2012年3月12日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年4月号

『まんがタイムジャンボ』2012年4月号、発売されました。表紙のテーマは卒業ですね。卒業証書をおさめた筒を手にする『じょしもん』美々は紺のセーラー服を身につけて、背景には桜の木々。『おねがい朝倉さん』もセーラー服。ちょっと憂いを帯びた美々に対し、みごと晴れやかな朝倉さん。面白い対比です。そして、『レーカン!』天海さんは、ちょっと古風のセーラー、文学乙女っぽい装いで、お、眼鏡だ、そう思ったら、なんと本編でも眼鏡でありました。『半透明勤務薄井さん』の単行本告知カットもございます。

『炊飯器少女コメコ』は、炊飯器の故障かと思われたあの事象、母ちゃんの仕業だったのですね。育成機能をなくしました。仲良くならなくても普通にご飯がおいしく炊けます。けど、それをおいしいと思えない。てっきりコメコ自身の不調かと思ってたら、そうじゃなかったんですね。面倒なく、ちゃんとご飯が炊けるようになった。けれどあの塞いでるコメコと暮らすのは嫌だと、コメコを別件で送り返すついでに、元に戻して欲しいというんですね。元気になって帰ってきたコメコ。たけるは、このコメコがうるさいながらも落ち着く。本当にちょっとずつですよね。で、これ、コメコをこんな面倒な仕様にした母の気持ち、それは息子を心配しているからこそ、だったんじゃないかな。そんなこと思わされたのでした。たけるに、答の簡単に見付からない問題に取り組んで欲しかった。そのために、コメコを送り込んだんだ。そんなこと思ったんですね。しかし、うちにもコメコこないものか。コメコと一緒なら、たくさんの答がみつけられる気がするんです。

『ちっこいんちょ』、実にいい感じですね。いいんちょのちっこい理由とか、あれさすがに適当だと思うんですけど、なんかわからんながらも説得されそうな勢い。このもっともらしさは、素晴しいものがあります。もし本当に意味のあるものだったら失礼なこといっていますが、こういうところにそれっぽさを感じさせてくれるというのは、ささやかながらも実に効果的でありますね。さてさて、拡声器に一撃をくらわすいいんちょ。その前にやられてしまってる先生と、落ちのコマの印象の落差、それが見事です。いいんちょをとりまくキャラクターも魅力的で、いつも一緒にいる彼女らも、それから自称ライバルの彼女も、いいんちょ愛されてるなあ。素直な愛情、屈折した愛情、いろいろあれど、みな仲良い、そんな様子が素敵です。

『半透明勤務薄井さん』、単行本が出るからでしょうね。カラーですよ、カラー。ちょっと淡い色合いの薄井さんは、むしろカラーでは普通に見えて、そう思ったら手が透けて、その向こうにある麻生さんの手が見えてるんですね。バレンタインデーのおかえしに悩む麻生さん。薄井さんを驚かせたい、喜んでもらいたい、その全力っぷりがいいですね。しかし、誕生日ならぬ命日をおめでとうというのは、確かに麻生さんならずとも抵抗あるなあ、そんな感じがしますね。さて、薄井さんのいう、働く意識のかたまりというの。確かにこの人は、その意欲でもって現世に縛り付けられてるんでしょうが、それが決して不幸と見えないのがこの漫画のいいところです。そして、薄井さんにお礼。ちゃんと伝わる気持ち。で、逆にサプライズをしかけられるというんですね。ああ、やさしい雰囲気、とても暖かい漫画です。

中2限定!?ガールズトーク』は、ゆずのお母さんと保護者面談でありますよ。しかし、そこで告げなければならない内容というのが厳しいですよね。進路がどうとか以前の問題。進級さえも大変と、って、ちょっと待って? 中学校って出席日数以外で留年とかしないよね? というのはまあ置いておくとして、なるほど、中2の今も大事にして欲しい。それをゆずの母も望んでるだろうというヒカルの言葉、あれは一般論なんかじゃなくて、ゆずの母、優花という人に気付いていたからこそなのか。ゆずの母、登場。30歳、若い母、ゆずは16の時の子で、ヒカルと同い年。ああ、なるほど、これもまたそういうことか。ゆずの母、どことなく百合子先生に似てる。なるほど、これもそうなのか。そしてゆず母とヒカル、再会ですね。これがなにを導くのか、これは実際先が楽しみでありますよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第4号(2012年4月号)

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