2020年2月5日水曜日

『まんがタウン』2020年3月号

 『まんがタウン』2020年3月号、発売されました。表紙は鍋がメイン!? 『野原ひろし昼メシの流儀』ですね、鍋の向こうに取り分けた鍋を食べようとしているひろしがいます。他に『かりあげクン』のカットがあって、連載40周年なんだそうですよ。すごいですね。確かに子供の頃から読んでたものなあ。さすがの長期連載です。そして今月からの新連載、新ゲストの『かのんとぱぱ』、『大越春太郎は黙れない!』、『あさひ大家族』のカットがございます。

今号は新規ゲストが1本、ゲストを経ていない新連載が1本です。

『大越春太郎は黙れない!』

ああ、そうだった、新入社員だった。というのも、やたら存在感あって堂々としてるものだから、新入社員だっていわれてるのに、なんでか先輩社員みたいな気持ちで読んでしまってました。

大越春太郎。新入社員。個性的というか、これ長所なのかな? よくいえば裏表がない性格で、ありていにいえば隠し事ができない。もっとあからさまにいうと、思ったことが即口から出てしまうという困った性格。嘘がつけない、隠し事ができない、いっちゃいけないことでも、口をついて出てしまう。

あかん! つうか、よく面接を通過してきたな! これ、ほんと、社外秘とかどうすんの?

この気持ちを言葉にしてしまわないではおられない春太郎。社長のハゲ頭を素晴しい輝きだとか大声でいっちゃって、しかも後に二度目もあるっていうのね、これを裏表のない性格と受け取ってもらえればよいけど、むしろデリカシーがない、かな? 同じく新入社員の仲市律子のスカートの中、見えてしまった時も、白だレースだいっちゃって、しかも大声で、これ好感度上がる余地なくない?

ともあれ、この個性の強い新人春太郎、この性格でもって騒ぎを作りながらも、同僚仲市の助けになったりしていく模様ですよ。少なくとも、仲市、好意的に受け入れられたの、春太郎の大声あってですよね。

『あさひ大家族』

兄弟姉妹たくさんの八雲家では三女あさひが家事ひととおりをとりしきっとるようですね。あさひ、12歳。誰よりもはやく起きて、朝食作って、家族も起こして。母ちゃんは多忙で家事まで手がまわらないのか。父ちゃんも同様かな? ともあれ両親ともに健在で、このあたり、しめっぽさがないのは好感でした。

長女は17歳、高校生なのか。長男は12歳。あさひと同い年だけど、家のことしっかりやってるあさひに比べたらずいぶんと子供っぽい。それは14歳次女も一緒か。

買い物もあさひの仕事。夕食もやな。父ちゃん、自分の飲むビールくらい娘に頼まず、自分でとってきなさいな。しかし、なぜ家のこと、あさひがほぼひとりで負担することになっとるのか。なんかの理由があって、この子が全部やるといったとかなのかな? このあたりの事情がクリアになると、ひっかかりなく読めそうかもなんて思いました。

『新婚のいろはさん』

雪の夜。昼からずっと降っているのを、今見るのではなくもっと積もるまで待とうっていうの、ためるっていう表現使うのが面白かった。このちょっと突飛な感性、いつも新鮮で、はっとさせられたり、妙にチャーミングと感じたり、この漫画の強みと感じます。

今回はどんな話になるんだろう。ずっと屋内? とか思ってたら、まさかの雪がふってるだけの漫画! 四コマ全部が夜に降る雪! やった、やりやがった! すごいというか、こんなの許されるのかーっ!? いや、でもこれをやってしまう勢い、しかもいろはと始のやりとりの流れに効果的なアクセントつけて、ああ、これもまた味ですね。

後半がよかったです。梅が好きといういろはが始を誘って公園の梅園にいく。雪で真っ白な公園。方向音痴のいろはに、地理不案内の始。現地到着後、すぐさまはぐれてしまって、雪の白さが突然ひとりぼっちになってしまったいろはの孤立感際立たせるところ、実にあざやかで、そしていろはを探しに向かう始。繋がらない電話、けれどそれでも見つけ出した始の颯爽として立つその姿の凛々しさ。わーお、いつになくかっこいい。しかもこの場所にたどりついた理由、梅の香にいざなわれてか! ほんと、この情景の美しさ、特筆もの。前半が緩めの印象でスタートした、そのぶんをしっかり引き締めて見事でした。

けどここからの帰り道、エピローグがね、やっぱりちょっと緩めの会話に立ち戻るの、うん、このゆったりなテンポ、これがふたりの時間なんだなって再確認して、ええメリハリ効いたエンディング。けど、緩いだけでなく、余韻がね、ふたりの関係の近さ、仲良さ、しみじみと残って、これがまた魅力的。味なのです。

0 件のコメント: