『まんがタイムファミリー』2012年5月号、発売されました。表紙は『ぽちゃぽちゃ水泳部』。色違いのネクタイ、カフス、スカート身に付けた四人が、片手をおーっと突き出して、元気、元気、元気! で、ひとりちょっと恥ずかしそうなかじりん先輩が落ちになっているんですね。しかし、このかじりん先輩が可愛くて、いやあ、なかなかいい表紙だと思います。なんか変身して戦いそうね。
今回はえらい巻頭近くにエッセー企画が置かれていて、人気あるのでしょうか。いや実際面白いから、こういう企画好きですよ。「ザ・好物」、自分の好きな食べ物を語ります、そうした企画。参加者は光晴ねね、しめ子、芦浦だんこ、コナリミサトの四名です。さて、光晴ねねさん、いやえらいこと可愛い子供時代のお姿。お母様がえらいこと料理に凝ってらっしゃったんだそうで、すごいですね、フランベとかまずやろうと思ったことがないですから。しびれます。そして、しめ子さんのうどん愛、これはすごい。私もうどん好きですが、ここまでじゃないかも知れません。チョコ&クッキーをトッピングしたホットケーキは、ちょっと試しに作ってみたいかな、なんて思いました。そしてしらたき。これもおいしそうですね。ただ自分の場合、これ以上体重減ったらいろいろまずそうなので、はまってはいけない気がします。
『教師諸君!!』は春の風景。花まつりの話題があって、かなまら様の話題があって、そしてエイプリルフールですね。事前に明かされていた手段でもって騙された西名先生。けれどそれが転任してきた家庭科の先生、玉縄先生と一足先に出会うきっかけになるっていうんですね。すらっとして背の高い素敵な人。厳しい人? 融通きかない人? そう思ったら、いやそうでもないのか。まあ実際深沢先生の対応はあかんよねえ。思ってしまう気持ちはわからんでもないけど、表に出しちゃあいけません。しかし、普段の西名先生と授業の西名先生、なるほど前日に出会わせたのはこのためか、いきなりのコスプレに驚いて、けど意外やノリノリ。面白いなあ。いい感じだなあ。城先生に対しても、優位をとって面白い。固いのか柔らかいのか、そのわかりづらいところ、それが魅力と感じます。そして思わぬ展開。ああー、教頭先生かあ。これは思わぬ展開でした。
『ひよっこシスターの安息』は、なるほどシスター雛形は歌が苦手と。いや、しかし、あの憂いをおびた表情、ちょっと珍しい。そして、舞い散る花びらを受けるシスター、ああなんて美しいんだろう。さてさて、エイプリルフールですよ。ことごとく騙されるシスター雛形。めちゃくちゃ面白い。あの、今年こそはやりかえすとやる気のシスターがいい感じ。だって、やる気はあって、けどまったくもって騙すとか向いていない人なんですものね。そして、シスター曰く年上。あの嘘じゃないもん 本当だもん!
これはいけません。なんて可愛いんだろう。いや、ほんと、いけません。嘘や騙す、そうしたことをやってきて、それで翌日の鮎子の言葉を昨日散々やったといなす、こういうの、すごくうまいですよね。そして、これをきっかけに思い出される昔、シスター雛形がこの修道院にやってきた時のことを思い出すシスター根津。ああ、なにかいいですね。この人たちの歴史なのか思い出なのか、あるいはちょっとした感傷なのか、感慨のある描写があって、けれどそれがちゃんとエイプリルフールの落ちになってる。ああ、これは素晴しい。すごく綺麗なエピソードのまとめ方だと思いました。
『博士の白衣女子攻略論』、めちゃくちゃ面白いです。虫の話、かと思いきや、なるほど添加物とかに向かうんですね。コチニール色素、カイガラムシからとれる色素で、あー、虫ですよね。昔添加物とかの展示で現物を見たことありますよ。しかし冒頭の、春ですね、虫ですね、そんな導入がこういったところに繋がるとは、まったく予想もしませんでした。さて、細かい男たちがいて、意外と意思が弱いお嬢さんがいて、わりと大雑把なお嬢さんもいて、しかし皆いい感じ。人間臭いというか、親しみあるというか、ちょっと面倒だったり困ったり、そんな風に思わされるところもあるかも知れないけど、人の弱さ、いじらしさ、可愛らしさ、そうしたものも感じられて、ほんと、いいなあ、そう思うんですね。さてさて、すっごい青色、って、ああ懐かしい。私も買いましたよ。そのものこれとはいわないまでも、こういうことなんだろうなあ。あの、ニヤニヤしてる須藤さん、赤星さんが最高です。そして最後の天然信仰。ああ、これはいいですね。これはいつもこういう話が出るたびに、ほら、よくあるでしょう、人工のなんとかは有害だけど天然のなんとかは安全、みたいな話。いやいや、そんなことあるかよ、人工だろうと天然だろうと、安全なやつは安全で、危険なやつは危険だよ、そういう話がわかりやすく、面白く語られて、いや、素晴しい。実によい。博士はほんと、変な人だけど、ちゃんとしたバランス感持っててナイスですよ。
ところで、蚕の醤油って、さっぱりした魚醤みたいな感じなんでしょうか。試してみたいとは思わないけれど……。うん、この感情、偏見ですよね。
- 『まんがタイムファミリー』第30巻第5号(2012年5月号)
引用
- 山田古都子「ひよっこシスターの安息」,『まんがタイムファミリー』第30巻第5号(2012年5月号),54頁。
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