『まんがタイムきらら』2021年11月号、一昨日の続きです。
『ぎんしお少々』
補講に遅れそう、学校へと急ぎ走るかなめですが、遅刻が確定するとなるとぱったり諦めてしまうの、うん、ちょっとわかる気がする。しかももゆるの家にいこうとしているしろと出会ってしまえば、もう補講そのものを投げてしまうというこの割り切り。しろがいうように、かなめはキャラが強いのかな? でもかなめ自身はそうは思っていないようなんですね。
かなめの家にいくの、ずっと嫌そうにしているしろと、呼ばれてもいないのに同行しちゃうかなめのまあ対照的なこと。でもそんなかなめも、こうしたキャラの強さは意識してやっているとか、でなんでそんなことしちゃうのかというと、子供の時分に出会った子、せつなからこの頃のことを忘れられてしまっていたのが心の傷になっている。
いや、でもそれしゃあないよ。ほんと、自分も覚えがある。幼稚園から小一にかけて親友みたいにしていつも遊んでいたしょうちゃんのこと、半年ぶりくらいに会ったら、しょうちゃんは覚えてるのに、その目の前の彼がしょうちゃんとわからなかった。これ、親友と思っていたやつから忘れられていた(正確には自分をわかってもらえなかった)しょうちゃんからしてもショックでしょうが、あんなに仲のよかった友達がわからなかった自分にしてもショックで、ほんと、これは今なお忘れられないできごとになっています。
かなめにとって幼稚園児だったあの頃の出会いに発するいろいろは確かにショックで、でもそれは逆側の当事者であるせつなにとってはどうなんだろう。そんなこと思っています。しろが提案したように、写真がなにかの結果をもたらすのか。だとしたらそれはしあわせなものだといいなあ。なんて思ったんですね。いやもう、忘れる側もショックなんですからね。
『桜色プルーフ』
南宮に引き込まれるかたちで、学校で起こる事件や不思議の解決に乗り出していくことになる桜庭来実。この子、冒頭の面談の内容から察するに、推理小説の書き手になれない自分にコンプレックスを感じたりしているのでしょうか。だとしたら、今こうして実地に事件解決にたずさわること、その実践家としての才能こそが彼女をコンプレックスから救うことになったりするのでしょうか。
さて、今回も甘いお菓子に釣られる来実いやささくらです。呪われた部室の調査というの、ここでさくらの弱点がひとつ露呈して、なんとまあ怖い話は苦手なんですね。だから手を引こうとしたのに、南宮の巧みな話術に誘導されてしまうの、なるほどふたりの役割、明確になっていきますなあ。巻き込む南宮、いいように扱われるさくら。その関係の妙ってやつです。
こうやって毎回小さくとも事件を用意して、それを解決していくという展開。謎とその解明というのは、読者の興味をそそり、ついつい先が気になる、目が離せなくなる、そうした気持ちにさせるものですが、でも毎回こうして謎を用意していくのは大変そう! でも、今回もそうだったように、その謎に関わることで、さくらの興味や苦手といったものが見えてくる。その行動や反応を通じて登場人物の個性が見えてくるのは好感触です。
My Private D☆V
『ゆらめきラグーン』の花宮みぃです。
D☆Vポイントは「いつもはマジメで優しいお姉さんが恥じらいつつちょっとキワドイ♥コスプレをしてくれる!!」、とのことで添えられたイラスト、というかイラストがメインですよねこれ、結構な大ボリューム! 画面狭しとお姉さんがみっちり詰まっている、そんな印象受けるほどに誌面全部がお姉さん! でもってこのコスプレは悪魔系? そんな感じの魅惑のセクシー衣装に身を包み、でもって素なのかあるいは若干の挑発を意図しているのか、そんなセリフが刺激的なんですね。
全体にむっちりめのお姉さん、なんですが、こちらは完全に意図されたもので、矢印でもって肉感と示されてるからわかりやすい。なるほどなあ、その肉感というか存在感、これはまぎれもなく説得力というやつだと思います。ええ、すごくわかりやすい。納得感ある肉感でした。
- 『まんがタイムきらら』第19巻第11号(2021年11月号)
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