『まんがタイムオリジナル』2021年12月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、山下さん、ちょっといいレストランでお食事ですか? 手にワイングラス、注がれたワインがいい色ですね。榊医師が給仕なんですが、舌舐めずりで飲む気満々!? いけません! そいつはいけません! 今回のテーマは食のようですよ。『可愛い上司を困らせたい』恵はジョッキでビール、『冷めないふたりのひとりご飯』、本編ではなかなか見られない夫婦揃っての食事の情景。『らいか・デイズ』らいかは蝶ネクタイしてお子様ランチ。『小森さんは断れない!』しゅりはもりもり回転寿司の皿を積む気でいるようですよ。
『おしかけツインテール』
花梨がオープンキャンパスに参加です。大学では倉井さんという先輩に案内してもらって……、ってこんな人いたっけ? と思ったら、大学構内で出会った人なんだ。オープンキャンパス期間中に出店されている屋台、料理部の激ウマスイーツ確保の命を受けた倉井を花梨が助けたのがふたりの馴初め。って、ほんまについさっきやな。人付き合い苦手、引っ込み思案の倉井を見て、自分と同じオープンキャンパス参加者だと思ったのか。だよな、在学生なのにこんなに慣れてない感じとか、ちょっと思わないよな。
倉井の所属するポップカルチャー研究会に招かれた花梨。そこでの会話が面白くって、そうか、花梨よ、俊郎に鍛えられたのだな……。それでいいのか? みたいに思うも、早速その管理能力の高さを発揮して研究会に貢献! 入学前から総監督の名を欲しいままにするのか花梨サン!
こうした出会いやコミュニケーションの様子、いつもとは違った雰囲気と、けどいつもの花梨らしさもよく出ていたのがね、この子の個性のコアみたいの見せてくれてよかったと思いますよ。で、希望の大学、さらには入りたいサークルまで決まってと、これもう頑張るしかないじゃん! な展開。是非とも合格を勝ち取ってほしいですよね。
『ネコがOLに見えて困ります』
ギャルネコが連れている真面目そうな子猫。いや、ミコトからしたら人間の女の子に見えるんだけどさ、でもギャルネコについて塀の上歩いてるから、これは猫だなとわかる。そんな二匹についていって、面倒見てるおばあさんのお家で猫二匹、大福と万福を見守って、そうしたらエサの取り合いでケンカが始まった!?
いや、おばあさんがいうには教育なんだそうです。猫社会における序列や噛む時の力加減もろもろ、こうやって学んでいくんだという話。でも、どう見てもガチゲンカでは……? からのおばあさん介入! この平和な解決から、ミコトの家でのOLさんと社長ちゃんの様子に続くんですけど、ああ、こうして猫も育て、育てられていくんですね。そうしたコミュニティの一端が垣間見えたの、新鮮でよかったです。
『となりのフィギュア原形師』
休みの日に工房に顔を出す半藤。というか、この家、おこめ代表の工房兼住居じゃなかったのか。ともあれ、工房メンバーの動向を注意深くうかがって、ひとりを確信した半藤のやることは!?
ちょっとエッチなガレージキットの組み立てなのか!
イベントで買うと代表に漁られるから普段は躊躇していたところが、オンラインイベントなら家に直接届く、代表にバレずにすむ! というんだけど、思いっきりはぐちゃんにバレてるのが笑っちゃいますよね。
しかし今回はオタクあるあるみたいな要素も含むんでしょうか。開封からの半藤ひとり語り! もうしゃべるしゃべる。独り言が多いのはオタクの基本行動なんでしょうか。さらにははぐちゃんもとっておきの海外ガレキを前にめっちゃしゃべる! もう不穏! でもそんなふたり、思いっきりわかりあってる感出してるのがすごくいいんですね。恋とかなんとかじゃないよね、これは同志のそれよね。でもっていつもは聞けないはぐの本音、代表に対する辛辣な評価! これもちょっと驚きだ! うん、まあ、わかる。ぐいぐいきすぎやでってことね。
しかし今回、半藤ひとり回と思わせてはぐとのふたり回になった、かと思ったらリョウタロウからののじこ、その上代表も参加してくるほぼ全員回! これは豪華な展開しました。なんだかんだでガレキ好き、造形好き。仕事で作って、休みは休みで趣味で作る。おおう、ずっと作ってんな君ら、そうしたクリエイターの性のよくよく出ていた回でした。
ところで、はぐちゃん、思いっきり半藤を売ったの、その身のかわしっぷり、すごかった。というか、そのモザイクの向こう、どうなっとんの? はぐちゃんのことやからグロ系よね? 一般人でいい子ののじこがあんな憔悴しきった表情するなんて、どれほどなの!? いやもう、これは半藤気の毒ながらも面白かったです。
しかし今回はすっぴんはぐにジャージのじこ。素晴しい回でした。憔悴のじこも裏切りはぐも最高です。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
ノートを買いにいったら、いつものノートが新デザインになっていた。ちょっと使いにくいかなあとネットの感想をチェックしてみたら、デザイン変更は1年前!? 田舎の変化のなさに衝撃受ける八重が、さらには続いてみなが、亜紀が知らぬ間のデザイン変更にショックを受けるの、そうか、そんなにか。いつもなら八重ひとりがテンション高めの反応示して、みなはまだしも亜紀あたりはクールにいなすじゃないですか。でもその亜紀がここまで!
なかなかの意外性溢れた展開に、その衝撃の大きさをうかがい知りました。
でも、スーパーとかでっかい本屋さんとかならともかく、個人商店とかだと旧版がわりと残ってたりしますよね。やべえ、新デザインになって使い勝手が悪くなった! からの、買えるうちに旧デザインを確保しとくんや! の流れも、まあ最近はあんまやらんけどさ、何度かやった覚えがありますよ。でも、こういうのにこういう共感しちゃうのは、自分の住んでるあたりも田舎度ちょい高めってことなんだろうか。かも知れないですね。
今回は、ご近所さんに可愛がられている八重が可愛かったの、それがよかった。でもってクラスの半分がまだ旧デザインを使っている中、いち早く新デザインを使っている自分に浮かれている、そんな八重もとてもよかった。この子のこうした浮き浮き感、亜紀もいうようにちょっとズレてはいるんだけど、それは見ていてほのぼのと楽しくさせるものありますよね。
でもってラストの八重の新デザインノート。お茶こぼしてまさかの全滅! からの旧デザインリバイバルの流れ。いやもう、おかしかった。旧デザイン残っててよかったやん。使いやすかったんやろ? でも八重にとってはもう旧デザインに戻るという選択はないんでしょうね。最先端の新デザインを知ったからには、従来品には戻れない。この子、新デザインを求めて遠くの大型書店に向かったりするんでしょうか。なんてこと思ったりしましたよ。
- 『まんがタイムオリジナル』第40巻第12号(2021年12月号)
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