2023年4月1日土曜日

『まんがホーム』2023年5月号

 『まんがホーム』2023年5月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。コンパクトカメラを手に、ベストショットを狙うらいかです。で思い出したんですが、この漫画の登場人物、カメラから名づけされていたりしてましたね。ライカ、マキナなどなど。小西とかもそうですね。すっかり忘れてしまっていましたよ。そして他にも『ヲトメは義母に恋してる』のふたりはスマートフォンで自撮り、『独りじゃない一人暮らし』は、これフィルムの一眼レフかな? そして『孔明のヨメ。』は、猫を抱いた月英を撮影している孔明です。

『孔明のヨメ。』

火計の策を成功させるべく曹操群に入り込まんと船を出した龐統と月英。しかしここにまさかのイレギュラー! 孫尚香がついてきちゃった!

行き先もわからないのに勝手に船に入り込んできてと、まったくもって危機管理のできてない姫なのですが、周瑜と黄蓋の関係を改善したいと思う気持ち、それは本当にまっすぐで素晴しい。いや、ふたりの演技、策にまるっきり騙されてるわけなんですけどね。このまっすぐな姫に本当のところを教えたらどうなるか。瞬時に駄目と判断する月英の回転のはやさ。そしてまるで頓着せず騙しきると決めている龐統。ほんと、ふたりの対応、その結論こそは同じでも辿る回路がちょっと違うのが実に面白かったです。

しかし、この結果云々をいっていられる時期は過ぎました。船が曹操軍に拿捕されてしまった。バレたら死ぬぞ、江東も丸焼けだと釘を刺された姫、嬉々として兵卒に身をやつし、かくして三人が引き立てられたのが曹操の御前。

ここからの龐統の大芝居。なにゆえ曹操のもとにやってきたかを、つらつら述べてみせる豪胆さ。曹操の圧に押されながらも、決して負けないその態度。凄みもあらば、真に迫って、凄みある名場面でした。

しかしここからどのように動くのか。いずれはここを出なければならないわけだけれど、そのあたりどうなるんだろう。このわからないということが、実に楽しみとなっています。

『天国のススメ!』

草間、この漫画において便利すぎるキャラになってる感がありますね! 美少年、人柄もいい。しかし残念! オカルト大好きが先に立ちすぎて、見た目はいいのにこの趣味、性格がためにちょっと距離を置かれちゃう。

でも本当にいいやつなんですよね、という今回。太一から託された見習いキューピッドという不思議なやつを育てるべく、しばらく一緒に過ごすというのですけど、キューピッドの力を自分の欲のために使おうとしないその善良さ! かと思えば、キューピッド見習いに心配されるほどにヤバい言動もちらほら、いや、結構な量飛び出したりして、いやもう七人ミサキはやばいって! というか、キューピッドも七人ミサキ知ってるんだ。日本の風物に詳しいんだなあ。

考えて考えて考え抜いた草間がキューピッドに願ったこと。それがね、幼ない頃の草間を救った恩人ともいえる人。オカルトやお化けを扱ったラジオ番組に出てらした水森先生に会いたい。遠めに見るだけでいいという、その欲のなさ、控え目でけれどそれゆえに感じとれる思いの深さが素晴しかった。

ええ、今回は、今回も? 草間という人の魅力がよくよく出ていたと思います。キューピッドがほだされるのもわかります。

『ヲトメは義母に恋してる』

なんだろう、ちょっと方向性が違ってきている。この漫画のはじまった頃は、父と結婚するかも知れない人、寿々に憧れを超えた感情を抱く鈴、という感じだったのが、今や寿々が自分の感情に迷い、悩み、その変化に気づきはじめている。みたいな、なにか始まろうとしている感があって、そっちか!? そっち方面にいっちゃうのか! 大歓迎だよ? みたいになってしまっているのです。

今回は寿々と鈴、ふたりが一緒に映画にいきます。寿々の同僚が、都合がつかなくなったため代わりに映画にいってほしい。入場者特典目当てで、初日でないとなくなっちゃう。ぜひ、ひとりといわず誰かと一緒に、入場券は差し上げるから。というわけで、ふたりが映画にいくことになったというのですね。

自分と一緒より友達といきたいかな? なんて遠慮が出てしまう寿々に対し、ぜひとも寿々といきたい鈴。そのやりとりがとてもよくて、切実さ感じさせる表情ににじむ鈴のいじらしさ。その様子に打たれ、胸のときめきを覚える寿々!

なにか始まろうとしている!? だ、大歓迎だよ!?

いやもう、深まるふたりの関係。とてもいいと思います。

そしてまたよかったのは、冒頭カラーページの寿々さですよ! 鈴コーディネート! よくやりました、鈴さん! いやもう素晴しい。最高です。

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