『まんがタイムきらら』2021年12月号、発売されました。表紙は『スロウスタート』。花名とたまてがふたりで一緒にスノウホワイト? 白雪姫の衣装を着まして、おおお、手にしているのは毒リンゴ!? ふたり一緒に両手を寄り添わせて、いざリンゴを食べようとしている。と思ったら、花名はもう食べたのかな? なんか口元がもぐもぐしていない? 同じく白雪姫ではあるけれど、対照的な色合いの衣装、けれど不思議と調和して、彩度があってるからなのかな? 華やぐ、そんな明るさありながら落ち着きもある、しっとりと優しげなイラストが素敵です。
『けいおん!Shuffle』
真帆の所属するバスケ部が廃部の危機! 3年生の引退と奮わぬ新入生獲得、さらに低迷する成績もあいまって、廃部の縁ぎりぎりに立たされてしまっているというんですね。さて困った。どこぞの誰かが部を立ち上げようという、それが原因で押し出されようとしているわけですが、なんと困った、その誰かって軽音同好会の先輩たちか!
部になったら部費も出ますよ。機材揃えられますよ。その誘惑にバスケ部の危機が頭からすっぽ抜ける紫の現金さ! でもそんな紫が好きよ。
真帆、板挟みになっちゃいましたね。バスケ部は存続させたい。けれど軽音同好会を部に昇格させたい。両方の気持ちが嘘じゃないから、その狭間で身動きとれなくなってしまって、まったくパフォーマンスを出せない。地区予選一回戦を勝ち抜けなければ廃部が決定してしまうというのに!
という時に、まさかリサが突入してくるとは思いませんでした。花凛と交代してきたの! というか、運動万能なの!? 真帆に発破をかけつつチームを勝利に導く、その姿はかっこよかったなあ。またリサの言葉に迷いを断ち切った真帆、その表情もよかったですよ。
しかし、軽音同好会、部になれなくて残念ですね……。と思ったら、まさかの手品部廃部で昇格かなうって! コンフリクトとその最中での決断を描いた末に、コンフリクトの根っこをばっさりいっちゃうって、いやまあ爽快というか痛快ですよね。手品部には廃部を巡るドラマはなかったのかい!? とか思ってしまったけど、いやきっと多分大丈夫なんでしょうなあ。ほんと、棚ボタ感あったけど、そのぽろりときたのが鮮やか。びっくりで面白い、とてもよかったです。
『しあわせ鳥見んぐ』
フィールドスコープで鳥を見ます。子供たちがひとしきり見た後、さあすずが先か翼が先か。ああ、ふたりともにうずうずしてるけど、すずの方がうずうず度合いが高かったかあ! 翼が譲ってくれたんですね。
双眼鏡よりずっと倍率の高いフィールドスコープだと、遠くの野鳥がこんなにも近く、大きく、見えますよ。もう、すずったら興奮しちゃって、子供たちも見たいというので、じゃあ皆で一緒に見られるようにと、スマートフォンをフィールドスコープにつけちゃった!
へー、スマスコっていうんだ。で、思い出したんだけど、昔、これに似たことやろうと思っていろいろ調べてたことあった! 遠い記憶を探ってみたら、そうそう、これこれ、デジボーグ。比較的安価な望遠鏡にカメラマウントアダプター取り付けて、超望遠写真を撮っちゃおうってやつ。自分の興味は野鳥ではなく天体写真だったんですが、野鳥撮ってる人がもうたくさんいらっしゃって、専用の掲示板まであったりするよ! もうびっくりするような力作が大量に投稿されてるからね、見てるだけで時間があっという間に過ぎちゃう!
とまあ感心するやら感動するやらだったのですが、きっとあの時の自分の興奮、それと同じものをすずたちも感じてるのかも知れないなあ。なんて思うと、なんだか共感度があがって、嬉しくなってきちゃうわけなんですね。
今回ピックアップされた鳥はハシビロガモです。水中のプランクトンを食べるというのですが、効率よく沢山食べられるよう、くちばしがヒゲクジラと同じ仕組みになってるんだ! ぐるぐる回って水底からプランクトンを巻き上げるというのも、クジラとかイルカが似たことやるよね。面白いなあ。収斂進化っぽいもの感じるなあ。
そしてすずの前に広がる野鳥の世界の広大さ。それが示された後半。日本にはおよそ600種の鳥がいて、探鳥人の案内人、あすかが出会ったのが300種くらい。翼は200種弱でというの、どれほどに奥深いのだろうということがうかがえて、ああ、興味持って、好きになって、ハマると大変なやつですよ。そしてその広大な世界に足を踏み入れて、なおさらに遠くまでいこうとするすずのその期待に満ちた表情、それが実にいいんです。
ええ、好きなものを前にした人、興味に全力をそそごうとする人の姿はなんて素敵なのでしょうね。
- 『まんがタイムきらら』第19巻第12号(2021年12月号)
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