2012年3月27日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年5月号

『まんがタイムオリジナル』2012年5月号、発売されました。表紙は、笑いの一本勝負。なんと、剣道がテーマみたいですよ。『ラディカル・ホスピタル』山下さん、凛々しくてかっこいい。他にも『らいか・デイズ』らいか、『トリセツなカテキョ』先輩が道着着て、ああ、こういうの凛々しくてかっこいいですよね。榊先生の面を打つ師長が、なんだか赤胴鈴之助みたいですよ。

『よゆう酌々』は、もうめちゃくちゃ面白いなあ。お客さんが酔い潰れてしまって、帰れない戸田くん。電車なくなるから帰っていいよっていうんですが、店を心配して残ってくれてる。いやあ、そこは女将になにかあったら、とかいいなさいよ、みたいなこと、ちょっと思ったけど、この人は口が裂けてもいわんでしょうね。で、泊まっていく戸田くん。そして翌朝の誤解。ああー、あの赤面の粧子さん。なんて可愛いんだろう! そしてお客ぎっしり。もう、めちゃくちゃ面白いなあ。最高ですよ。放置したんだ! どういう誤解をなさったのだろう! めちゃくちゃ面白いよ!

『満開!Sister』はお花見のお話。さくらちゃん、やっぱりちょっと黒いね! もうそういうところが大好きです。そして場所取りの極意ですよ。これはすごい。そういや、鎧、いましたっけね。桜の下に鎧。ちょっと狭いね、というのでたけし、鎧を着込んで、あの夜桜ですよ。しびれます。最高です。鎧をぬいでからの展開もいい。さくらちゃんの落ち、たけしの鎧落ち、どちらもとてもよくって、手抜かりなく、おいしいところを拾っていってくださるなあ。そんな感じ。ほんと、このノリとか大好きです。

『あねぐるみ』、こちらも花見ですね。楠木弟が場所取りに出陣。姉ちゃんの部下、錦も動向することになって、無口な人、そう思わせてメールでは多弁。いや、なかなかにオタク気質なお嬢さん。机には大量のトイ、花見の場所取りにもお気に入りのおもちゃ並べて、フリーマーケットと勘違いされる始末。寒くなればテントに潜り込み、とにかくマイペース。で、おもちゃを汚されることを徹底的に嫌うあの潔癖、いやもう、他人事じゃないな。私も、本触る前には必ず手を洗うものな。いや、しかし、今回は錦さん勝ちでした。テントの誤解、面白く、マイペースな彼女、魅力的。そして、おつりで食玩で釣られる、この好きなことにまっしぐらというところ、ほんと、いい感じでありますよ。

『ゆらゆら薬局プラリネ』、これもいいですね。妹と兄のポジションが冒頭に改めて語られ、そして兄ひとり、妹ひとりの生活……、って父さん健在なのね。いやほんとしかし、あんまり妹妹いわないでという妹からが、兄に愛でられることに慣れきってしまってるとか、それがいい。で、なにがいいかっていうと、合コンでの兄貴ですよ。女 俺に構うな。あだ名が武士って、もう最高に面白かったです。そして、なぜ兄貴がこんなになってしまったのか、その理由描かれ。なるほど、こうだったのか。だんだんに前提が見えて、しかしこの人の人間関係、うまく発展していくものか? 兄貴、妹以外の女性に心を開く日がくるのか? わからん。わからんけど、なにかひと山あったりはしそうな感じがしますよね。ああ、武蔵野さんとはないと思います。

『小森さんは断れない!』、いいですね。小森しゅりは人の頼みを断れない。そういうんですが、それは人から嫌われるのが怖いからなんじゃないか、そう自問したりする、その背中が切ないですね。いや、いきなり最後のネタで申し訳ない。けど、この場面にはぐっときたんです。断って嫌われたらどうしよう、のほほんとマイペースに頼み事を聞いている、そんな風に見える彼女も、内面にはいろいろ嵐が吹き荒れたりするのか。そう思わされて、けどその気持ちを沈めてくれる友達の一言。ああ、ほんといい関係。この、ちゃんと信頼があるよっていう、厳しいこといっても、いわれても、気持ちは離れないよ、そうしたことを互いにわかってるのかもな、そんな風に思わされたんですね。こういう、時に弱気になってしまう、そんな自分を支えてくれる友達がいるというのは、本当に素敵なことだと思います。人にはっきりといえるめぐみ、面白いまさ子。ふたりともに、しゅりのいい友達。めぐみ、いいやつ! そして、しゅりの妹。なんだ、この子、可愛いな! ほんと、面白いだけじゃなく、登場人物がみな魅力的。いきいきとして動きがあって、いい漫画だと思いますよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第5号(2012年5月号)

引用

  • 松田円「ゆらゆら薬局プラリネ」,『まんがタイムオリジナル』第31巻第5号(2012年5月号),64頁。

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