『まんがタウン』2021年12月号、一昨日の続きです。
『君と銀木犀に』
ああ、最終回ですね。文化祭、ついにはじまった葉介のひとり芝居。『銀河鉄道の夜』、ジョバンニを演じて、そこにいないカムパネルラに話しかけ続けている、そういう趣向なんですが、葉介の熱演がそこにいないカムパネルラの存在を浮き上がらせて、ああ、今彼はジョバンニとしてカムパネルラに話し掛けながら、葉介として泉に言葉を届けようとしているんだ。
ジョバンニの思いが葉介のそれに重なる。賢治の書いた物語が、葉介の世界とリンクして、広がっていく。そしてそれは観客に伝わり、泉に伝わり、そしてきっと泉の内面に抱えていた悩みは失望、それらを押し流していく奔流となって彼の心を満たしていったんだろう。そう思わせる描写に、よかったな泉、そして葉介も。ふたりが友達であること、そのめぐりあわせとそのさいわいを強く感じさせて、本当にいい最終回になったと思いました。
そして愛子ちゃん! そうか、泉ってわかったかあ。でもまさかそこでお似合いっていっちゃうんだ! そん時の微妙な表情、いいなあ愛子。この子、めちゃくちゃいい味あると思う。いいバイプレーヤーでした。
『食欲しか勝たん!』
うわあ、こころん、負けたの!?
みかみーと一緒に原宿にやってきたこころん。みかみーがクレープ食べたい! っていうんだけど、あー、クレープ、それで今回はクレープで気持ちがいっぱいになっちゃうのかな? そう思ったら、いや、抗うんだ! 理性なくしちゃうからと、人目があるから恥ずかしいと、それでセーブしながら食べようとしたら、みかみーが自分のクレープをぐいってよこしてくれて、これでこころん陥落か!? と思ったら、あー、注目集めて、それで頭がショートしちゃうんだ!
食べること大好き。というか、食があらゆることに優先する、そんなこころんなのに、今回ばかりは注目されることに耐えきれなかった!
いやまた、極端な子ですよ! 普通にはならんのか。まさかぶっ倒れるほどのことだったの!? ほんと、まさかの展開にこちらも大びっくりでした。
- 『まんがタウン』第22巻第12号(2021年12月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿