『まんがタイムオリジナル』2022年1月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、季節を反映してサンタクロースの格好をした山下さんがプレゼントをお届けですよ。サンタクロースの格好、というか上着だけですが、着てるのは『おしかけツインテール』の花梨もですね。『小森さんは断れない!』しゅりは大谷に熱いプレゼント!? これはサンタからじゃなくて恋人間のやつですね。『らいか・デイズ』らいかだけは貰う側? 例のうさぎのぬいぐるみ抱いて嬉しそうな顔! いいですね、この子の子供らしい表情、これがいいんですよ。
『ローカル女子の遠吠え』
今回ははっちがメインですよ。夢に見るブラック企業時代の研修風景。自尊心を破壊する洗脳研修なんですが、ほんと、こういうのが跋扈してた時代があったの、信じられないですよ。いや、今もあるんかなあ。あるのかもなあ。怖いなあ。
心に傷を抱えつづけているはっち。その思い出に残る21号。私語も禁止されていた会社、まったく会話したこともない、それこそ出身地が同じ静岡、そして夜中に21号が話していたひとりごと、実家でのお茶の思い出、それへの共感だけが接点だけど、それでも今でも少し気になる人。
その人の消息に触れられたラスト。そして21号も18号、はっちのことを時にふと思い出していることが描かれたのが、なにか言葉にしなくとも繋がっているかすかな思いを感じさせて、押し寄せる感傷にたまらなくなりました。けれどきっとふたりともに相手の顔も思い出せないのでしょう。だからこの先もふたりが出会って、おしゃべりして、みたいな未来はこない。その切なさもまたたまりませんでした。
『となりのフィギュア原型師』
これまた個性強めの新キャラ登場ですよ! ツインテ生意気系美少女。斉藤氏が工房に連れてきたんですが、身内の人? と思ったら仕事相手なのか。この人、万代寺もず、イラストレーターmozuとして活躍するこの人のキャラクターをフィギュアにする、その原型師として斉藤氏が抜擢されたんですね。
イラストレーターmozu、めちゃくちゃ面白い。なににつけてもマウントとってくるんだけど、それがわりと無理筋! 斉藤氏のデスクに、私の方がモニタも多い! ってマウントとるんだけど、イラストレーターのあなたとフィギュア原型師の斉藤氏なら、そもそもモニタの枚数は比較対象にならなくない!? みたいなの、めちゃくちゃ面白い。
mozuという人と斉藤との相性。それがぐっときましたよね。人気のわりにあまりフィギュア化されていないmozu。その理由が監修のエグさ。あんまりに厳しいんで企画が頓挫したりするんだ! 斉藤の原型も初回から山のような指摘がついて、思いっきり引いてるおこめ代表。対して斉藤は真摯に意見を受けとって、しかもその確かな判断にやる気を燃やしてるじゃんよ! でもって2度目の監修、きっちり結果を出してきて、mozuさん、楽しくなってきたってーっ!
このふたりのせめぎあい! その熱さにまいりましたよ。ほんと、斉藤がかっこいいの。この真摯に向き合う姿勢、バリバリ出される監修にも、いい指摘でしたと受け取れるこの態度。またひとつのプロの姿が描かれてる! かっこいい……。きっと斉藤氏はこうして指摘も受け入れてより高みに向かえる、そんな類の職人なんでしょうね。いやもう、素敵でした。
ところで、体重の重さでmozu先生にマウントとるのは無理すぎない!? 巨体のmozu先生はちょっと見たくないよ?
『ネコがOLに見えて困ります』
なんだかバランスが違って見える社長ちゃん。いったいどうしたの? と思ったら、なるほど順調に成長しているんですね。猫は一年たらずで成猫のサイズにまで成長します。というので、どんどん大きくなる社長ちゃんにミコトの感覚がついていかない。でもその成長のイメージが、そのまんまごっつくなっていってるのがおかしくて、だよなあ、ミコトにとっては猫の成長とか、普通の人が普通に経験するかたちではわからないんだものなあ。そのままサイズアップ? あるいはヒゲつけたままゴージャス美女に? そうした想像もまたおかしい。いつか成長した姿が描かれる日もきそうですが、ほんと、どんな風になるんでしょうね。
さて、社長ちゃんのバランスがまたおかしくなりました。頭がデカい! って、実際子猫って頭が大きい期間あるんですか!? 友達の三島に見せてもらった飼い猫ベンジャミンの写真。ここでもアンバランスな擬人化猫の姿見ることができて、2ヶ月目の手足長い期間! 3ヶ月目の頭デカい期間! おかしいなあ、面白い。実際の猫がどんな感じなのか、興味出ちゃいましたよ。
今の姿を写真に残しておこう。それで社長ちゃんばかりかまってたらOLさんが不機嫌になったりね、こういうのも猫のあるあるなんでしょうね。ふたりともにそれぞれ愛情注いであげてね! と思ったら、最後には猫ふたりにしっかりかまわれて、それをちゃんと受け止めてと、ミコト頑張ってます。こうして猫たちに、見た目は人なんですけど、したわれてるミコト。いずれは素敵なお姉さんふたりにべったりされちゃうことになるのかもですが、こればかりはあるあるとはいかなそうですね。ええ、社長ちゃんの成長した姿、どうなるのか本当に楽しみです。
『おしかけツインテール』
えらい扉絵きちゃった。排出率0.3%の激レアSSR衣装、メレウトの羽衣。ソシャゲのガチャっぽいなあ、ってことは俊郎か! と思ったら、花梨ちゃん。引いたの、引いたのね! しかもうっとり眺めてて、ああー、そうだった、この子、ネトゲデビューしてたよね。でもこんなのにうつつを抜かしていたら受験にさしさわりがあると俊郎に助けを求めにいったら、俊郎は大爆死の最中でした……。
今回の花梨の悩み。大学入試に打ち込まないといけないのに、世の中には誘惑が多すぎる。その誘惑をはねのけたい。あらゆる楽しみから距離をとりたい。そういって、ネトゲも引退だ、アニメも漫画も小説も、なにもかも身の回りからなくしてしまわないと!
思いつめちゃってるんですね、花梨。でも、そんな花梨にアドバイスする俊郎がよかったじゃないですか。さすが人生の先輩! 100:0思考に陥ってしまってるって、楽しかったもの、好きだったものを、まるごと全部悪いモノにしてしまうの、やりすぎだって、無理しすぎだって、視野が狭くなってるって。好きなものを嫌いになる必要はないんだよと、うまくバランスをとるようアドバイスする俊郎の姿、大人として立派な態度を示せていたと思いますよ。
でもって今回の情動の舞台となったネトゲ。もうほんとおかしかった! 以前、ビギナー花梨に山のように装備やらアイテムやらくれた巨漢キャラ、中身倉井さんやったの! でもって、別れを惜しみ悲しむ倉井のキャラCRYと花梨のキャラ、カリーナを腕組みして見守っている黒百合の騎士なる謎の人物! なにものなの!? どんな鑑定眼なの!?
その中身がですよ、まさかの神崎瑠璃!
最高でした。最高でした。
- 『まんがタイムオリジナル』第41巻第1号(2022年1月号)
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