2020年2月20日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年4月号

『まんがタイムきららMAX』2020年4月号、昨日の続きです。

『エンとゆかり』

ゆかりたちのピンチに駆けつけたエン。剣がないとまるで使いものにならないっていうんだけど、鍵の魔物、剣を貸してくれるんだ。いいやつ! というか、基本、フレンドリーなんだよなあ、こいつ。キャラもいいし、なんか見てて楽しいし、だからうまいこと棘が抜けて、仲間に、仲間じゃなくてもレギュラーキャラに、いやセミレギュラーでいい、なってくれたらいいのに、と思うのだけど、状況は常に過酷で非情。ああ、鍵の魔物、どうしてもとまる気配はないようで、期待のエンも、鍵の魔物にがっちり食いついてはいるものの、一歩及ばず、むしろ剣の魔物が一枚も二枚も上まわってくるようなしたたかさを見せて、ああ、これは怖い。本当、どう決着がつくというのでしょうね。

戦いに楽しみを見出す魔物に対し、記憶がないためやりたいことがわからないというエン。しかし、このエンが見た一瞬の走馬灯。そこにこれからの生き方のヒントがあるようにも思われて、しかしそれもこれも、この戦いで生き抜くことが最重要。剣の魔物は当然エンを生かして帰す気はなくて、唐突の二刀流、その一撃でエンの剣を叩き折って、ああ、エンの動きがとまった!

どうする!? どうなる!?

エン最大のピンチに駆け出すゆかり。死ぬかも知れない、覚悟はするものの、でも死ぬなんて考えられない。この緊迫感。ほんと、どう決着つける? どう決着する?

これ、ハラハラがノンストップ。緊張の持続、息もつかずに読みきりました。

『旅する海とアトリエ』

アンナに呼び出された海とリエ。アンナはかつてのパートナー、ナタリアとのペア解消の顛末を語り、そしてペア復帰を願う今の気持ちを打ち明けるんですが、海が、海がやばい。リエもなんですけど、ガンガン食べる。そしてガンガン飲んでる海が、酔ってしまってついには暴走、フルスロットル。

酔っぱらい海、いいですよね! なにが彼女の原動力なのか。酒の勢いでいつもよりもクレバーな海! かっこいい! 素敵! ぐいぐいアンナの懐に踏み込んで、そんなのらしくないって、ナタリアのところ、ドゥブロブニクまでいくぞ! 明日だ! 飛行機の予約とるぞ! って、すごいなこの行動力。

人は自分にないものに惹かれるといいますね。ええ、海、最高です。

アンナの問題は解決に向かいそうな予感させられて、けれどこのアンナの状況をうらやましく思うリエの内心。この対照、実に効果的だったと思います。これからのアンナの身に起こること、それがどういうものかは次回以降の楽しみですが、それがどう動こうと、なんらかの影響をリエに及ぼしそうと思われて、ええ、ひとつのエピソード、それが動くことで、大きなテーマにも動きがありそうなんですね。

『ぬるめた』

おお、次回から連載ですか。順当だと思う。だって面白いものな。それにキャラクターも魅力的。

今回はなんとかスイッチに出てくるなんとかスイッチみたいな機械が出てきて、名づけて、くるみちゃんスイッチ。いや、あの番組のスイッチは実際にはスイッチじゃないよ? 対してくるみちゃんスイッチはガチのスイッチで、しかも全部で90文字はいってるのか。

スイッチを押すと、対応するくるみの機能が発動する! っていうんだけど、90かあ、多機能だなあ。で、のっけからなんかヤバいの出てきて、「あたまをひらく」! しかもただ開くだけじゃなくて、次元を超越して遠方からあらゆる物質にアクセスできるっていうのか。超越している……。人造人間くるみもヤバいけど、この五次元前頭葉とやらも世界を変えうる大発明ですよ。こんなとこでなにしとるのちあき博士! ってやつだこれ。

ここからも面白い。いろんな機能がどんどん発動するそのくだりで、四コマのフォーマットが拡張されるのね。左右コマを連結してワイド四コマに発展、そのまま展開するの、これ自由な感じがしていいですね。ページあたり2本の四コマのテンポで読ませる面白さがあり、ワイド四コマ的な、ひとコマというか一段あたりの情報量多めに展開する見せ方あり、フォーマットが面白さを引き出すために都度変化していく。これ、ただ自由に、好き勝手にやればいいってもんじゃなくて、ちゃんと構成考えて、どうすれば効果的か、しっかりコントロールしないといけないやつですよね。ええ、この漫画、こんなに自由に見えながら、見せ方、フォーマット、キャラクターの個性、言動、もろもろが、しっかりコントロールされてると感じられる。そこに作者の地力など感じとれると思うのですね。

そのコントロールというところ、ちあきの扱いなんかがそうなんですけど、基本この子の発明でくるみがわりかしえらい目にあう、そんなくるみを振り回すような役割担ってるこの子がですね、最後の最後、自分にね大喜利、ちあきちゃんスイッチ振られてさ、あんなにうろたえちゃってという、弱味見せたり可愛げ見せたりするわけです。ええ、一種超越的なポジションにあるちあきをね、ちゃんと皆の輪に戻してくれているんです。このバランス感も大変素晴しいと思います。なにより可愛い。実によいと思います。

『六条さんのアトリビュート』

これも面白いなあ。

ついに金が尽きましたか! なので食事が悲惨なことになっています。それもこれも、幽霊の六条さんが飯を食うから? 幽霊なのに食事するのん!? ってのもあるけど、さらに前回壊したふすま、このみが弁償したのか。大変だな、このみ。実家からの仕送りも、このみひとり分しか想定してないわけで、なのに六条さんの食費もここから出さないといけない。そりゃ破綻しかねないわけだ。

お金のために働かないといけない。けれどこのみは学校にいかないといけないし、となると、働くのは六条さん? え? 幽霊働かすの? 求人とか探してますけど、六条さん、応募できるの? いろいろ前提に疑問感じながらも、どんどん話が進んでいくのね、ああ、この置いてきぼりにされないようがんばってついていかないといけない感。働くことに消極的な六条さんが感じているものに近いのかも知れない。ええ、このみの前進する力、これはなかなかのものがありますよ。

なんて思ってたら、ヤバい人出てきた。画材屋の店長さん? 六条さんのことが見える。というか、六条さん、誰からも見えるのかな? ともあれ、この店長さん、やたら六条さんのこと気にいっていて、というか崇拝に近い? 一歩間違えばストーカーじみたなんかになりそうなタイプだ! でも、この人のおかげで資金難解決して、ああ、よかった。そうか、オリジナルの絵ハガキ作ってる、その絵を描いてもらおうってわけね。六条さんにうってつけの仕事じゃないですか。ああ、よかったねえ。

みたいに思ってたら、全然そんなんじゃないじゃん!

いやもうほんと、エラい人出てきたもんだと思いましたよ。

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