『まんがタイムきららMAX』2022年2月号、一昨日の続きです。
『今日の授業は恋愛です!』
白百合会会長、ゆきの手を引き教室の外に出たさがり。はたしてなにが目的か!? って、なんか勢いでやっちゃっただけなんだ。対してゆきは覚悟が決まっていて、渾身の土下座ですか!? いや、よかった、土下座は回避されました。
さがり、あの時のことをもう許しているんですね。ただなぜあんなことをいったのか、その理由だけが気がかりで、問うて得られた答は、両親の離婚に傷ついたかつてのゆきと、さがりを傷つけてしまったことへの悔い。どうしても罪を償いたいとまでいうゆきだけれど、ここにこうしてさがりがゆきを許し受け入れたことで、ゆきも、そしてさがり自身も、過去のくびきから自由になれたのですね。
しかしさがりとの関係を深め、今回はさがりの心を支えた4人ですよ、さがりとゆきのやりとりにやきもきしてしまってて、もう大変! 動揺しまくってるりっかがよいなあ。妙に余裕のあるっぽいしらべもおかしい。いや、これはこれで焦りが見られるな。4人それぞれのリアクション、感情の発露の仕方の違いが見られて面白かった。
そして、4人にはライバル出現!? ゆき、渾身の告白! えらいことになった。さあ、さがりさん、どうする。自分のことを好きでいてくれてもかまわない、その答に今度こそ揺らぐ4人ですよ。りっか、落涙! なとせまでが余裕を失ってる。でもここで見せたさがりの決断、これだけはっきり言葉にしていわれたら4人も安心ですよ。一時はうろたえたけれど、この騒動で5人の繋がりはより一層固いものになった。さがりの明言に安堵を見せる4人の表情、同時に信頼も見えるように感じたのですね。いい情景でした。
『お姉さまのVな事情』
クリスマスシーズン。ミユキと一緒に買い物にいったマリナ。ほんとはクマのぬいぐるみに興味があったのに、ちょっと大人ぶろうとするんです。背伸びしようと頑張ってしまう、そういうところにこの子のまだ大人になりきれてない様子がうかがえて、微笑ましかったです。
さて、ミユキの目的ですよ。配信用のネタを仕入れにきてたんですね。ゲーム実況のリクエストが多い。それでマリナの買った恋愛ゲームを試してみるんだけど、これが実にあかん感じで面白い。まずコントローラーが逆持ちってところから、この人がどんだけゲームに縁遠かったかがわかります。いや、AC持ち!? いや、それはあるまい。なんてったって天地が逆だものな。
ここから描かれるミユキのゲームしてる様子、それがおかしくて、ミユキの選択があんまりだ! ってのもあるけれど、そんな選択肢がある恋愛ゲームってのもどうなんですか! ヒロインのデート先にパチスロを選べる余地がある!? もしかしたら、攻略対象のうち、ひとりくらいはこれが刺さったりするの!? でもってバレンタインデーのプレゼントに、カカオそのままとか贈れるの!? 原材料にも程がある!
いやもう、このゲーム、むしろこの残念選択肢を選ばせたい意図を感じるレベルでしたよ。ええ、自分ならきっと選んでしまう。
マリナが察したミユキの恋愛状況。ボトボト落ちてくる男子を踏まないよう気をつけてきたっていうのがまたおかしくて、銀杏!? って、踏んだら臭いのか! いやまあ臭いよな。ともあれ、酒でテンション上げながら、ときめき皆無で効率プレイに飛び込んでいくところ、これミユキの本質なのかもなあ。とにかく高い基礎力で無双していく、そんなミユキのパワープレイに現実どおりなのでは? そういうマリナに答えたミユキの言葉がよかったんですよね。
ミユキ、本音で語りあえる友達が欲しかったのかもですね。ちゃんとした人として振る舞って、そういう評価も受けてきて、それがこの人の抑圧になっていた。Vの世界では、自分の素性を隠し、逆に隠してきた素の自分を出せる。でもマリナ相手には、そのどちらも隠すことなく、ありのままの自分でいられるんですね。ミユキにとってのマリナのかけがえのなさ、それがうかがえたように思います。
『ホレンテ島の魔法使い』
熱い展開になってきましたよ!
列車に魔法で競争を挑むこっこ。風雨に晒されながら、フル装備で後方から列車に迫るその姿。車輌の屋根にあむたちを認めるも、決して列車への挑戦を諦めようとはしないその気迫。ここに描かれるこっこの本気の魔法、それがこの勝負にどれほどの思いをもって準備してきたか、自分を、魔法を高めてきたかを物語って、正直こっこの勝負に介入しようとするかるてと詠、ユシャに、や、やめてあげて! せめて決着がつくまで見守ってはあげられないんですか!?
こっこにこそ感情を移入してしまったんです。
でも、ここに介入する理由、それをきっちりあむが言葉にしてくれて、納得もいったんですね。明日帽子屋で話を聞けばいいのでは、詠の言葉ですけど、自分も同じこと思ってましたからね。でも、彼女らとこっこの決着、それがつかないことにはこっこはなにもしゃべらないだろう。その予感があるからこそ、この場でこっこに仕掛けていかざるを得ない。
どちらも本気なんですね。だからこそ、手段を選ばないこっこの攻め手が熱い。そして、そんなこっこの姿にはっしと心打たれるかるてたち、その心情もまた胸に響いて、ここからですよ、もうたまらなかったですよ。
あむの提案、それを受けたこっこ。ここで状況はがらりと変化する。介入は介入でも、妨害ではなく、共闘、5人の気持ちが一度にひとつにまとまって同じ方向を向いた瞬間。この鮮やかな切り返しに際立つ感情の沸き立ち、素晴しいの一言でした。
- 『まんがタイムきららMAX』第19巻第2号(2022年2月号)
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