『まんがタイムオリジナル』2020年4月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、山下さんの卒業式ですか!? ブレザー、ネクタイ、クールなお顔。あ、これ、下、スラックスじゃないか。超絶かっこいい男装の先輩って感じでしょうか。この自信たっぷり、不敵な笑み、キマってますよね! これ、ほんとに凛々しくてハンサムです。そして『小森さんは断れない!』しゅりも卒業式。花束を手に涙を浮かべるその表情、ドラマ感じさせますね。『となりのフィギュア原型師』滝舘おこめ代表は大学の卒業式? 和装、袴をつけましてね、それがもう可愛いのなんのって。とんでもない。最高です。全身見せてほしい。
『ローカル女子の遠吠え』
今回はりん子の母、蘭子とその友人早紀の昔話。かつて売れっ子だったふたり。静岡、地元でふたりを知らないものはいない、とかそんな勢いだったの!? 今では見る影もない? いや、なんかちょっとやさぐれて、あとふてぶてしくもなったけど、この伸び伸びとしていかにもマイペースなふたり、これは魅力だと思うのです。いや、ほんとよ?
しかしね、若い頃のふたり。訳有り? なにかとままならない日々の暮らし? 普通に結婚して、普通の暮らしを望んだ蘭子のその後。蘭子のしあわせを望んでいた早紀の胸中によぎった思い。それらが苦く、切なく、はかなくて、けれどこうした蹉跌のゆきついた先に、彼女たちの今があるというのですね。
今がふしあわせだとは思わない。けれど、もしあの時、また違った展開があったなら、そんなことを思う夜もあったりするのでしょうか。りん子に答えた早紀の言葉からは、もうそんないろいろは乗り越えてしまっている、そんな風があるのですね。でも、かつての荒波、それが今の静かな表情の奥に隠されたなにか、背景の存在など、思わせるのですね。
『大奥より愛をこめて』
うおう、二転三転ってやつだ。本堂殿、ついに菜々緒殿に求婚したってよ! それで菜々緒、しばし気もそぞろ。新しい仕事、御右筆にも身が入らない? しかし残念ながら世の中の動きはあまりにも急で、異国からの船。警備体勢を敷き速やかに帰ってもらうようにと通達は出るも、動揺は収まらないっていうんですね。
あの発禁にされたという海防論。まさか発禁ってだけで上様が期待を胸に読んでしまうとかね、このくだり本当におかしくって、かと思ったら、上様、ちゃんと内容把握して、今この国の置かれている状況について、いろいろ考えていらっしゃる! すまぬ、もっと、こう、いいかげんでちゃらんぽらんな方かと思ってた。違ったんですね。
今回の、異国の脅威から蒔乃に向けられる偏見の目がいや増して険しくなるというのがね、悲しくて、でもこれ現実にそうしたことがあるって見せつけられている最中じゃないですか。それだけにこの描写、本当に悲しいことだと思われて、でも当の蒔乃はというとあんなにも明るくてほがらかで前向きで、そして知らないから怖いんだ、ちゃんと知って向きあうことが一番大切なんだって、ええ、この人の言葉に気持ちも安らいだのでした。
そしてこの言葉、異国の脅威に対するものだけではなく、菜々緒の悩み事にも通じて、このロマンスの行方? その展開もまた楽しみにさせる重大要素であるのですが、はたしてこの危急の時、色の恋のといつまでいってられるのか。これもまた気になる要素なのです。
『ネコがOLに見えて困ります』
動物が人に見えてしまう男の子、ミコト。しかしこの能力、いったいいつからあったのか。振り返ってみるも、記憶のかぎり、動物が動物として見えたことはなかった。兄の話してくれたところによると、どうも物心のつく前からそうだったらしく、4歳ミコトがツバメの子を見て心配していたりね、この時ミコトの目にはそれが人の姿に見えていた。ああ、なにかきっかけとなる出来事があってこうなったとかではないようなのですね。
人を心配するように動物に接する弟を見て、それで兄も動物への理解を深めていったというのですね。小さなミコトにつきあって、弟のこと心配したり、動物についてもいろいろ調べて教えてくれたり、そうした兄の優しさが光る、そんな回だったと思います。猫のOLさんにしても、いろいろちぐはぐ? なかなか気持ちが通じない、そんな感じの兄貴さんだけど、それでも弟ミコトのことも、飼い猫OLさんのことも、とても大切に思っている。
ええ、今回、兄貴さんのこと、ぐっと好きになる、そんなエピソードだったと思います。それだけに、最後のOLさんのくだり、それが気の毒に思えてしかたないんですけどね!
『となりのフィギュア原型師』
サンフェス大反省会! そうか、イベントの総決算ですか。しかし、そのイベント、いろいろ芳しくなかった模様。イベントが節分時期だからって突発で鬼の面作ってきちゃったはぐ。その面が全然売れない、むしろ人を遠ざけてたっというの、いやあ、面白がってる場合じゃないです、はぐさん。
それでおこめから有罪判定受けちゃうわけですけど、代表、これ面白がって適当にやってるな? 売れ筋読んで確実に売っていく斉藤も有罪。なんでや! と思ったけど、大量の戦利品、これがギルティはまあそうかもなあ。せっかくこないだ片付けたところやん。すっかりもとの黙阿弥ですよ。
しかし今回、こうした面白有罪認定があるかと思えば、バレンタインのチョコレートが贈られたりと、おおう、まさかそんな人並のイベントが発生するだなんて! あのおこめを焚き付けるせっちゃん! 照れちゃう代表、照れちゃう半藤。うおお、なんだこれ、こんなのいいのか。ほんとにいいのか。
せっちゃんから見ても、代表、半藤のこと好きだよねって、なるほどそっち方面での動きも今後あるのでしょうか。いや、斉藤×半藤でもかまわんですよ! イケます、イケます、イケてます。
半藤の、仕事場に恋愛ごととかあまり持ち込みたくないっていうの、これわかるんですよね。でも、そこからまさかのせっちゃんからの告白!? でしょう。これ、威力あったなあ。はたして本気!? それとも冗談めかしてうやむやに!? いろいろ思うんだけどさ、この人もいろいろ読めないですよね。とはいえ、自分の作る酷い料理、それ食べてくれるの半藤だけだって。そういって、屈託なく笑ってみせるあのくだりなんかね、心許している、そんな雰囲気があっていいんですね。だって、タイトルからしてとなりのフィギュア原型師だもんな。となれば、正ヒロインはやっぱこの人なんじゃ?
と、ここまでいろいろ思わせといて、最後に半藤、せっちゃんのチョコレートに沈む。ああ、この展開。ほんと、すんなり恋愛方面に向かうみたいにはいかんですな。
- 『まんがタイムオリジナル』第39巻第4号(2020年4月号)
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