれ、すごい罠! ともあれ、無事キャンプ場に辿り着いたリンが、暗いなか、ひとり風と格闘しながらテントを立てて、というか、これ、大惨事じゃん! ひとりキャンプだと助けがないから、こういうの大変になるんだなあ。景色を写真に撮って皆に送る。そして晩ご飯を作る。あ、これいいな、試してみたい。この豚まんっていうの、普通に冷凍食品のとかでいいのかな。これ、きっとおいしいと思います。景色をひとりじめする贅沢。おいしい食事の誘惑。そうしたものが誌面から溢れていて、そして電話でコミュニケーション。ああ、皆でキャンプにいかないか。グループキャンプだからグルキャンか。最初、乗り気でなかったリンが、斉藤とのやり取りでちょっとその気になる。そのやり取りの情景なんかもよくて、ひとりいるリンのシチュエーションがね、すごく印象的に描かれてるの。ほんと、この漫画、絵が、情景が語りますよ。
『なでしこドレミソラ』。私は三味線がやりたい! そう思ってね、楽器の価格調べてね、三味線の教室やってる知り合いに相談してね、やるんだったら私が教えるよって約束までしてもらってね、そのまま放ってしまってるのだよ! でも、この漫画見てると、ふたたび三味線やってみたい気持ちが盛り上がってきて、というのは、それだけこの漫画が、三味線の、邦楽の、音楽の魅力をばっちり伝えてきているからだって思うんですね。さて、和楽器同好会。メンバーが揃いましたよ。それでこれからなにをどうするのか。そういう話になりまして、というか、ならん方がおかしいわな。でも、それが見事に大雑把で行き当たりばったりでっていうね、ほんと、そのやり取りがおかしかった。しっかり者組とポンコツ組にわかれる部員。香乃はポンコツ組じゃありませんか!? 恵真さん! やりたいことはいっぱいある陽夜。そこから絞っていきましょう。それをね皆で話しあう様子が、だんだん寄せ集めからチームになっていくようでとてもよかったです。そして香乃と恵真、ふたりが箏の合奏して見せて、そこで香乃が主張する。ああ、このふたりの出会い。香乃にとって恵真との関係、それがどれだけ大切であるかが語られて、こうしてひとりひとりが、思い込みや決め付けでなく、それぞれのよさを互いに引き出していくのだとしたら、こんなに素敵な場はない。そう思わされたのですね。
『はるかなレシーブ』も面白いですね。あとひとりで部に昇格する。その最後のひとり、大城あかりを引き込むべく、はるかかなた組がチャレンジします。ひとりぼっちでお昼食べてるところに踏み込んでいって、寂しい? って、直球だ! その上、勝負を持ち掛けて、最初ははるかが申し出たんだけど、勝ち目がないと抗議された。で、かなたの挑発に乗ることになるんだけど、ねえ、絶対はるかと勝負してた方が勝ち目あったよねえ。初心者あかりの様子を見つつ、的確に対応していくかなたがすごい。アタック7球で一度でもコートにボールを入れられたら勝ちなんていう、あかりに有利と思える条件での勝負なのに、見事完封されちゃって、悔しい、負けたくない、ムキになって食い下がっていくあかりがほんと魅力的で、ええ、ほんと、いいメンバーになりそうですね。素直じゃないあかりだけど、なんだか可愛げが感じられて、こういうところも魅力ですよ。
『Aチャンネル』がゲストで登場ですよ。皆の出会った頃のこと。ユー子の視点から見たトオルが描かれていましてね、出会いが最悪、それで敵視されているって、下から見据えてくる、その目の厳しさ、クールさが素敵! 画面いっぱいに描かれるトオルなんていうのもすごく新鮮で、コマ割り漫画というのは、こんなにも派手に、キャッチーに演出していくことができるんだなというのをまざまざ思い知らされました。しかし、ユー子の見つめるトオル。その表情のころころと移り変わりゆく様を発見しては心ひかれていくというのね、ああ、すごいね、ユー子の気持ちがよくよくわかる。ほんと、ちょっとしたエピソード。けれどそれがこんなにも魅力的で、私もすっかり魅惑されてしまいました。
- 『まんがタイムきららフォワード』第10巻第12号(2016年12月号)
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