『まんがタイム』2021年12月号、一昨日の続きです。
『茨城ってどこにあるんですか?』
今回、名エピソードですよ。文化祭にて活躍する多恵と森戸。クラスではヤンキーカフェを出店し、そしてパフォーマンスステージでは昨年に引き続いての漫才、なっとう巻とかんぴょう巻の登場です。
これね、ノリよく元気よくはつらつ勢いある多恵とね、クールで淡々とツッコむ森戸の対照的なキャラクターが魅力的。あの登場時のふたりのポーズ、両手広げて、足もクロスさせての多恵と、基本棒立ち手にはハリセンの森戸、このコントラストもいい感じよね。でも、こうやってわいわい楽しく盛り上げていくのかなと思ったら、最後の最後に、セリフの抜けた森戸のファインプレー。じっくりしみじみ情感たっぷりに、ふたりの友情、そのかけがえのなさを伝えて終わるその見せ方には涙を絞られずにはおられない。いやもう、素晴しかったですよ。
これ、劇中では台本がすっぽ抜けた森戸の苦肉の策だったわけですが、漫画としてはここでこうしんみりと締める、まさに計算どおりなわけで、いやもう見事な表現に心底引き込まれました。そして舞台袖での多恵のアンサー。これももう素晴しくて、ふたりは永遠だと思いました。
『良倉先生の承認欲求』
めちゃくちゃ面白いな。普段は良倉に振り回される側の上枝が、今日に限っては良倉に頼みごと。いったいなにかと思ったら、擬人化良倉の3Dモデルを作ったから、中身良倉でVTuberデビューしませんかって!
さすがの良倉も拒否だよ! まあ、ぶんちょー紳士とOLさんは、小物やシチュエーションで見せるタイプ、自身のアバターやましてやボイチェン使用とはいえ出演するとなるとさすがにハードル高い。とはいうものの、やらされてみたら、ちょっと欲が出たの? いいねを貰うためのあざとい演出発動だーっ! いや、いやいや先生、前ページの普通のちょっと聞いてるんですか!? の方がよかったよ。演技しなくていいよ、いつものとおりの良倉で充分チャーミングですよ! 中身おっさんですけど。
お悩み相談やってみよう、そういう上枝に自分の内心ちょっと話す良倉、これがまたよかったんですね。生徒の力になれる、そんな教師になりたかった。そういう良倉の真摯さにはもうガツンと打たれて、これだよ、なんでこれが普段表に出ないんだろう。
でもってこのマインド全開でやってみたお悩み相談の結果! さすがの良倉も引いたよ! いつもは星畑あたりを引かせてるこの人が盛大に引いたよ! いやもうとてつもなかった。最高です。
『お天気おねえさんの晴れ舞台』
お天気コーナーのノベルティーを作ります! どんなの作ろう、盛り上がる琴音と真由。ストームグラスとかガリレオ温度計とか、わあ、なんかいいじゃん! と思ったけど、やっぱ予算的に無理だよね。
ふたりの方向性の違い、今の視聴者を大切にしたい琴音と、新たな層を開拓したい真由とで激論、対立? しそうになるの。奥田のアドバイスでうまいこと対立は回避されて、そしてやっぱり仲良くふたりでいろいろ考えているの、すごくいいよなって思わされました。
おはぎのお店でのインタビュー。ここでの発想がもとでノベルティーが品が決定する。エコバッグ。お天気要素は紫外線量で色の変わる番組ロゴ。このふたりで一緒に成し遂げた感、それがとてもよかったです。
そして続くおはぎ屋のお姉さんとの会話。琴音の気象予報士試験、まだ挑戦を続けると確認して、それをすごく喜んでくれるところ。なかなか結果の出せない琴音だけど、そのチャレンジする姿が皆を元気づけている。おはぎ屋のお姉さんも、街のみんなも、ほんと琴音のこと応援して、そして同時に元気づけられているというの、素敵な交流、素敵な相互作用だなって、じんとくるものあったのでした。
- 『まんがタイム』第41巻第12号(2021年12月号)
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