『まんがタイムきららMAX』2022年2月号、昨日の続きです。
『こみっくがーるず』
寮母さんといい編沢さんといい、ほんとお姉さん組が素晴しい。寮生たちに刺激を受けて、一度は退いた漫画に再び取り組むことに決めた寮母さん。後悔したくない、一生けんめいになりたいというその時の表情が、ほんとすっきりして、穏やかで、けれどなにか希望に溢れていて、素敵だわー。そう思ってたら、寮生たちも同様だったようで、寮母さんの作業見ようとしてむらがること! ほんと面白い。いつもの寮母さんから、ベテラン感ある先輩漫画家になっちゃってますよね。いやもう面白い。
でもってかおすちゃんですよ。皆が寮母さんから刺激を受けて調子をあげている中、かおすはどうにもうまくいかないようで、けど編沢からコミカライズの企画があると、編集部はかおすに注目していると知らされて、これかおすにはチャンスでは!? でも編沢はかおすのオリジナルを見たいと思っている。その葛藤がかおすにも伝わっちゃってるんだ。
編沢の気持ちを思って迷うかおすよ! そしてここで寮母さんの後悔しないようにという言葉が効いてくるのがまたよくって、ああ、かおすちゃん、コミカライズのコンペに参加を決めましたよ。
葛藤をにじませた編沢、そしてかおすの決心を受け入れて安堵した編沢。その表情、あまりに対極だったそのどちらも素敵だった。そのどちらもかおすのことを思うがゆえの表情なんですよ。ええ、編沢さん、素敵お姉さんです。
『ぬるめた』
めちゃくちゃ面白いな。クリスマスプレゼントにもらったもの。くるみはクラフト系のゲームをもらったっていうんですけど、これはハマるぞ、冬休み全部潰しちゃうぞー、ちあきにそんなこといわれて、最初は否定してたくるみ。でもちあきの予言が当たるの! くるみは無睡眠でもいけるから、それこそ24時間ぶっ続けで作業し続けられる。で、実際初日から昼も夜もなくノンストップで作業しちゃって、おおう、翌日になったのも気づかなかったか。
ここからが本当に面白かった。この漫画って、途中にワイド4コマを挟むでしょう? 物事の推移を描くナロー4コマのパートがあって、定点的視点から状況を描くワイド4コマのパートがわいわいとした彼女らの様子を浮き上がらせる、そのコントラスト。今回はそのワイドパートが何ページも続いて、でもってそれが1日ごとのくるみたちの様子を描くのね。メインはくるみのゲームライフですよ。順調に12月28日、29日と過ぎていって、30日も無事終わって、気づいたら大晦日。なにこの順調なドハマり状況! 初日の出は見たいといってたくるみなのに、結局ゲームの中の太陽ですませるハメに!
でもって正月には、より効率的な作業を求めた結果、くるみをPCに直結! おおう待て待て、ほんと人間業じゃない。まあ人間じゃないものなあ。怖ろしい速度で建築されていくケバブのオブジェ。それを録画してネットに公開したら、あまりの尋常でない様子に注目浴びて、一躍有名に! ネットニュースにまで取り上げられて、というか、ちょっとした怪奇現象だよこれ。だってスクリプトで効率化させてるわけじゃないって検証されちゃったわけでしょう? 異常な速度の手作業。くるみが実際のところを語っても誰も信じやしない。
って、そりゃそうだ。くるみがアンドロイドってネットの向こうの人たちは知らんのだもんな!
でもって無事冬休みが食い潰されて終わるという今回。いやもう、最高に面白かったです。まんまとちあきのいったとおりになるくるみがね、予想どおりというか期待どおりというかで、いやもうこれはたまりませんでした。
『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』
うおー、扉の桔香ちゃん、めちゃくちゃ可愛い! 最高や。これ、カラーにならんもんですか。フィギュアでもいい。この世のものではない、そんなよさありますよね。
さて、先生が桔香をお呼びです。マッチングアプリで知りあった相手とデートします。生まれてはじめてのデート。でもなんでそれを桔香に話すの? と思ったら、先生、頼ったり相談できる相手が桔香しかいないのか! そうか、そうだった、なんかそんなことゆうたはった。でも困った大人だな。デートの相談まではまだいいとして、付き添いまでお願いするんだ!
先生、小学生なんて連れていったら、娘連れと勘違いされますよ?
そう思ったら、えらいこと考えましたな! 桔香、胴が、胴が不自然に長いよ!? どうしたん!? おおう、コートの下でツナギが肩車しとるのか! それにしても不自然。転がってくるボールに反応してツナギが駆け出すたびに桔香がえらいことになる。そうした奇行の数々。これを見て若干引きながらも受け入れてくれたこの男性、けっこうな大人物なのでは!? もうね、カフェでの異様に座高の高い桔香とか、ほんと奇妙通り越して異形よ!?
でも、この桔香のいろいろが功を奏して、無理せず自然体でって流れになったのよかったのでは? そこからの肩肘張らないデート風景は本当にいい感じで、だって男性も桔香も、それになにより先生も、みんな気取らぬいい笑顔なんですよ。ああ、これはいい。このふたり、さらに先に進んだりするんじゃないですか? ええ、そうなってもいいんじゃなくって? そう思わせる雰囲気あったんですね。
でも、それがまさかの綻びで破談に。男性、ロリータファッションに詳しい? 理解あるのかな? と思わせてからの否定の言説。いや、これ、ほんとは理解があったりしたんじゃないのかな? 男性なのにロリータファッションが好きとか知られたら嫌がられるんじゃないか、そう思って防衛的に否定して見せたんじゃないのかな。いや、それはないか。先生の言葉を受けてからの流れがスムーズすぎる……。うん、妹さんがロリータファッション、甘ロリをやってるんでしょう? でもそれを恥ずかしいって、やめさせたいって、もしこれが本音なら、恋人が、妻がそういう格好をすること、受け入れないよね……。
好きなものを否定されてつらそうにしてる先生を見て、代わりに怒ってみせる桔香、この子は本当にいい子だよなあ。じんとさせられるものがありました。桔香にとって、先生が苦しんでる姿は耐えがたかったのでしょう。誰かの痛みを自分のことのように感じて、その人のために怒る。桔香の優しさが光る、そんなエピソード。桔香のことがもっと好きになりました。
- 『まんがタイムきららMAX』第19巻第2号(2022年2月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿